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梅を咲かすもの  作者: .a.w
第二章 賀茂編
28/31

【 十二 】




 昼間というのに、青い空は黒雲に満ち、一片の光も漏らさなかった。轟く雷鳴は地を(ゆら)し大地に突き刺さる。

 百鬼夜行がけたけたと大路を横切った。

 人々の間には不安がさざ波のように揺れている。

 朱雀大路も人気がなく、検非違使たちが緊迫した面持ちで練り歩いていた。




 土御門大路と道祖大路の交わる場には、陰陽寮の使部や陰陽生たちによって、五行を意味する五色の幕が巡らされていた。中には五段祈祷法のため、五行祭壇が組まれている。

 その周囲を手伝いのものたちが走り回っていた。

 また陰陽頭などの姿もある。

 金気を意味する白い幕が春風に揺られて、遠くからは鐘の音が聞こえてくる。鬼が嫌うということで、京のあちらこちらで火が焚かれていた。

 晴明はその傍らに立って、濃紺の空を見上げていた。

 神祇官と真言院、陰陽寮はそれぞれに祭祀を執り行うことになった。すでに神祇官は祭祀を終え、真言院は加持祈祷を続けており、陰陽寮がもっとも後手に回ることとなった。

 怪異は一時に比べて鎮まったものの、安心して大路を歩けるほどではない。

 今宵は居待ち月。

 月が出るのは亥の頃だった。

 陰陽寮の祭祀は二カ所で行う。

 北西は陰陽師が修じ、東はたっての願いにより、賀茂保憲が修する。

 白い幕がふわりとまくれ上がった。

「晴明、行こうか」

「話は終わったのか?」

 もともと大した話でもない。手順の確認だから、と保憲はいって歩き出した。

 二人が着ているのは浄衣で、それは闇が満ち始めた京の中で灯火のように浮かび上がっている。

 保憲はつと晴明から離れ、陰陽頭を筆頭に、陰陽寮の人々に声をかけ、頭を下げた。陰陽頭は苦笑を浮かべていたが、ゆるくうなづいてみせる。

 二人はふたたび合流すると、徒歩で、もう一つの祭壇が組まれた、京の東方――西洞院(にしのとういん)大路(おおじ)五条(ごじょう)坊門の交わる方へ歩き出した。

 西洞院川が流れるその場は、そのすぐ側が紅梅殿、すなわち菅原道真の(やしき)だった。

 幕から十歩ほど離れた大路で、焚き火の傍らに検非違使たちが仁王立ちしている。彼らは祭壇に誰も近づけないようにと命じられていた。(おいかけ)をつけ、弓矢を片手に見張る彼らの横を、二人は目礼しつつすり抜けた。その際、晴明は一本のたいまつを手にする。

 ふと、保憲が弟弟子を見上げた。

「先ほど、大内裏の中でも人が鬼となったらしい。陰陽師がそちらに行ったそうだ。手伝いに天文生や暦生までも駆り出されている」

「……真言院は何をしてるんだ?」

 結界を張り、祈祷しているんじゃないのかよ、と晴明が口悪くつぶやいた。

 兄弟子は腕を組みながら空を見上げる。

「良源さまは忠平さまに請われて、内裏に移られたらしい」

「忠平さまは――やはり、怖いんだろうな。お師さまも倒れてなければ呼ばれていただろう。こんなに凄まじい怪異は久しぶりだからな」

「……人を鬼に変えているのは、あの験者だけではない。この京に積もりに積もった怨みと憎しみだ。今回の怪異で、それらの抑えがきかなくなったんだ。それでなくとも、京の周囲に張り巡らせた結界が強すぎて、大内裏を追い出された鬼魅は京に留まってしまうのに」

「破ったら面白いだろうな」

「内裏の結界を破ったら――」

 保憲はくすくすと笑う。

「能宣どのに地の果てまで追いかけられるぞ」

「真言院の坊主に調伏されるかな」

「京の怨敵、とか呼ばれてな」

 小さな笑い声の語尾でたいまつの火が爆ぜた。

 火の粉が春風に吹かれて舞い上がる。

 それを目で追って、晴明は夜空を見上げている兄弟子に顔を向けた。

 死相がさらに、濃くなっている。

 晴明は奥歯を噛み、険しい顔で問うた。

「……今さら、止めるつもりはないよな」

「ない」

 簡潔な答えが返ってくる。

 果たして、お師さまにはこの死相が見えているのかと、晴明は訝って眉を寄せた。見えているのなら……、いや。見えていたとしても、お師さまなら保憲を信じてやらせるだろう。たとえ、卜占で凶相が出ていたとしても。

