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希望的な始まり

高校二年の夏。この時期に立つ大体の人間はある物に時間を費やすだろう。それはきっと、春においてかれたことに今更気付いて青くなっているに違いない。それはきっと、怒りの余り燃えているに違いない。

あれはきっと、僕の青春だったに違いない。




夏の始まったばかりの頃、僕がいるクラス、二年三組には転校生がやって来た。一目見た感想を述べよう。会いたかった。髪は肩甲骨を丁度覆うくらいの長さで、先の方が軽いウェーブを描いている。顔の見た感じはほんのり系女子を連想させ、二重+小顔という基本要素も兼ね備えている。あぁタイプ、どタイプ。透き通るアルプスの風のような声で響いた彼女の名前は、一瞬で全細胞に記憶させられた。佐藤暦。佐藤というありふれた姓の中でここまで光る女性がいたとわ。こよちゃん、、あ、違う、こよたん、、、いやこよちゃん?どっちでもぱねぇっス。

そんな何から何までが完璧な彼女。いないわけがないだろ、小指が、Piiiiiiが。第二に僕が思ったことがこれだ。

僕が彼女のいるであろう超美形Piiiiiiを原子レベルに分解していた時。どこぞの酢豚が「ねぇねぇ!!!

Piiiiiiとかいるの??????」と、死に際の豚の様な大声で聞くのが嫌でも聞こえた。彼女は皮肉めいた美しい笑みを浮かべ「残念ながらいませ~~ん」と、そう言った。

うん言った。絶対言った。誰かに対して嘘を吐いているようには、まったく思えない程、純粋な声で。






机の下。僕、立花尚吾は、決意を、静かなガッツポーズと共にした。



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