2025.12月 ~決まり手は逃げ切り~
短歌アプリ57577にて、「日替わりお題」に投稿したもののまとめ。
12月、寒さと繁忙から無事に逃げ切った。新年を気持ちよい疲労感で迎えて、もう去年になってしまった31音の塊を思い返す。
足音を忍び下った寄港地の光は船の息遣いだけ
お題「港」
日干しされ踏まれ冬越し空っぽになって夢見る麦わら帽子
お題「麦」
逃げ切った山間の宿 夕暮れは呆れるほどに暗いものだな
お題「夕暮れ」
吸う息と拙いサ行と濁点が君の歌声、丸くてビター
お題「かたち」
沈んでく私に今こそ雨降れよ。透ける冬空バカにしてんの?
お題「雨」
今日の朝とり込んでって言ったよね 揺れるブラウス月光のシワ
お題「夜風」
神経を単に電気が駆け抜けて笑えるならば電極貸して
お題「単に」
底面を切り揃えられ冬雲は夏を濡らした雨水と浮く
お題「よみがえり」
背伸びしたミニスカギャルが降りてゆく亀戸線の棒線の駅
お題「ときめき」
大丈夫だいじょうぶって繰り返す 僕は聞こえた気泡の爆ぜ音
お題「氷河」
お湯だとか白湯やお水や炭酸もソーダ割りなら飲めると思うの
お題「ソーダ」
整った雪の景色が勿体無い 遠回りして隅だけ踏んどく
お題「ためらい」
改札を抜ける砂たるわたくしは今日もきっちり1分乗り換え
お題「砂時計」
四つ足の相棒とゆく散歩道 曲がり角にて目が合う安心
お題「安心」
雑巾を並び濯いだ賑わいを背にして最後靴磨く午後
お題「革靴」




