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結婚式当日に花嫁が駆け落ちしたので、余り者の私が代わりに嫁ぎました

作者: 里見 知美
掲載日:2026/05/07

 アレクサンドリア・ブレア男爵令嬢は私の友人、と呼んでいいのかもわからない程、あまり関わりのなかった人ではあるけれど、初等部から卒業までの六年間同じクラスだったから、という理由で呼ばれた結婚式。


 とても豪華で王都の教会でお式を上げるというし、婚約者のいない私も何か良い出会いがあるかもと思い、出席してみた。


 へえ、あれが旦那様になる人か、と花嫁が来るのを祭壇で今か今かと待っている男性を見る。


 体格は悪くない。背は高めで肩幅が広く、肌はちょっと日焼けした、健康的な小麦色。栗色の髪は丁寧に撫で付けられて、キリッとした眉が特徴的。子爵家の出身、しかも辺境からわざわざ王都まで、アレクサンドリアのために出てきてるのよね。ハーベスト家って確かとうもろこしの産地だった気がするわ。


 年の頃24、5歳。白いタキシードはまあ、可もなく不可もなくな感じ。どちらかというと麦わら帽子の方が似合いそう。華やかなアレクサンドリアの横に立つと、ちょっとかなり、うん、ずいぶん控えめな部類に入るのではないかしら。どうやって射止めたんだろう。


 まあ。私自身、人のことは全く言えない凡人なのだけど。


 街を歩くと「どこかでお会いしたかしら?」と全く知らないご婦人に言われるほど、誰の記憶にも残らない顔なんだと思う。金髪よりは赤く、赤毛よりは薄い髪。愛らしいお嬢さんなら、ストロベリーブロンドとか言われそうだけど、私には出涸らしの紅茶色がせいぜい。瞳もありがちな榛色。


 アレクサンドリアがあまりにも美形すぎて、クラスメイトは皆十把一絡げというかどんぐりの背比べというか、皆平凡に見えていた。そのとばっちりで、私たちのクラスの女性はあぶれた人間が多かったんだわ、そういえば。あの頃に婚約者を捕まえておけば良かったのに、学業に励んでしまった自分が憎い。


 気がつけば、いつまでもあぶれたままになっているのは、《《曰く付きの私》》だけだった。


 友人(?)のアレクサンドリアはなんだか同じ歳なのが不思議なほど豪華な美女で、いつも誰かしら男性に囲まれていたのを覚えている。


 ――もしかして、彼もそのうちの一人だったのかしら。


 あまりにも逆ハーレムを築いていたため、ものすごく遠巻きにしていたのに、よく私なんぞ覚えていたものだ。六年も同じクラスにいたとはいえ、挨拶をしたのが多分両手に入るほど、一度テスト勉強をしていた時に、泣きつかれたことがあったくらい。しかも私の山が外れてあまり役に立たず、その後、何も聞かれなくなったんだったわ。


 でも一緒に卒業したのだから、まあ彼女の成績もそこそこだったのに違いない。


 彼女には、公爵家のご友人とか王子様とかたくさんいたように思ったのだけど、わりかし堅実だったのね。学生時代だから、蝶よ花よと殿方たちを侍らせていたのかも。まあ、位の高い方々が、結婚相手に男爵令嬢を選ぶわけないものね。そんな物語のような話は、現実世界ではありえないってことよ。


 婚約者の一人どころか、うわついた話の一つない私からすれば、羨ましい限りだ。


 結婚相手もよりどりみどりなんだもの。ひとりぐらいあぶれたのを貰いたいくらいだわ。




 なんて考えているうちに、花嫁がバージンロードに現れた。



 友人のお父様もとても麗しい容姿の持ち主だ。ああ、この親にしてこの子あり、というのを体感する。というか、お父様はあちこちに愛嬌を振りまいて投げキッスまで飛ばしているんだけど、いいのかな、ああいうの。


 厳かな結婚式というよりも舞台俳優の初舞台のような。


 自分の親があんなだったらちょっと嫌かな。主役はどっちよ、みたいな。


「この結婚に異議あり!」


 花婿が花嫁の手を取ろうとしたところで、バーン!と教会の入り口のドアが開いた。


 逆光でよく見えないが、その人物も白いタキシードを着ている。金糸の刺繍が陽に反射して眩しい。


「愛しているんだ、アレクサンドリア!私と共に生きてくれ!」


「ブライアン様……っ、私も!」


 えっ?だれ?!


