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梅を咲かすもの  作者: .a.w
第一章 菅原道真編
10/31

【 断 章 】



 梅花が降り止まない。


 手を上げて捉え、握りしめると、血となって滴る。


 赤いそれは、まるで手のひらから湧き上がるようにこぼれ落ちた。


 握りしめて立ち尽くす。


 足許に、(むくろ)


 刀の刺し傷から血を流し、()している。


 仰いだ空には雷雲が立ち込めていた。


 その稲光りは激しく。


 目が射抜かれ、視界が真っ白に染まる。


 瞬き、開眼したそこに美しい京の都。


 様々な色に染まって、涼しい春の風が吹き抜ける(みやこ)……。


 四方を山に囲まれた、主上(おかみ)御座(おわ)す地。


 平安京……。


 血に染まった手を握りしめてふたたび、空を仰ぐ。


 これが、神の託宣か。


 このものを殺せというのか。


 (みやこ)を護るために、人をこの手にかけろと……。


 奥歯を噛んでうつむいた。


 血塗られた京はまだ、犠牲を欲するか。





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