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異世界ハーレムはただしイケメンに限る  作者: 日暮キルハ
二章 守るためなら何をしてもいいのか?

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神隠し編・新しい扉

「いや……心配かけたのはほんとに――」


「悪いと思ってないよね?」


「……いや、そんなことは――」


「反省しようか?」


「……すいません」


 朝帰りとなった俺はアジトに戻るや否や入り口で仁王立ちしていたレイに正座を命じられた。

 拒否権はなかった。


 なんか最近ますますレイがヘレナさんに似てきているような気がして止まない。

 いや、この何とも逆らってはいけない雰囲気って意味ではすでにヘレナさんを超えているかも知れないな。


 将来が末恐ろしい。


 嫁の貰い手に困りそうだな……

 せっかく可愛いのに。

 いや、くだらない虫が寄ってこないって面ではその方が良いのか?


 いずれにしろレイの将来の旦那は完全に尻に敷かれそうだな。

 あははは


「……なんか反省が足りない気がしてきた」


「なんで!?」


「うーん、分かんないけど……とりあえずあれの上で正座してくれる?」


「……ちょっと待って! 俺、あれテレビで見たことあるよ! 拷問する奴!」


 レイの指差した方に視線を向けるとそこには三角形の木を並べたような台と見ただけで重いと分かる石板があった。

 たしか石抱とかいう奴だったと思う。


 ってかなんでこんなのがアジトにあるの!?

 おかしいよね!?

 どう考えても一般家庭に置いてある物じゃないよね!?


 いや、ここが一般家庭かと聞かれると違うんだけどさ……


「テレビ? よく分からないけどほら早く」


「鬼ですか!?」


 急かすレイに俺は叫ぶようにそう返す。


 あれってたしか四枚目のせてから時間が経つと命にかかわるような奴だったと思うんだけどどう見ても十枚は用意してあるし……


 ……ダメだ。このままいくと本当に殺されかねない。

 せっかく昨日、九死に一生を得たっていうのにこんなことで殺されるとかシャレにならん。


「大丈夫! すぐに良くなるよ!」


「何が!?」


 ヤバい……あの笑顔はほんとにヤバい……


「痛いのは初めの一瞬だけだってグレンさんも言ってたよ!」


「なんであいつそんなこと知ってんだよ!!」


 なに?あいつすでに体験済みなの!?

 尚のこと嫌なんですけど!?


「昨日グレンさんが本読んでこれ作ってたんだよ」


「あいつ日用大工感覚でなんてもん人がいないうちに作ってんだ!!」


 あいつ泣かす。

 魔獣討伐から帰ってきたら絶対泣かす。


 ってか何の本読んでたらこんな拷問器具が出来上がるんだよ!


「そのあと、作ったは良いけどどのくらい痛いのか分からないから自分で使ってみるって言って……」


「はぁ!?」


 あいつバカだろ……

 あれがどんなものか作ったなら知らないわけじゃあるまいし……

 普通自分の体で試すなんてことやらんだろ……


「一瞬だけ痛いけど慣れると大丈夫だって言ってたよ。なんか癖になりそうって」


「なに新しい扉開こうとしてんだあのバカは!!」


 ほんと俺が死線くぐってる間にあいつ何してんだよ……


「まぁ、そういう訳で痛いのは最初だけだから! ね!」


「ね! じゃない! 普通に危ないから!」


「一回だけ! 一回だけだから!」


 その一回で色々と終わる自信があるんだって……


「あれ? 頭、レイ、こんなとこで何やってるんですか?」


 入り口近くで揉めている俺とレイにこの騒動の原因を作ったバカが魔獣討伐から帰宅して声をかける。


「お前が作った悪趣味なおもちゃでレイにいじめられてるところだよ」


「む、アキ君人聞きが悪いよ! 私はただ、アキ君にお灸を据えるついでにあれがどのくらい痛いのか試してみようと思っただけで――」


「あれはついでとかで使っていいものじゃないから!」


「いや頭、案外いけますよあれ。心なしか体の調子が良くなったような気が――」


「しねえよッ!! もうお前黙ってろ!」


 このバカは一体どこで道踏み外したんだ?

 もしかして気付かなかっただけで元々踏み外してた?


