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奇想の艦隊  作者: 置草茅
113/122

試験駆逐艦、奮闘ス。

 合戦用意の警報音が三隅から図書館公園に響き渡り、敵発見の報があったとされる茂みにその砲身を向け始めていた。

 だが、その玩具サイズとも言える軽巡洋艦や駆逐艦の砲は、敵にとってみれば、まだこちらには気づいていないのだろうと言う、慢心を引き出すには充分だった。


「おりゃ!」


 一人の男子生徒が右腕を振るう。振るった先には駆逐艦:薄霜うすしも、先を行く皮霜かわしも、薄霜の後続に晩霜ばんしもが行く。

 しばらくすると、薄雲の上に霜のような白い霧が発生。その後、白い霧は突然、炎に移り代わり、まるでその霧にマッチを点火したように燃え移った。


 火は滝のように落ち始めて、薄霜は完全に炎上し始める。艦中央部には載せていた魚雷が載っていてそれは、火災よりも早く火が燃え移り、魚雷は誘爆し大爆発を起こした。

 更にその爆発によって、彼の力なのか、炎はカーテンのように後続の駆逐艦晩霜にも艦中央部に炎が燃え移る。そして、晩霜も爆発を起こしたが先に薄霜が水平を保ったまま、黒い炎を上げつつゆっくりと別次元の海の藻屑と化した。


「行けェ!」


 また、別の男子生徒はその攻撃に特化した長いヨーヨーが、燃え盛る晩霜の船体をぶち抜いた。ヨーヨーが戻っている頃には機関室を直撃され、煙突から更に黒い煙が上がる。

 その後、二番煙突が破裂。晩霜は船体を真っ二つに折って、ゆっくりと沈みつつ藻屑と果てた。


 だが、その仇を討つため、晩霜の後続に続いていた水霜みずしもからその搭載されていた約二十二本を全て的確に放ち、また放ちつつ自身の独断により発砲を始める。


 砲弾は全て茂みに着弾し、燃やしているだけであったが、魚雷二十二本は一人に三本ずつ命中。二人は吹き飛ばされ、腰を強く打ち三隅の砲撃により退場した。

 だが、攻撃はそれでは収まらなかった。


 水霜の背後から、先の戦闘に紛れて進出していた黒ずくめの男子生徒が紙飛行機を飛ばしてきたが、その距離からでは勿論。水霜には届かなかった。だが、その紙飛行機の先端から蜘蛛の糸よりも頑丈で細い糸のような物が放たれ、水霜の艦首ギリギリのラインを通り過ぎた。


 通り過ぎたが、その先に居た駆逐艦:皮霜の船体中央に直撃。鈍い音と共に皮霜は皹が入ってから、船体が破裂。船体を真っ二つに折れてから皮霜は沈んだ。

 皮霜の仇を討つため、その試験的に搭載されていた後部魚雷がその黒ずくめの男子生徒に放たれた。


 四本の魚雷は全て外れたが、戦列を離れていた斑霜はだれしもの後部魚雷が彼の回避行動先に連携攻撃として四本を放つ。


 四本の航跡は真っ直ぐ黒ずくめの彼に直撃。四本の魚雷を受けて黒づくめの男子生徒は退場を余儀なくされた。この戦果により後部魚雷の見直しが図られ、後に悠馬から理想的な艦隊型駆逐艦と呼ばれる傑作艦の完成の礎となった。


 だが、この礎のために皮霜型はネームシップの皮霜以下薄霜、晩霜が犠牲となり、能力大会における最初の被害となった。

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