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異世界ハーレムはただしイケメンに限る  作者: 日暮キルハ
一章 手放せない日常

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クロノス編・私の事嫌いですよね?

 グレンの口から紡がれたこの二人がレイの両親という言葉。


 それに対して俺が思ったことは……


「へー」


 特に何もなかった。


 いや、本当は一瞬だけ……

 なぜかは分からないけど一瞬だけ……イラッとした。


 疲れてるのかな?


「……えっと、頭……この二人は」


「闘えるなら一緒に闘ってもらおう。無理なら家事を手伝ってもらうことになるかな」


 ……うーん、というかこのままだと大所帯になりそうだな。


「あ、それよりレイナさんさっきのは……あれ?」


 どこ行ったんだレイナさん?


「レイナならアジトに戻っていきましたよ」


「会話の途中……」


 自由すぎる……


 いや、俺がグレンと話してたのが悪いのか?

 

「俺達も戻りますか?」


「あー、そうだな」


 これといってやることもないし戻るか。


____________________


「それでこれからどうするかなんだけどさ……」


 全員で昼食を食べながら俺はそう切り出した。

 ちなみに昼食を作ったのもレイナさんだ。


 というかレイナさんは料理以外は壊滅的らしい。

 俺が帰ってきたときに一人だけ転がってた理由が分かった気がする。


 まぁ美味しいから全然良いけどね。


 え?どっちが美味しいか?

 なんのことかよく分からないな。


「これから、ですか?」


「うん。さすがに人数がこれ以上増えると今までと全く同じって訳にもいかないだろうからさ」


「はぁ…そういうものですか……?」


 グレンがいまいちしっくりこないといった様子で首を傾げる。


 まぁ、確かに元々俺を含めて二十一人でやってたわけだから今更数人増えたところでって思うのかもしれないけど……


「三人ならまだいい。けどもしかしたらこれから先他にも同じ境遇の人が見つかるかもしれないだろ?」


 というかまず間違いなく見つかる。


 俺がレイナさんを見つけたのがクロノスで反乱が起こった次の日の事らしいしまだ生き残ってる人は大勢いるだろうからな。

 隠れてるだろうし王都に行った人もいるだろうから今日みたいにあっさり見つかることは無いだろうけど。


「まぁ、それはそうですね」


「そうなった時に今のこれといって何か決まりがない状態ってのは色々と問題の種になりそうだろ?」


 誰が何をして何を担当するのかがきちんと決めてある場合とない場合では効率やトラブルの量が大きく変わるはずだ。


「たしかに……言われてみればそんな気がしてきました……」


 納得してもらえたようで何よりだ。


「まぁそういう訳でこれからも人が来るってんならもっときちんとした約束事や各々の役割なんかをここに居る皆で決めておくべきだと思うわけだけど誰か反対とかいる?」


 皆黙って俺の方にじっと視線を向ける。


 反対はないっぽいけどないならないで目配せじゃなくて言葉で教えて欲しいな。

 一度に見つめられるとちょっと緊張しちゃうよね。


「それじゃあとりあえずは『レブルの掟』、要は約束事を決めようか……」


 そんな感じで話し合った結果大体こんな感じになった。



・命は大事に、少しでもヤバいと思ったらすぐ逃げる。


・一人では闘わないようにする。


・買い物などの王都に出向く際は必ず俺が同伴する。


・一週間に一度『全員』でアジトを掃除する。


・水浴びは女が先、全員が終わったのを確認次第男が水浴びをすること。



 正直、あんまり変わったような気はしない。

 水浴びの時間がきちんと分けられたのと全員で掃除をすることになったくらいか?


「それじゃあ次はそれぞれの『役割』な」


 こっちの方は決めるのに結構時間がかかった。

 色々と変わったこともあるからかな?