 そして、保憲も凶相が出ていたとしても、己がやると決めたことはやり抜くだろう。なんて頑固な親子なんだ、と晴明は気付かれぬよう、小さく吐息した。

 話題を変える。

「昼間、若菜さまに会ってきたんだろう? どうだった」

「……案の定、引っぱたかれたさ。勢いはすごかったが、手加減してくれたのだろうな、あとは残らなかった。けれど口を利いてくれぬので文を置いてきたよ」

「もしかして恋文か?」

 晴明が茶化すものの、兄弟子は照れも笑いもなくあっさりとうなづく。

「まぁ、そんなところだな。怒りに任せて破かず、読んでくれればいいのだが――」

 保憲がふと、慌ただしい動きで胸を押さえた。

「あぁ、すっかり忘れていた」

「……なんだ?」

「これを渡そうと思っていた」

 保憲が懐から、白く小さな袋を取り出した。

 口を紐で結ったそれを晴明の手に乗せる。

「お守りだ」

「……お守り? 必要なのはお前だろう。これから囮になるんだ」

「大丈夫だろう。お前もいるし、彰行もいる。能宣どのも来てくれる。検非違使たちだっている。何を恐れることがあるんだ」

 確信に満ちた声音が晴明には心地よかった。だが、声とは裏腹な死相が不安を呼ぶ。

 晴明は口を閉じ、掲げたたいまつの火を見つめて、ゆるりと片目を細めた。

「じゃ、これを持っていてくれ」

 晴明は懐から、布に包んだ小鈴を取り出して兄弟子に見せた。

「皆に害が及ばないようにと、市で買ったのはよかったんだが、渡しそびれてしまったんだ」

「お前も間抜けだな……。だが、金家を身に付けるのは」

「こうしておこう」

 晴明は相剋の図で鈴を包んだ。

「これで金気も剋されたはずだ。ま、鳴らない鈴なんて意味はないけどな」

 まったくだ、と同意しながらも、保憲は微笑みながらその包みを受け取った。


   ◇


 禊の水は冷たかった。

 保憲はくしゃみを堪えると、濡れた髪を撫でつけ、ふと、かつて菅原道真公が住んでいた邸宅を見回した。今では弟の保胤や保章が出入りしている。今宵は誰の姿もないが、いつもは多くの弟子たちで騒がしいのだろう。

 紅梅殿という名にふさわしく、この(やしき)の庭には多くの梅木が植えられていた。よく見られる組み合わせとして、白梅、紅梅。梅にも様々な種類があるが、とくに五弁の梅を好んだようだった。

 ここに、土師道敏はいた――。

 保憲は新たな浄衣を身にまとい、門から外に出た。

 空を仰いで月が昇ったのを確かめ、傍らに控える晴明や彰行たちにうなづきかけると、無言のまま、祭壇が組まれた幕の中――(じん)に入った。

 丸柱に巡らされた注連縄(しめなわ)が風に揺られていた。

 祭壇の上に、五行を示す物実(ものだね)が置かれている。木気の榊を東方に、火気の灯火を南方に、金気の小刀を西方に、水気の井戸の水を鉢に入れて北方に、他にもお神酒(みき)や五色の餅や、粗塩や洗米などが置かれていた。

 さらには高案(こうあん)を作って、榊と五色の絹布(けんぷ)を立ててある。

 それらに変わりがないことを確かめ、保憲はふたたび空を見上げた。月がかなり高くなってきている。視線を落とした彼は、ふと祭壇に背を向けた。

 ぎくりと足を止める。

 そこに、暦博士が立っていた。

 幕の中に明かりは一つしかなかった。祭壇の上、灯火が一つばかり。その炎が揺らめいて、大春日がまとっている直衣に不穏な陰影を散らした。

 保憲は訝って顔をしかめた。

「どうかなさいましたか、大春日さま」

「お前に謝ろうと思ってな。あの時は悪かった。頭に血が上りすぎたようだ。拳は当たっていなかったと思うが、怪我はなかったか」

 足を引きずるように歩き出し、大春日は祭壇に近づく。

 浄衣をまとった暦生は、ざわりと騒ぎ始めた胸を押さえながら、暦の師匠の動きを慎重に目で追った。

「はい、怪我などはありませんでした」

「そうか……、それはよかった。実をいうと、先ほどまでお前が作った暦に目を通していたんだが、お前が継いだ暦法ばかりではなく、二種類の暦法を使っているな。日食や月朔(げっさく)の食い違いが気になるか」

「……確かに、私が継いだ暦法が伝わったのは八十年ほど昔で、手法は大陸の暦法を真似たものです。時に日食を外してしまうこともあります。突き詰めて考えねば誤りがあるかも知れませぬ」

 大春日はいつの間にか保憲の背後に回っていた。

「それはわかるが……ではなぜ、己が継いだ法を捨てぬ」

「わたしの願いは、新たな暦法を召還することです。新しい暦法がなければ今の間違いが繰り返されることになるでしょう。暦が誤っていれば、導き出される卜占の結果も誤るかも知れません。それまでは、今まで用いていた暦法がもっとも相応しいかと思いまして」