 何が起こっているの。


 花嫁が花婿の手を取る寸前でUターンして、父親の制止も振り解いて猛ダッシュしてしまった。


 重そうなウエディングドレスもなんのその、ブライアンと呼ばれた人は軽々と花嫁を抱き上げ、軽快に持ち逃げをした。


「…………」


 息が詰まるほどの静寂の後、花婿が差し出した手をぎゅっと握り締め、脇に下ろし。


 観客、いや、参列者に向き直った。


「あー……。そういうわけで、私の隣は空席になりました!今ここに、私と結婚してもいい、婚約者も愛する相手もいない御令嬢がいたら、手を上げてください!式を続行します!」


 ……は?


 きっと花婿もパニックに陥ったのに違いない。


 おそらく政略結婚だったのだ。


 愛してもいない、家同士の結びつきだけで成り立った結婚に異議があったのは、花嫁側だけではなかったのだろう。とはいえ、舞台俳優並みの友人(?)のお父様は、いつの間にかトンズラして、姿が見えなくなっていた。


 もしかしてヤラセだったのだろうか。


 これは結婚に見せかけた舞台なのか?


 しかし当然、誰も手を上げない。


 当たり前と言えば、当たり前だろう。花嫁って一生に一度のもので夢見るのが女性というものだし。ウエディングドレスも祝福もなく結婚しましたって儀式と誓約書一枚で終わりって虚しいもの。しかも代替の、急場凌ぎ。


 まあ、私はそんな夢も見ちゃいなかったけど。


 今更ながら、私、平民落ちしちゃったし。


 結婚式なんて、すでにものすごーく縁遠いものになって、結婚すらできるかどうかもわからないんだもの。





 子爵家の元・我が家は従兄弟が既に後を継いで、ようやく軌道に乗り始めたものの、つい最近までほんとてんやわんやの大騒ぎだった。


 長男である兄様が、実は父様と母様の間に生まれた子ではなかった。


 ついでに私も実は父様と血のつながりがなかった。


 父様と母様は完全な政略結婚だった。


 子爵家当主の父様と、男爵家の七女だった母様。母様の家は商家としてなんとか成り立っていたけれど、子沢山で家計はいつも火の車。


 そこで母様は、貧乏は嫌だし平民に落ちるのも嫌、商人になれるほどの器でもなく、このまま行けばただ働きのような実家の店の売り子として人生を終えてしまう、と危惧した。


 というわけで父様との縁が転がり込んできた時、何がなんでもしがみついてやる、と父様をゲットした。


 お金があれば愛はいらない、というのが母様の考えだった。


 ところが、父様には子種がなかったのだという。


 父様にしてみたら、3人兄弟の長男として生まれ、子爵家の後継になるための勉強しかして来ていない。これといった特筆すべき特技も才能もなかった父様も、その地位にしがみついていた。


 父様の弟二人は、それなりに出世していて王宮に勤めているものだから、兄がダメでも子爵の当主として十分成り立つ。子種がなく、後継にも恵まれないと家族に知られれば、その地位はあっさり弟のどちらかに移り、なんの才能もない自分は平民落ち。