『戦闘班』

 その名の通り戦闘を担当する班。

 基本的には魔獣を討伐してもらう。

 あと俺の依頼を手伝ってもらう。

 メンバーは、俺、レイ、グレン、カイ、マイ、メイ、アイ、アリアさん、リリエルさん、リンさん、リザさん、の十一人だ。



『家事班』

 アジト内における様々な家事をこなしてもらう。

 メンバーは、ヘレナさん、リリーさん、セラさん、エリスさん、マリーさん、アネットさん、ローラさん、の七人だ。



『支援班』

 基本的には家事の手伝いや仕留めた魔獣の皮を剥ぐなどしてもらう。

 時間があるようなら薬草などの採取をしてもらう。

 要するに戦闘班や家事班に人員が足りない時に手伝ってもらう班。

 メンバーは、ソフィさん、シャーリーさん、ハーティさん、レイナさん、レイのお父さん、レイのお母さん、の六人だ。



 前まではなかった支援班というものを追加した。


 これは以前に俺達が暇でヘレナさん達が忙しそうにしていることやその逆があったので作ってみた。

 うまくいくかはやってみないと分からないけれどたぶん大丈夫だろう。


 レイナさんだけは自分が家事班に入っていないことに不満があるようだが家事班の面々が丁重にお断りしていたのでたぶん大丈夫だろう。 

 というか大丈夫じゃなくても知らん。


 まぁ、こんな感じで掟とそれぞれの役割が明確に決まった。


「さて、まぁ色々と決めたけど異論や他に何か言いたいことのある奴はいる?」


 ……まぁ何もな――


「じゃあ私から一つ良いですかー?」


 何もないだろうとたかをくくっていた俺をよそにエレナさんがゆらりと手をあげる。


「何ですか?」


 ほんとになんだろ?


「……ほんとは頭が一人の時に聞くつもりだったのですが…これから一緒にやっていくなら皆にも聞いておいてもらうべきだと思ったからこの場で聞きます」


 なんかやけに仰々しいな……


「そんなに――」


「頭はたぶん私の事が……いや、今回の事でクロノスを抜けてきた人たちが嫌いですよね?」


 レイナさんは俺の事をじっと見つめてそう尋ねた。

 ……さっきも同じこと言われたよな。

 正直意味が分からない。


「……それ……さっきも言ってましたよね……どういうことですか?」


 この場の温度が急激に下がっていくような気がした。

 揉め事は勘弁してほしい。

 特に必要のない揉め事は。


「どういうことも何もそのままの意味です」


「そのまま、と言われても……そもそも嫌いな相手をわざわざ助ける必要がないですし……」


「それは頭がたとえ相手が嫌いでも命の危機にあったら助けてしまうような人だからですよ」


「買い被りですよ。俺はそんな良い奴じゃないです」


「……じゃあ頭は……アキさんはヘレナやここに居る皆が奴隷にされていく中何もしなかった私を本気で許せるんですか?」


「何を――」


「それが……それができないからこそ……時折私に向ける視線が冷たくて無感情なものになるんじゃないですか!?」


「――ッ」


 レイナさんの叫び声に俺は思わず一歩退く。


 涙を目の端に浮かべるその表情は彼女がつらい思いをしているのだということを顕著に表していた。


 ……俺、そんな視線向けてたのか?

 そんな冷たい視線を?


 ……違う、そんなことしようとした覚えすらない……


 けど……本当にそうか?


 ……全て否定できるか……?


 俺は……本当に何も感じていないか?怒っていないのか?


 俺が時折レイやグレンに感じていた違和感は二人じゃなくて俺がおかしかったんじゃないか?


 レイやヘレナさん達を助けなかった奴らを許せるのか……?


 いや、違う、分かっている。それはきっと仕方がないことだったんだ。

 許す、許さないなんてそんな話じゃない。


 相手は領主、逆らうなんてできるわけない。

 仮にしたところで潰されて何の脅威にもなれずに終わる。

 無駄なことだ。


 自分を優先するのが正しいに決まってる……


 理屈では分かっているんだ。

 理解もしてるんだ。


 ……けど……


 けど、じゃあ俺はそいつらを、レイナさん達を理屈を抜きにして心から許せているのか? 

読んで頂きありがとうございます!

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