第12号小路線の戦い。
ー同日深夜2:34ー
輸送艦隊は悠馬の命令の下一路、基地を設営する場所目指して進撃する。
深夜と言うだけあって生徒の姿も、先生方や警備員の目も少ない。
出撃から現在で2時間は立つが今の所異変はなし。艦隊は順調に進撃し駆逐艦は周囲の警戒を厳にする中異変らしい異変が起こったのは2:40分頃の事だった。
この頃、目的地まで続く道の真ん中を輸送艦10隻を中心に駆逐艦が囲っているような陣形で突き進む中、輸送艦隊の5番目を航行している一等大型高速武装輸送艦の5番艦:第5号艦の電探が何かをキャッチする。
悠馬の艦艇の中では始めてこの一等大型高速輸送艦に搭載された電探で所謂レーダーになりかけている装備品で本艦から半径6kmを監視できる。その半径6kmの中に影が一つ。とても小さいが察知した。
第5号は第1号にこの情報を伝達し第1号はこの艦隊の旗艦である黒部型軽航空巡洋艦の2番艦、早月に伝達。早月はその場に駆逐艦5隻を向かわせ、唯一、太刀風だけが輸送艦隊の直営に就く。
駆逐艦部隊は先頭に淡路を筆頭としていたので淡路を旗艦にしその場に突撃。
輸送艦隊は早月、太刀風の護衛を受け一路目的地目指して進撃する。
一方、第5号の影として移ったのは理事長直属の先生達である事が後日、波304によって確認される。
その先生達と駆逐艦隊5隻による戦闘が第12号小路線と呼ばれる小さい道の中で行われる。
駆逐艦部隊はこの戦を第12号小路線の戦いと呼称し先生方と接敵する。
まず先手を取ったのは単縦陣で3番目を航行していた父島が砲火を開く。父島の放った砲弾はまるで茂みに潜む先生達に吸い込まれるように向かい着弾する。
先生達の数は5名。父島の命中弾は先生Bに着弾。先生Bは気絶する。
駆逐艦は5隻で相手の逃げ道を失わせる。挟み終えた駆逐艦5隻は一斉に砲火を開き先生5名をたこ殴りにする。一方的な戦いであった。先生達で能力を持っていたのは唯一先生Dだけで彼の能力は自分の存在を消す力。
つまり自分だけこの駆逐艦で囲まれた地域から脱出した。彼は一声かけるだけで姿を消した。
「カモフラージュ」そう呟くように言うと先生Dは一瞬で消えた。
消えたとき、他の先生達から「この裏切り者ー!」と罵声を浴びせられたが彼は気にする事なく能力を全開にしてその場を去る。この戦闘で損傷した駆逐艦は0。一方先生達は姿を消した一人を除いて全員。
フルボッコにされた。駆逐艦5隻がその場を去るときその場に居たのは完全に疲れきった先生4人のみ。
駆逐艦側も相手が大人である事を確認していたものの相手が大人なら本気だしてもいいよねっと言う理由で容赦なく主砲弾を浴びせた。
一方、姿を消した先生Dはと言うと・・・。




