機密保持に勤しむ。
彼女はその光景をずっと見つめている。僕は、これ以上機密を見られてはまずいと思い、彼女に一つ提案を出した。
「ねぇ、今見た事を誰にも話さないでほしい」
「どう言う事かしら?」
少し鋭い目つきで僕を見る。僕は呼吸を整えてゆっくりと話す。
「アレは僕の能力でね。僕の能力の中で特に他人に見られたり話されたくない物なんだ。しかも最新鋭艦とあってはね。そこで、提案がある」
「……何かしら」
多少、時間を空けて僕は話した。
「提案と言うのはこの艦に関する全ての記憶を消す代わりに能力大会で貴女が生き残れるように保証しようと言う物だ。どうかな?」
「……魅力的な内容だけど、生き残るとはどう言う意味かしら?」
「能力大会はより多くそのクラスの生徒が生き残れば優勝になります。そのため僕は他の生徒は攻撃をしますが、貴女には攻撃をしません……と言えば理解してもらえますか?」
つまり、潜水艦による雷撃及び艦艇による砲撃で彼女を退場させると言う事は此処で了解すれば、一切ないと言う事だ。脅威が一つ、いや二つ減るのだ。
「今日の出来事を忘れて、尚且つ誰にも喋らなければ君からの攻撃を受けない……と言う解釈でいいのかしら?」
「はい、そうです」
「……分かったわ。今日見た事。起きた出来事を全て忘れましょう」
忘れましょう。
この台詞を聞いた時。僕は少しだけ、気が楽になった。更に聞いてみると此処は基本的に彼女しか立ち入りしないと言う。
そこで、伊1300型、伊1200型の活動領域にしてもいいかと言った取引を彼女との間で交わした。結果は了承を得て早速、極秘艦隊が彼女の前にその姿を現した。
「本当に、チートてっこの事を言うのかしらね」
「これはまだ良い方だと思いますよ。だって、クラスメイトには空気を奪う奴だって居るんですよ」
「フフ……それもそうね」
伊1204潜が浮上し波318潜の補給作業に入る。潜水艦が潜水艦に入港する様子を見て彼女は言った。しかし、これはまだまだ序の口。実際、要塞ごと潜航させようと言う計画があった。
要塞は八隻分のドックを備え一度に一個潜水艦艦隊の補給を潜航した状態で補給すると言う少し頭おかしい艦も計画の中には存在した。
設計まで進み遂に建造してみようかなと思った時、仕様するptは何と一万八千に上った。当然と言えば当然である。
で、建造できなかったので、企画をかなり小さくしたのがこの伊1200型波型潜水艦補給母艦だった。発想やコンセプト等は全く同じだ。今思えばこれで充分だったかも知れない。
現に今ある姉妹艦数で波300型は全艦補えているし波315型も一部、補えている。数を増やせば全ての偵察潜水艦の補給が行えるんだ。
「もうこんな時間か。じゃ、この艦達をお願いできるかな?」
「えぇ、大丈夫よ。確かに預かったわ」
そして僕は静けさが戻って来た廊下に足を踏み入れた。丁度その頃、補給作業を終えた波318潜が再び任務を遂行するため、伊1204潜から離脱し、潜航を始めた。




