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奇想の艦隊  作者: 置草茅
26/122

この任務。まるでスパイみたいだ。

 ー理事長室ー


「これは驚いた。まさか。戦艦如きが能力者に勝利するとはな」

「戦艦と言ってもただの戦艦ではないようです。後方には航空戦艦や航空巡洋艦らしき艦影かんえいもありました。我々は少し彼の実力を甘くみていたようです」

「校長。ここは一つ。彼に対して策を打っておこうと思う」

「はぁ・・・策ですか?」


 理事長室ではこの学校を裏から操っていると言われている理事長とこの学校の校長が暗い部屋の中でヒソヒソと会話をしていた。しかしその理事長室には先に伊1208補給母艦より給油、弾薬補充などを済ませた、波301が潜む。

 本艦の任務はまさに今、この状況の偵察と会話の内容の傍受であった。波301は理事長の席のギリギリの所でゆっくりと潜望鏡深度まで浮上。盗聴器一式、通信傍受器を会話傍受型に変更しその役目を果たしつつあった。そんな状況下でも平気にベラベラと理事長は校長に指示を出す。


「そうだね。まずはあの委員長達を成敗した戦艦郡を罠にはめる。あれから潰す」

「どのような方法で?」

「確か能力者の中に重力を自由自在に操る生徒がいましたね」

「はい。××××(雑音)。彼ならその力を余すことなく発揮するでしょう」

「では彼にこの書類を渡してください。あの戦艦部隊を血祭りに挙げます」

「分かりました」


 会話の内容はここで途切れる。波301は校長がいなくなるまでその場を遊弋する。ドアが閉まる音を確認すると深度深く潜航。ドアを通り抜ける際に艦橋などに当たらないようにするためである。

 波301が理事長室を去る間際、何かセンサーのような物が突然反応する。波301を捕らえたのか?しかし理事長はその場を見るが特に異常がない事を確認すると窓から景色を堪能し始めた。


 波301は理事長室を後にしその深度を維持。潜水艦補給母艦が待つ地域まで移動後、その母艦が浮上するのを潜航しながら待つ。場所は建物の裏側でそこは体育のときよく使う小道具などが置かれる場所の裏側。浮上したのは伊1208で浮上を確認した波301がゆっくりと浮上。


 波301は伊1208の右舷側のドッグへ入港し燃料、弾薬の補充。他点検などの作業を済ませ伊1208を離れた後他の生徒に見られないように急速潜航。

 一路悠馬が居る寮の自室へ向かう。が更に此処で偶然にも異能力バトルが行われている場所の近くまで来ていた。戦っている面子はどうやら2年生らしい。激しいぶつかり合いだ。


 火花が散り水しぶきが舞う。その様子を艦橋深度まで浮上し艦橋防水水中レーダーで撮影。更なる詳細な情報を掴むため急速に接近し撮影。成果は充分で潜航しそまま寮の自室で待つ悠馬の下へ向かう。

悠馬がこの理事長と校長の会話と能力バトルの映像と傍受内容を確認したのは波301が部屋に浮上してから実に45分後の事であった。


 悠馬はこの中でもやはり理事長の情報を重視。波301潜には今後、理事長室の監視任務に就くようにと悠馬から指示を受け僚艦である波303潜と共に任務に就いた。

 そして情報を知った悠馬は早めに最初の一手を打つ。

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