 足許に視線を落とした保憲は、青白い月光が揺らめいたような気がして、ふと夜空を見上げた。月が高い。そろそろ準備を始めなければならなかった。

 保憲は視線を引きずり降ろし、浄衣の袂を揺らして暦の師を振り返る。

「大春日さま、今宵は時間がありません。この話は、また後日――」

「それは残念」

「!」

 声とともに、どんと、いきなり背に何かが当たる。

 保憲は少しよろめいた。かすかに目を見開き、恐ろしいものを見るよう、ゆっくりと背後を振り返る。

 首筋に息が当たるほど、こちらに身を寄せていた大春日が口端を歪めながらゆっくりと離れた。

 その腕が、何かを掴んでいる。

「後日に話はできないかも知れん」

 言い様、大春日が勢いよく刀を引き抜いた。

 激痛に息を呑んだ保憲は己の脇腹から滴る血を見、唖然と口を開いて暦博士を見る。

 その手には血塗られた刀。

「大……か、すがさま……?」

 違う。

 保憲は愕然とした。そこにいるのは確かに暦博士の大春日だったが、その眦は険しく吊り上がり、額にうっすらと角のようなものが生えていた。

 月光に照らされた大春日の輪郭がつらりと揺らめく。大春日の影に、もう一つ別の影が重なっていた。

 血を瞬く間に失い、青ざめた唇を震わせる保憲の前で、それが姿を現した。

 ――土師道敏。

 びゅん、と振られた刀から血が飛び散った。

 保憲は音に怯えて後ずさる。突然に呼吸が荒くなり、足許が怪しくなった。慌てて祭壇にしがみつくが、その手にも力が入らず、がくりと崩れ落ちる。

 遠く、聞き慣れた陰陽寮の陰陽鐘楼の鐘が鳴った。

 子の時を告げるものだった。

 はっと面を上げた保憲は、反射的に震える指で大精進(だいしょうじん)(いん)を結んだ。動かぬ唇を必死になって操りながら口早に(はち)()文殊(もんじゅ)の真言を紡ぐ。

