潜水艦の沈没数。
「おかしい……」
僕の呟きに風間は少し首を傾げた。僕は此処数日の間に撃沈される艦艇の被害の多さに唖然とし、また水上艦艇はともかく、図書館での異常なまでの潜水艦の撃沈数にも目を光らせた。
既に四日たった中。第一生徒直衛艦隊は新型重巡洋艦。皆子型の二番艦:国見と駆逐艦父島を残し全てが撃沈された。
戦艦常盤も三日目に刀義と及川を守ろうとして撃沈され、その最後は主砲を放った後、轟沈。最後の主砲は敵に命中し、旅は道連れと言わんばかりに葬った。
皆子も国見を逃がすために自ら標的艦となりその壮絶な最期を迎えた。
第二敵地強行偵察駆逐隊も全てが撃沈され、同様に三日目で第一敵地強行偵察駆逐隊も全滅された。唯一、この艦隊の中で生存していたのは水霜のみで、水霜には生き残った刀義の護衛を命じた直後に大沢さんが退場。
駆逐艦、戦雲、乱雲の二隻共。大沢さんを守り沈んだ。
六人のうち刀義、山下を残し全員退場したため、解散し二人共、生き残る事を決意し別の道をとった。皆子は第二殴り込み艦隊に加わり決戦へ挑もうとしていた。
「図書館で十一隻も潜水艦が沈んでいる……これはどう言う事だ?」
十一隻の潜水艦はいずれも図書館の二階で沈み、沈没場所は皆、バラバラだ。図書館に何かあるに違いない。僕はそう確信し、更なる潜水艦隊を送り込む事にした。
波314潜を皮切りに、波309潜、波303潜、波305潜、偉龍、兎龍、鋭龍、飢龍、波319潜、波322潜、波329潜が沈んだ。
だが、その沈没したデーターから敵の行動や地形を生かした戦法で、潜水艦ハンターに勝負を万全な体制で挑む事にした。
全ては十一隻の仇を討つために。
僕は風間にはその場に居るようにと、指示し自身は校内に入り、空き教室と化した一年三組の中に入って、密かに持ち運んでいた小さな図書館の地図を開き、作戦を練る。
作戦を練る間。第一航空艦隊が敵の攻撃を一挙に引き受けていた。練り始めてから三時間が経過。空母艦隊はほぼ壊滅に等しい被害を被った。
正規空母はほぼ全てが撃沈され、護衛艦隊も半壊した。空母艦隊の激戦については後に語るが、現在はその大損害を無視してまで作戦を練り、そして潜水艦を選抜した。
選抜と言っても図書館の近くに居た潜水艦をほぼ全てかき集めて出来た素人の集まり。だが、一匹狼よりはましな戦果が期待できるだろう。僕はそう信じていた。
作戦名を「ドラム・ファング作戦」と名づけた。潜水艦の牙と言う意味で、文字通り、撃沈を繰り返す敵に渾身の一撃を加えようと言う意図もしっかりと含まれていた。
ドラム・ファング作戦はある意味で、この能力大会の戦況を大きく変えたのかも知れない。