 地方の文官くらいならなんとかなるだろうが、1からの出直しになってしまう。


 しかも子種がないとなれば、この先結婚もできないだろうし、寂しい人生まっしぐらだ。


 というわけで、お互いの利害が一致した両親二人。


 母様は父様によく似た色合いの男性を愛人として囲み、その人と子を作り、父様の子として育てたのである。


 それが私と兄だった。


 しかし、嘘はどこからかバレるもので。


 最近になってそれが明るみに出てしまった。


 父が酔っ払ってつい口にしてしまったのか、母の愛人の男が告げ口をしたのかはわからないけど。


 爺様は激昂した。


「托卵に気が付かない、腑抜けた男に家督は譲れるか!」と、血を吐いて倒れた。


 遺言に家督は次男に譲ると書いて、亡くなってしまった。


 托卵に気が付かず、と言うか、推奨していたのも父様なんだけどね。どっちに転んでも地獄だった件。


 まあ、そんな青天の霹靂というか、本来なら貴族を欺いた罪で死刑とかもあり得たのだけど、父様公認の上だったので父様もろとも離籍で済んだ。ちなみに母はとっとと父を切り捨てて、実家の男爵籍に戻り、私も立場上は男爵令嬢ということに。


 とはいえ次男の叔父様は王宮勤めだし、今更地方の領地になんか篭りたくないという叔母様の意思もあって、叔父様の長男に家督を譲ることになったのだ。


 割を食ったのは兄様と私。


 特に兄様は子爵家の後継として育てられて来たのに、それを取り上げられたのだ。私と同い年の従兄弟は卒業したばかりということもあって、兄様は領主補佐として実家にしがみついた。


 従兄弟たちとは仲が悪いわけでもなかったし、言うなれば兄様も私も被害者である。兄は正式に補佐官としての地位を手に入れ、私は子爵籍は外れたけど年頃だし、色々安定するまでは子爵家にいてもいいよ、となって今に至る。


 いつまでもお世話になるわけにもいかないし、つまり私にも後がない。


 平凡でちょっと刺繍が得意とか、ちょっと計算ができる程度の私に婚約者もいなかった。頭のどこかで、父様か母様がそのうち誰か見繕ってくれるだろうと甘く考えていたのもある。


 まあ、平民落ちしたので婚約者がいたとしても、よほど真実の愛とかでない限り、おそらく白紙に戻されてただろうけど。


 そう考えると、婚約してなくてよかったな。慰謝料とか面倒臭そうだし。しかし母様じゃないけど、このままではどこぞの店の売り子で人生が終わりそうである。売り子になれればいいけど、引っ込み思案な私がお客様に愛嬌を振りまけるかどうかと問われれば、ちょっと引いてしまう可能性もある。


 詰まるところ。


 この公開求婚、実はとても喉から手が出る程、魅力的なのである。


 でも人前で「はい、私フリーです!結婚しましょう!」と立ち上がるのは物凄い勇気がいる。アレクサンドリアの後釜に座るほど美貌に自信があるわけでもないし、私のような平凡女に何ができるというのか。


 彼が誰なのかも知らないのである。いや、ハーベスト家の令息なのは知ってるけど。


 この結婚で何が求められていたのかもわからない。畑で働けとか言われたらどうする。クワとか持てるのか、私?


「私はレスリー・ハーベスト、23歳だ。北の辺境にある子爵家の嫡男で、この度の結婚により爵位を譲位されることになっていた。だが、皆様の見ての通り、花嫁となる女性に逃げられ、このままでは笑い者にされ、おそらく廃嫡されてしまうであろう。哀れな男の花嫁になってもいいという御令嬢はいらっしゃらないか。今なら、このまま子爵夫人の地位が待っている。北の辺境とは言え、あの大地は穀物の宝庫で、今は戦争もなく穏やかなものだ。煌びやかな社交とは無縁になってしまうが、辺境にもそれなりの娯楽はある。王都と同じように、というわけにはいかないが、それなりに不自由はさせない気概はあるつもりだ」


 なんて考えていたところで、自己紹介がなされた。素晴らしいプレゼンだ。行きたくなってきた。


 元クラスメイトであった御令嬢たちが「婚約者がいなければ立候補したわね」「あなたはどう?」なんてヒソヒソしている。ちょっと。婚約者がいるんだから辞退してよ。


「伯爵位だったら文句ないのに」「辺境伯だったら私も考えたわ」って、素晴らしい上から目線の御令嬢もいる。


 というかあなた方、パートナーが隣で苦い顔をしてますけど、大丈夫?