「オン・ア・ビ・ラ・ウ――!」

 大春日がいきなり、印を組んだ保憲の手を踏みつけた。体勢を崩した保憲は為す術もなく大地に倒れ込む。

 暦博士は素早く柄を逆手に持ちかえ、地に這いつくばった弟子の背に、容赦もなく躊躇いもなく刀を突き立てた。

 血塗れた切っ先がぎり、と土に食い込む。

 たった一つだけ灯っていた灯火が、ふと、消えた。




 晴明は勢いよく顎を上げた。

 胸のざわつきがいきなり激しくなり、消えたのだ。

 遠く、陰陽寮内で子の時を告げる鐘の音が長々と尾を引いている。

 五段祈祷法が始まった。

 晴明は急に、いてもたってもいられずに腰を上げた。突風が焚き火の炎を揺らめかせ、幕を激しくはためかせる。

 横にいた彰行が素早く晴明の腕をとった。

「おい、晴明。法が始まったら中に入るなといわれただろう」

「……あぁ、わかってる」

「ならば大人しく座っていろ」

 また腕を引かれ、晴明は渋々と座っていた床几(しょうぎ)に腰を戻した。苛々としたまま、落ち尽きなく指先で膝を叩く。

 何かがおかしい。だがいくら()(ねん)を凝らしても、布が被さったかのように判然としない。

 晴明はふと、己の手を見つめた。何か……、はっきりと言葉にすることはできないが、身を包んでいた何かが失せたのだ。

 ずっと身にこびりついていたものが、剥がれ落ちていく――。

 土を踏む足音が響いた。検非違使が見張っている方から一つの影が歩いてくる。晴明は顔を上げ、怪訝そうにそちらを見やった。

「……なんだ、篠笥か」

 風に揺られるたいまつの明かりで人影が篠笥と知って、晴明はまた立ち上がった。

「どうしたんだ?」

「いや、な……」

 暦生は不思議そうに首を捻っていた。

 視線をあたりに散らす。

「大春日さまを見なかったか? 保憲に会いたいと案内を請われたんだが、近くに来た途端、居なくなってしまった」

「いや、来てな――」

「先ほど、来られましたよ」

 横から彰行が口を挟んだ。

「でも保憲さまはお会いできないと話したら、帰られました」

「そうか。寮の方に帰っていてくれればいいんだが。どうもこの数日、大春日さまの様子はおかしくてな、ぼんやりし――」

「晴明さま!」

 三人が振り返ると、珍しくも慌てた能宣が引き留める検非違使を振り払っていた。

 彼は誰何する検非違使に声高に大中臣と名乗り、供のものにそこへいるよう命じると、名を呼んだ晴明の側に駆け寄った。

 肩で激しく息をしながら膝に手をつく。

「先ほどから……、気が、乱れています。何か、あったのですか?」

「お前も気付いたのか?」

「はい。先ほどまでもう一つの祭壇のところにいたのです。陰陽頭や検非違使別当さまと話すことがあったゆえ。ですが、どうにも、こちらの方が気になってしまって……」

「俺も変なんだ。落ち着かなくて――」

 忙しなく天地を駆けていた晴明の視線が急に一点で止まった。

 彼の顔に広がった驚愕の色に気付き、能宣と二人も弾かれたようにそちらへ目をやる。

 三人は一斉に息を呑んだ。

「保憲さま!」

 悲鳴のような声を上げ、彰行が駆け出した。

 保憲が、幕の外に立っていた。

 たいまつの明かりと月光が、辛うじて届く薄明かりの下。

 彼の袂は真っ赤な血に濡れ、その手に引きちぎったとおぼしき注連縄と丸柱を握りしめていた。神垂(かみしで)までも赤い。うつむいた顔からは表情も見えない。

 いきなりちくりと胸が痛み、晴明はのど元から腹にかけて指を滑らせた。

 その指が細かく震えている。

「…――…」

 晴明の中で激しく警鐘が鳴った。

 胸の痛みがひどくなる。

 ぎりりと奥歯を噛んだ彼に、のどの奥まで迫り上がった切迫感が大音声で叫ばせた。

「彰行、近づくな!」

 彰行がふと足を止め、こちらを向く――。

「!」

 突如、山が崩れたような轟音とともに雷光が落ちた。その場にいた三人は身を竦めて後ずさる。検非違使たちが怒号を上げた。しかしその声すらも掻き消し、音は衝撃となってすべてを吹き飛ばした。

 晴明は素早く身を起こし、焚き火を細やかな明かりとしていた夜が、俄闇(にわかやみ)に覆われたことに気付いた。

 いや、違う――。

 雷光に目を焼かれたのだ。彼は薄く目を開く。

 しつらえた祭壇が木っ端微塵に破壊されていた。その周りを覆っていた幕も倒され、焦げ、炎を吹き上げている。

「彰行!」

 晴明は目をこすりながら駆け出した。途端につんのめり、視線を下げれば、横たわっている彰行。腕を掴めば脈が指に触れた。

「彰行、目を開けろ彰行! ッ!」

 急に血の臭いが濃くなる。

 視界の隅で汚れた浄衣が揺れた。

「!」

 晴明がはっと面を上げる。

 彰行の傍らに兄弟子が立っていた。

 幕が燃える光に彼の顔が浮かび上がっている。

 白い頬に嘲笑を浮かべ、冷ややかな目で弟子たちを見下ろしていた。

 その笑みに、見覚えがある。

 晴明は唖然と兄弟子を見上げた。

「……保憲?」

「そう――、そうだった。この身の名は、そういったな」

 聞き覚えがないほどに冷たい声。

 晴明の背筋が冷えた。

「お前……何、いって」

「わからないのか?」

 刻まれた嘲りがいっそう深くなった。

 保憲の手中でくるりと丸柱が回る。

 (かわ)す間もなく胸に叩き込まれ、勢いよく晴明は吹っ飛ばされた。大地に叩きつけられる。

 晴明は毒づきながら身を起こし素早く印を組んだ。邪魔な袂を押さえ、印を組んだ手を横に振り、続いて咒を紡ぎながら縦に振り下ろし、空に格子を描いていく。

 陰陽道における九字を切りつつ声高に唱え上げる。

朱雀(すざく)玄武(げんぶ)白虎(びゃっこ)勾陣(こうじん)南斗(なんと)――」

「わたしを調伏するのか……?」

 優しい声が困惑していう。

 動揺した晴明は思わず呪を噛み、残りを口中で唱えた。

 顔を上げ、彼は真正面から兄弟子を見据えた。

 優しげな声とは裏腹に、兄弟子の顔には冷笑が張り付いている。保憲は一歩前に出ると、おもむろに彰行の身を踏みつけて哄笑を頬に刻む。

「ようやっと人に戻った。お前の望む通りに、な」

 晴明の中で名が閃く。愕然と叫んだ。

「お前……、土師道敏か!?」

 肯定の返事のように、保憲は意味ありげな流し目を晴明にくれた。その右手がばちりと輝きを帯びる。うっすらと微笑んだ顔は、死人のように白く青い。

「検非違使、矢を射られい!」

 突然、聞き慣れた声がその場を貫いた。

 晴明はぎょっとして振り返る。

 そこに佇む、一つの影――。



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