表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇想の艦隊  作者: 置草茅
105/122

号外の声を聞きつけて。

 僕は席を立ち教室の窓から少し顔を出し、廊下の様子を窺う。どうやら、此処の廊下ではないようだ。廊下は人気がなく、静まり返り、ただ、日差しだけが廊下を照らしていた。

 そんな時、僕は廊下から顔を少しだして、数秒後。上の階を哨戒潜航中の伊1203潜から緊急情報をスマホで受信した。


「二階ニテ、大勢ノ人ダカリヲ確認セリ。現在、潜望鏡深度三十ニテ待機警戒中」


 潜望鏡深度と言う事は既に、潜望鏡を上げてその二階の様子を撮影、若しくは確認した事になる。二階は二年生のクラスが主な教室で他に多目的室が存在し、空いた空っぽの教室も一部屋確認されていた。

 近くに近寄った風間も釣られて廊下を見渡すが、特にこれと言って変わった所はなかった。


「な、何だい? 急に窓越しに顔を出したりして」

「風間は聞こえなかったのか?」

「何を?」

「号外と言う声をだよ」

「……聞こえなかったな? 何時の話だ?」


 首をかしげ、風間は知りませんよと言う府陰気を出す。どうやら、二階の声を聞いたのは、僕ぐらいらしい。しかし、僕は他の人よりも格段に耳が良いと言う訳でもない。

 と、なると、空耳だったのだろうか? しかし、実際にこうして伊1203潜が報告を提出している。


「ちょっと、二階へ行って来る」

「えっ、宿題はどうするんだよ!」

「すまないが、少し僕の分もついでにやっておいてほしい。じゃ」

「えっ、ちょっと! ……行っちゃった……」


 僕は軽く、風間に宿題を少しだけ押し付けて二階への階段を上る。一段上るごとに声は少しずつ大きくなって行った。報告通り複数人居るようだ。

 既に、僕の目の前の次元で伊1203潜が潜望鏡深度で待機していたらしい。その様子は僕にしか見えていない。僕は、その空き教室へこっそりと忍び入った。


 誰にも気づかれる事なく、ただ情報収集のために僕はこっそりと入る。念のため、情報収集に特化した潜水艦。波315型偵察潜水艦の波317潜を向かい側の階段前に潜伏させる。

 勿論。その様子も僕しかしらない。早速、定位置に着いた波317潜がビーコンをピーンと放ち、情報収集用の電探を別次元内で操作する。


「誰?」

「へっ?」


 鳥肌が軽く立った。急に背後より女性の声がしたら、誰だって驚く。ましてや、誰もいないはずの空き教室にだ。僕はゆっくりと背後を振り向く。これが幽霊だったら、気配を感じた時は背後ではなく、真上に居ると言う雑学? を風間から聞いた事があるが、今は気にしなくてもいいだろう。


「誰……てっ、それは僕の台詞だよ。なんで、無人の空き教室に女子生徒がただ、一人。隅っこで座りながらキャンバスに絵を描いているの? 此処は空き教室じゃ……」

「看板。見ていないんですか? 此処は美術部仮部室ですよ?」

「仮」てっ、何だよ」


 僕がドアの近くにある看板を確認するとそこは確かに「美術部仮部室」と書かれた看板が美術部と言う事もあってか綺麗に飾られていた。

 つまり、これは……ある意味、不法侵入ですかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