第1章
小さな身なりととのった少年が現れた。
「初めまして皆さん、ようこそこの館へ来てくれました。」
「主もたいへん喜んでおります。」
「さあ此方へ・・・・。」
少年は、扉を開いた。
重苦しい古びた扉を。
扉を開けた先には、何も無い古びた部屋だった。
部屋の奥には、また古びた扉が続いているだけ。
「さあ、主からの伝言です、・・・この先は貴方がたで進んでください。
その先で、待っている。扉の向こうで、選択を迫られた時のそなた達の答えが知りたい。だそうです。」
少年は天使のような笑顔で、話し終える。
私は、その意味が分からず質問することにした。
「あ、あの、・・・質問なんですが・・・。」
「はい、なんでしょう。アリア様、。」
少年はまた、天使の笑顔で答えた。
「此処は何処なんですか?それに、どうして私の名前を・・・。」
「知っているかですか、答えは貴方が知っているはずですよ。」
今度は、天使から悪魔のように妖艶に笑う。
「では、私は、少々失礼しますね。準備がととのいましたら、御声をかけてください。」
その後で、少年は聞こえるか聞こえないかの小さな声で
「・・・・どうせ逃げられないのだから。ごゆっくりどうぞ。」
と一言漏らして部屋を後にした。
部屋に沈黙がくる。
重い。暗い。
・・・・・・・・・。
「あ・・・あのさ、ココであったのも何かの縁だし。自己紹介とかしない。」
沈黙を破ったのは1の少年。
「僕は、ディーン。16歳。えっと、学生です。」
人当たりのよい顔の少年。髪はキャラメル色、血色のよい肌。蒼い瞳。
「私はエミリア・カーン。年は16ですわ。カーン家の三女ですわ。」
綺麗な顔。綺麗なグリーンのドレス。クリーム色の巻き毛の髪。ドレスと同じ翠の瞳。お嬢様だ。
「あ、あの、さっき聞いたと思いますが・・・・アリアです。・・・・15です。・・・。」
ボサボサノ赤毛の髪、みすぼらしい服装。紫色の瞳。白い肌。だが、整った綺麗な顔立ち。いわゆる美少女だ。
「ミシェリア・エレンよ。年は、・・・・女性の年齢は聞かないものよ。」
金の髪。ブラウンの瞳。きっちりとした、青と白のマーメイドタイプのドレス。
「・・・・きみは?」
一人だけ、近寄りがたいふいんきの少年。緑がった銀色の髪。琥珀色の瞳。の白い肌の少年。
「・・・・・ガブリエル。・・・17。」
愛想がない。
だが、アリアは何故か彼に惹かれるようなきがした。
そんな中、何処からこの部屋の様子をのぞいている人物が・・・。
「・・・・・・ようやく君に逢えた。・・・いや、逢えるだったね。」
その人物は暗い部屋で、微笑む。