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平凡な一日

これは僕の初めての創作です。皆さんに気に入ってもらえるといいなと思います。

 その日の午後、学校の4階の欄干の前に立ち、「ああ、本当に疲れたなあ!」とつぶやいた。

「おい、何を見てるんだ?」と、ひろしの声が現実に引き戻してきた。

「なんでもないよ、先に帰るね。」と答えた。

 弘が「バイバイ」と言うのを聞きながら、彼は教室に向かって歩き出した。

 おそらくカバンを片付けに行ったのだろうと思いつつ、俺はそのまま階段を下りて校門に向かって歩き始めた。

 200メートルほどの距離を歩きながら、帰宅後にやらなければならないことを考えていた。

 夕飯を作り、お風呂に入り、夕飯を食べてから宿題をしなければならない。今日は数学と理科の宿題があり、明日には社会のレポートを提出しなければならない。こうして考えながらも、体は反射的に自転車にまたがり、学校近くのコンビニに向かって走り出した。


 信号で止まった時、午後の暑い日差しと背中に背負ったリュックのせいで、背中がすでに汗だくになっていることに気づいた。

「冬だったらよかったのに、すごく気持ち悪いな。」

 青信号になると、俺は力強くペダルを踏み、向かい風に吹かれながら、不快感がだいぶ和らいだ。

 コンビニに到着し、自転車を停めて、元々サドルの下に巻いていたダイヤルロックを外し、後輪に巻き付けて、暗証番号をランダムに回した。実際には元の番号7449を7438に変更しただけだ。


 店に入ると、冷たい風が一気に吹き込んできて、「ああ、助かった!」と感じた。

「お、伊達だて、来たか。」

 40歳くらいの店員が声をかけてきた。

「うん、今、授業が終わったところだよ。」

 俺は適当に返事をし、まっすぐ従業員休憩室に向かった。休憩室には商品が山積みされていて、一人が通れる程度の通路しか残っていなかった。

 通路の一番奥まで進むと、そこには鏡といくつかの椅子があった。俺は椅子の一つにリュックを置き、別の椅子に腰を下ろした。

 携帯電話を取り出すと、最初に目に入ったのは真っ暗な画面(俺の待機画面は1月の星空)。次に、暗証番号7449を入力して携帯を解除し、画面の上部に目を向けると、時間は4時7分だった。

 その後、「一索」と表示された麻雀ゲームのアプリを開き、対戦を開始した。

 一局が終わり、俺は2位になり、得点は+33だった。あくびをしながら時間を確認すると、4時51分と表示されていた。

 携帯をポケットにしまい、鏡の横の棚にかけてあった「伊達だて 瀧雪たきゆき」と名前が書かれた名札付きの制服を取り、身につけた。

 鏡の中の自分を見ながら、手ぐしで髪を整え、眼鏡の位置を直し、伸びをして問題ないことを確認した後、休憩室を出た。

 微笑みながらレジに入り、レジを整えた後、並んでいるお客様に向かって「すみません、こちらでお会計できます」と声をかけた。


 ……


 6時になると、茅野かやのさんが休憩室に向かって俺に言った。「伊達、俺は先に上がるよ。」

 俺は笑顔で「気をつけて帰ってくださいね!」と返した。

 茅野さんのシフトは6時までで、俺のシフトは7時まで。次の同僚が来るのもほぼ7時なので、この1時間は店に俺一人だけ。しかもこのコンビニに来る人も少ないから、この1時間はバイトの中で一番楽な時間なんだ。


 店内に誰もいないことを確認してから、俺はまずトイレに向かった。毎時間チェックする必要があるトイレ清掃表に記入した後、カウンターに戻った。

 再び店内に誰もいないことを確認すると、俺は携帯を取り出し、SNSを見始めた。クラスメートたちの投稿を眺めていたが、誰かが通りかかるとすぐに携帯をしまって笑顔を作り、また誰もいなくなると携帯を取り出す。

 その動作を繰り返していると、もうすぐ7時になる頃、一組の男女が店に入ってきた。彼らは俺のシフトを引き継ぐために来たようだ。どうやらカップルのようだが、俺は確かめる気もないし、知りたいとも思わない。名前さえも知らないが、別に俺には関係ないことだ。

 7時になると、男が俺に挨拶してきたので、俺も形式的にうなずいた。それから休憩室に入って制服を着替え、リュックを背負って店を出た。コンビニを離れるとすぐに自転車のロックを外し、一刻も早く家に帰ろうとペダルを漕ぎ始めた。