「つーか、お前あれ何見て作ったんだ?」


 もうこの際作った奴はあとでグレンに捨てさせるとしてあんなもんを作る教材となった資料は今のうちに捨てとかないとな。

 またこんなもん作られたらたまったもんじゃない。


「へ? 暇だったんで王都の書店で安売りされてたこれを読んで作ってみたんですけど……」


 そう言って懐から一冊の本を取り出し俺に手渡すグレン。

 

 いや、お前どんだけこの本気に入ってるんだよ……

 書店も拷問器具の作成方法なんか載ってる本を売るなよ……


「えっと……『ワクワクドキドキ! の新生活を送る人々へ送る~サルでもできる超簡単家具作りコンプリートブック~』? ……おい、グレン……」


「ん? どうかしましたか? 頭」


「こんな本に拷問器具の作り方なんか載ってるわけないだろ!!」


 拷問器具のごの字も入って無さそうだわ。


「いやいや、載ってるんですって! 言ってしまえばその本の半分くらいは拷問器具の簡単な作り方についてですよ!」


「なんなのこの本ッ!?」


 どんな新生活送ってたらそんな拷問器具必要になるんだよ……

 サイコパスかよ……


「……いや、んな訳ないな……しょうもない嘘つくなよな……」


 冷静に考えてそんなことがあるわけないのでとりあえず目次を見てみることにする。

 なんでこんなすぐばれるような嘘つくかな……


「えっと、なになに? 『第一章 第一項 三角木馬の作り方』……いや、おかしいだろ!!」


 なんで何よりもまずそれをはじめに置いてきた!?

 というかどう考えてもワクワクの新生活にそれいらねえよ!!


「……いや、もしかしたら俺が思ってるような奴じゃないのかもしれない」


 そう、よく考えてみれば俺の知ってるあれではない可能性だってある。

 というかむしろその可能性しかない。


 ここは異世界。

 俺が知らない家具の一つや二つあったってなんら不思議ではない。


「えっと……『使用用途:嫌いな奴の足に重りをつけて完成した木馬にまたがらせましょう。対象が痛みに慣れてきたところで「あっ、ゴッメ~ン!!」と言いながら重りを下に引っ張るのも忘れずに☆』 ……やっぱりあれじゃねえかッ!!」


 俺は手に持っていた本を思いきり地面に叩き付ける。


 というかこれ書いた奴性格どんだけ悪いんだよ!

 そもそもなんでワクワクの新生活なのに嫌いな奴と会うこと前提なんだよ!


「ちょっ、頭! 丁寧に扱ってくださいよ! 完璧な新生活の幕開けだったじゃないですか!」


「頭おかしいだろ!!」


「ワクワクの新生活を送る前に邪魔になりそうな嫌いな奴を消しておくことをおすすめするという作者の粋な計らいですよ!」


「やっぱりただ性格悪いだけじゃねえか!!」


 どこか病的な目で俺を見ながら頭のおかしなことを言うグレンに俺は叫ぶようにそう返す。


 こいつ完全に毒されてやがる……


「ってかこれほんとに……いや、認めざるを得ないんだけど……次のページからは普通の家具だよな……?」


「え? 次の紹介はアイアンメイデンですよ?」


「マジでタイトル詐欺にもほどがあんだろっ!!」


「五個に一個くらいの割合でリクライニングチェアの紹介が載ってるんで問題ないかと……」


「どんだけリクライニングチェアに期待置いてるんだよ!!」


 さすがにそれ一つでこれまでのタイトル詐欺っぷりをごまかせるほどリクライニングチェアは万能じゃないぞ……


「――おはようございます!! アキ殿はおられますか!?」


「ん?」


 あの害しか与えない本をどうやって捨てようかと模索しているとアジトの入り口からバカでかい声が聞こえてくる。


「あれ? この間の……」


「おはようございます!」


「あ、うん。おはよう」


 外に出てみるとそこには俺に『神隠し』の依頼を持ってきた兵士が居た。


「……なんかあった?」


 また、何か面倒ごとだろうか?

 正直勘弁してほしいのだけど……


 そもそも神隠しの方の依頼は達成できそうにないしな。


「本日はアキ殿に王城にお越しいただきたく参上させていただきました!」


「……へ? 王城? なんで?」


「さぁ? 私はただアキ殿をお連れするように命じられただけですから……」


 別にこれといって呼ばれるようなことはした覚えがないのだけど……

 まぁ行ってみれば分かるか。


「よし、分かった。それじゃあ俺ちょっと行ってくるから」


「あ、はい。分かりました。お気をつけて」


 グレンとレイに見送られ馬車に揺られ俺は王城へと向かった。

次回の更新は二日後とさせて頂きます。

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