闇に沈むか
人知れず、闇の中を蠢いていた。
決して見つからないようにふわりふわりと、たゆたいながら夜の帷の中を。
産まれてからこれまで数々の修羅場をくぐり抜けてきたし、何度も命の危機に見舞われる事もあった。
それでもこうやって危険を顧みずあちこちを飛び回るのはまだ見ぬわが子達のため、子孫のため。
今夜もそっと獲物に近づき、渾身の一撃をお見舞いする。
気づかれないように、勘付かれないように。
獲物は私よりも遥かに大きくたくましい体をしているがそれでも挑むのはより強い命を次の世代に残すため。
そして今、ゆっくりと獲物に張り付きあらん限りの力を振り絞って体を持ち上げ全力で刺しこ
そこで私の意識は
「うわっ最悪!血吸われちゃったし!!もー絶対痒くなるじゃん!!」