 学校からこの店を経由して家に帰るのは順路ではあるが、それでも約6キロはかかる。仕方ない、俺の家は学校から11キロも離れているんだから。

 家に着き、ガレージに自転車を置く。俺の家は郊外にあるため、かなり広い。玄関まで歩いて鍵を開けると、中は真っ暗だった。

「俺が最初に帰ったみたいだな。家族はまだ仕事中か…」

「はぁ…」

 俺はため息をついた。それが孤独からくる寂しさなのか、一日の疲れからなのか、あるいは勉強のプレッシャーからなのか、自分でもよく分からなかった。

 まず玄関の電気をつけ、靴をきちんと揃えた後、玄関の左側のドアを開けて電気をつけた。

 ここが俺の書斎だ。俺はリュックを唯一の椅子に置き、その前にある机の上の万年カレンダーを手に取り、今日の日付、6月2日(水曜日)をめくった。

 めくり終わった後、カレンダーを元の場所に戻した。この万年カレンダーは去年、アニメ展で福袋から出てきたもので、それ以来、日付をめくる習慣がついた。

 次にリュックを開け、持って帰った本を取り出して机に置いた。

 書斎を出て、ドアを閉めた後、玄関の奥にある左側の廊下に進んで電気をつけた。広いリビングには俺しかいない。もう慣れてはいるが、少しだけ寂しさを感じる。

 その後、キッチンに向かい、鍋に水を入れてガスコンロにかけた。それから冷凍庫から肉を取り出し、解凍し始めた。コンロの火をつけてから、階段を上がって2階に行き、自分の部屋のドアを開けて電気をつけ、着替えを取り出して隣のバスルームに向かった。

 着替えをトイレの上の棚に置き、脱いだ服もトイレの上に置いた。棚から俺専用の青いタオルを取ってシャワー室に入った。


 ……


 シャワーを浴び終えた後、濡れたタオルをシャワー室の棚に掛け、着替えを済ませてトイレを出た。汚れた服をトイレ前にある洗濯機に入れ、階段を下りた。

 俺は髪を乾かすのが好きじゃない。特に暑い夏にはね。

 キッチンに戻ると、すでに沸騰しているお湯を少し別の鍋に移し、解凍しておいた肉をその鍋に入れて煮始めた。次に冷蔵庫から味噌を取り出し、大さじ一杯を元の鍋に加える。スプーンで味噌を溶かすと、香りが立ち上り、スープの色が濃い茶色へと変わっていく。


 味噌を冷蔵庫に戻すついでに、すでに下ごしらえしてあったキャベツも取り出し、鍋に加えて一緒に煮込んだ。その後、肉を煮ている鍋に麺を一袋投入する。


 しばらくして、俺は肉を煮ている鍋に浮いてきた大量の白い泡をすくい取り、余分な水分を切った。すべての食材を別の鍋に移し替えたら、夕飯の完成だ。特別美味しいわけではないが、手軽に作れるし、手間もかからないので、俺がよく作る料理のひとつだ。


 家に帰ってからは、時間が何よりも大事だからな。


 俺は鍋をそのまま書斎の机に持って行き、分けることなく直接食べることにした。この机は俺の勉強机で、木製で幅が2メートルくらいあるけど、雑多な物が山積みされていて、実際に使えるのは1メートルもないくらいだ。

 ふとポケットから携帯を取り出して時間を確認しようとしたが、携帯を汚れたズボンに入れたまま洗濯機に入れてしまったことに気づいた。急いで2階に駆け上がり、洗濯機の中からズボンを取り出して携帯を探した。時間は9時ちょうどを示していた。

 俺は書斎に戻り、椅子の上に置いてあったリュックを下ろして椅子に座った。まず数学の宿題を開き、右手に箸を、左手に鉛筆を持ちながら、夕飯を食べつつ宿題を進めた。


 ……


 数学の宿題は終わったが、夕飯はまだ半分しか食べていなかった。俺は数学の宿題をリュックにしまい、理科の宿題を取り出したが、宿題をやりたくない気持ちが強くなり、開いた宿題をまた閉じた。

 机の一番前に置いてあったノートパソコンを手元に引き寄せて電源を入れ、最近更新されたアニメを再生し、夕飯を食べながら鑑賞した。アニメが終わる頃には夕飯もほぼ食べ終わっていた。

 俺は鍋と食器を洗い、書斎に戻ってからパソコンにログインし、自分のアカウントを開いた。

 すると、明日提出の社会のレポートが目に入った。これはグループ作業だが、タイトル以外は誰も何も書いていない。

「これが人間ってやつか?まったく、笑えるよな。」

 俺はノートパソコンを閉じた。


 俺は明日の英語の試験勉強を始めた。


 ……


 突然、車がガレージに入る音が聞こえた。車の音から、たぶん母さんが帰ってきたんだろうと推測した。次に、ドアが開く音が聞こえた。

 俺はその音がどこに向かうのか、じっくり耳をすませて聞いてみた。どうやら俺のところには来ないで、母さんは自分の部屋に向かっているらしい。部屋のドアが開いて閉まる音を確認して、俺の推測が当たっていることを確信した。

 時間を見ると、すでに11時だった。俺は逃げるように携帯をいじり始めた。時間が大切だと分かっているのに、どうしても自分を抑えられなかった。


 ……


 12時になった頃、時計を見た俺は、疲れを感じながらこう呟いた。

「はぁ、もうこんな時間か。今日はこれで終わりだ。先に寝るか!」


この作品を最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。良い一日をお過ごしください。

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