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作者: 二本針 怜

8→9

先頭に戦車、次に奇数、次に偶数を持ってきてそれを2で割ってください。

お願いいたします

私必要とされているのかな


彼女はふと思った。彼女は今雑踏の中にいる。雑踏はまるで彼女の事を察知していないかのように無慈悲に通り過ぎていく。彼女は成績も運動もなかなかできずに劣等感を抱いていた。その劣等感は日に日に強くなっていた。心はまるで収穫を忘れられたトマトのように膨らみ、もう限界だった。


私はどこに居るのかな


彼女はそう思いスマートフォンを出し現在地を見た。だがスマートフォンはひたすら無機質なメッセージを出し現在地を出すことを拒否していた。雨の勢いが強くなった。多くの雨粒が流れる。多くの人は傘を持っているので傘に雨粒が流れる。だが彼女は傘を持っていない、雨は冷たく彼女に襲いかかる。全身がびしょ濡れになる、ふと顔に一滴熱い水が流れた。



雑踏が彼女の体を弾いた。彼女は無様に尻餅をつく。雑踏は何も言わず通り過ぎていく。


彼女の心は壊れた。彼女はおぼつかない歩調で雑踏から離れる。雑踏から、何かから離れようと必死に走る。何かがナニカは分からない。ただ離れたかった。ただ走る、途中で人とぶつかり壮大にこける。持っていた鞄もそんな彼女に呼応したかのように中身をぶちまける。周りから笑い声が聞こえる。彼女は何も言わず物を拾おうともせずただ走った。走っていると都会を抜けた、周りには建物があるが都会ほどではない。

それでも彼女は走る、何にも構わずに



私は要らない,要らない、なのに何故私は生きているの?



彼女は何も判らずにただ、走る。車が喧しいクラクションを鳴らして彼女の前で止まる。運転手は彼女に何か言ったが、彼女は何も言わずただ歩く。道路は螺旋状になっており歩いていると足が疲れる。歩いているとどんどん↑へちかづいていく。雨は降っていないが曇っており依然暗いままであった。車が彼女の隣を通る、全員の顔を伺い知ることはできないが全員暗い表情をしていた。だがそんな彼女に光が差した。太陽の光であった。その光は細く彼女にしか当たっていなかった。



太陽さんは私の事必要?



彼女は口に出して言った。とてもにこやかな笑顔だ。


二本針怜です。

この作品はある方のツイキャスを聴きながら書きました。弾き語りもう一回聴きたいなぁ...

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