 ああ、こんな後ろの隅っこに座らなければ良かった。もっと前の方だったら、眼力で私を選んで!とテレパシーを飛ばしたのに!


「未婚の淑女で、子爵家を共に継いでくださる方であれば、年齢や容姿は重視しない。……そこの、あなたはどうだろうか?」


 ちょっとウズウズしながら見守っていたら、声をかけられたであろう女性がびくりとして立ち上がった。


「わ、私に辺境は無理ですわ」


 と、うわずった声を上げた女性はカナリア色の巻き毛を揺らした。「でも、どうしてもというのなら」とモゴモゴ口にしている。いや、”どうしても”というほどお互い知らなすぎるでしょ。


 とは言え、「はい是非!」とは言いづらいわよね。でも、こんな後ろの方まで聞こえてくるんだから、ハーベスト氏にも聞こえてるでしょ。


 だけど、ハーベスト氏はあっさり次の女性に視線をずらして、同じように声をかけた。


「あ…っ」と小さくつぶやいた彼女は残念そうに座り直した。


 残念、もう一息押してくれたら彼女もOKしていただろうに。


「未亡人ではダメかしら」なんていう声もかかったけれど、それはお断りされていた。勇者だわー。



 そしてグルリと参列席を見渡して、声をかけられたのは私。周りからの視線が刺さる。


「シナモン色の髪をもつ、そちらのお嬢さんはいかがでしょう?」


 シナモン色。なんておしゃれな響きなのかしら。


 ハーベスト氏はツカツカと私の席までやってきて、手を差し伸べた。


「御令嬢のお名前は?」


「ノ、ノーラ・セージ。子爵家の長女、だった者です」


「だった、ということは、今は違うということでしょうか?」


「……はい。色々ありまして」


 セージ家と言えば、最近当主が変わったお家よね?なんてヒソヒソ話も耳に入ってくる。恥ずかしいわ。あんなに密やかに速やかにしてたのに、知ってる人は知ってるんだな。貴族って怖い。そんなヒソヒソ話も聞こえているだろうのに、ハーベスト氏は狼狽えなかった。


 それどころか、きらりと瞳に輝きが増して、獲物として狙われたような気分になった。



「ご婚約者や恋人は?」


「いません」


「私では、あなたのお目に叶いませんか?」


「そ、そんなことは……」


「たった今婚約者に捨てられた男でも?」


「あれは、あちらが非常識だったと思います」


 ざわっと参列客から声が上がる。そりゃそうよね、彼女の友人枠で呼ばれてる私が、友人を悪く言ってるようにも聞こえるもの。どうみてもアレクサンドリアが悪いと思っているから、しょうがないわよね。友人じゃないし。


 それに、ここで一人、場を取り仕切っている方に「惨めですね」なんて言えるわけないでしょう。


 まあ思ってもいないけど。どっちかというと棚から葡萄酒、神の恩寵(おんちょう)


「アレクサンドリアのような華やかさも美貌も、これといった才能もございませんけれど」


「口に出して言える常識を持ち得るのも、魅力の一つでしょう。ノーラ・セージ嬢。私と結婚してくださいませんか。家は田舎ですが、あなたを大切にすると誓います」


「よろしくお願いします」


「神父様!花嫁をノーラ・セージ嬢に変更して進めてください!」



 参列者の驚きと困惑を背景に、あれよあれよという間にブーケを持たされ神父の前に躍り出た私。


 これはこのまま、”大切にはするけれど、あなたを愛することはありません”というパターンで、私、3年後に離縁とかされちゃうじゃないだろうか、と誓いの言葉を言いながら考えた。当主の座さえ手に入ればこっちのもんとばかりに、ポイ捨てされたら、北の辺境でちょっと困ったことになりそうだけど。


それでも、今の私には渡りに船だったのだ。これを逃せば、平民落ちして野垂れ死ぬかもしれない。





 なんて考えていたこともありました。




 実は、レスリー様。私のことを知っていたのだそうです。アレクサンドリアとの婚約の話が出た際に、彼女の周辺を調査した際、学友も洗ったのだそう。影で調べたりして申し訳ない、と白状された。なので、我が家の現況も知っていたらしい。お恥ずかしい。


「俺の理想を体現させたような君に一目惚れだった」


「ご冗談を」


「本当だよ!」


 私にアプローチをかける前に、辺境伯からアレクサンドリアと婚姻関係を結んでほしいと頼まれて、断りきれなかったのだそうだ。辺境伯の嫡男がアレクサンドリアに籠絡されていたらしく、引き離したいというのが理由。


 いや、人を使わずに嫡男の再教育しろよと言いたい。それは、レスリー様も思ったらしい。


 ともかく、結婚式場で彼女は辺境伯の嫡男ではない、ブライアンという男と駆け落ちした。後で分かったことだけど、このブライアン氏、隣国の侯爵家の次男だったらしい。


 国を跨いでの恋のランデブー。流石はアレクサンドリア。随分と遠くまで手を伸ばしたものね。


 閑話休題。


 (たで)食う虫も好き好きという諺がある。私のとうもろこしの穂の色をした髪が、豊穣を思わせる色で『我が領地の女神』と呼んでいたのだとか。マジか。


 アレクサンドリアの派手な男関係は把握していたため、駆け落ち(こういうこと)を企てていると知って、王都で派手に結婚式を挙げたのだ。辺境で式を挙げると辺境伯の嫡男が出張ってくるので、それを避けたということもあった。アデュー、と去っていったその瞬間、レスリー様は標的を見つけた。


 一応、それらしく見せるために他の令嬢に声をかけたものの、眼中になかったらしい(ヒドイ)。物欲しそうな目をした令嬢はスルーして、最終的に私を選んだという。


 私が断っていたらどうしたのだろう。


「君の置かれた状況は、俺にとって幸いした。これぞ神の恩寵かと」


 私と同じことを思っていた。


 電撃結婚をした私たちを、彼の両親は密かに喜んでくださった。辺境伯にも義理立てできたし、あんな派手な女を迎え入れなくてよかったと。きっと三日ともたなかっただろうとお義父様は涙ぐんでいた。


 


 あ、ちなみに電撃結婚の三ヶ月後、アレクサンドリアが舞い戻ってきて「やっぱりあなたしかいないの!」とレスリー様に縋り付いてきた。


 隣国の侯爵家の次男坊について行ったのに、侯爵夫人になれないなんて!と文句を垂れ、既に嫁をもらっていた嫡男を籠絡しようとして、さらに泥沼化。殺傷事件を起こしてしまったらしい。


 甘い汁を吸おうとついて行った彼女の家族と親戚一同も含めて断罪され国外追放を食らい、自国に舞い戻って来た。


 え。一族揃って集りに行ってたの。こわっ!


 しかしながら、レスリー様も辺境の男である。


 結婚式をドタキャンしたとして慰謝料、迷惑料を法的な場所にて請求。子爵家に入るのだからと、あれこれ貴金属や不動産もハーベスト家の名で売買していたのだとか。それも併せて返金を求め、支払いが不可能と分かり次第、一族郎党鉱山送りにしてしまった。


「ここで逃すと、他で迷惑をかけるし、ノーラに負担をかけるのも嫌だから」


 旦那様が頼もしい。


 

 

 そんなこんなで、1年後。


 とうもろこしはいつにない豊作を迎え、”俺の豊穣の女神” 説は真実味を帯びたらしい。


 私のお腹にも新しい命が芽生え、なんだかんだ言って幸せだなぁとしみじみする今日この頃。


 こればかりは、友人(?)に感謝である。



おわり

 

誤字脱字報告ありがとうございます。


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