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RR ー Double R ー  作者: 文月理世
RR ー Double R ー ZWEI
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4-4 Retribution ー 讐 ー ④


 その日の放課後、蓮と那珂島は一階に生協の入っている建物の二階にあるカフェに来ていた。そこは正門から離れているせいもあってか、放課後になると利用する生徒が少なく話をするにはちょうどいい場所であった。


 二人が窓際のテーブルに陣取って待っていると、しばらくして長身のいかにも武闘派の体格をした谷松が現れた。挨拶もせず二人の正面の席に不機嫌そうに座ると、

「で、聞きたいことってなんだよ」と何の前置きもなく聞いてきた。


 ほぼ初対面の那珂島は自分から自己紹介すべきか迷ったが、蓮がこっちは那珂島で私の友達だから、と先に言ってくれたので名乗らずに済んだ。那珂島は蓮に友達と言われてなんだかうれしくなった。

 それから蓮は仲西を襲ったグループは谷松の仲間なのか単刀直入に聞いた。谷松は外の景色を見ながら無言で黙っていた。

 続けて蓮は仲西が複数の人間に襲撃されるまでの美月に起こったいきさつも話す。そして仲西から預かってきた如意棒シールを見せると、谷松はそれをじっと睨みつけ、

「あーこれか」と忌々しそうにつぶやき、やおら話し始めた。



 学校の目立ったグループをまとめ上げて組織化しようと最初に考えたのは、確かに谷松自身であった。

 そのために二年の内から校内で根回をし、三月の終わりには在校生のグループのまとめ上げはほぼ終わっていた。しかし四月初旬、谷松がしばらく休んでいる間の出来事であった。

 瀬戸という生徒がが谷松のグループを追い込み、そのメンバーをバラバラにしてしまったのだ。そして谷松が学校に復帰した時には、もう瀬戸が学校の不良グループをまとめた組織の中心になっていた。


 瀬戸が乗っ取りとも言えるやり方で奪った組織の枠組みをだいぶ前から準備してきたのは谷松だ。あまりにも汚いやり方に谷松自身当然怒りを覚え、瀬戸と直接話すことになったのだが、そこで谷松は自分の居場所が既に無くなっていることを逆に思い知らされることになった。


 瀬戸に会いに指定された打ち合わせ場所に行くと、瀬戸サイドにはかつての谷松の仲間が数名確認できた。そして瀬戸からまず聞かれたことは、春休み期間中の無様な失態であった。

 四月頭に谷松がよくわからない相手に一方的にボコられた出来事は、現場に一緒にいた生徒からも広まっていた。谷松はすでにトップとしては実力的に頼りないと言うレッテルを張られてしまっていたのだ。


 谷松は話し合いの結果、と言っても瀬戸の一方的な決定であるが、谷松の代わりに瀬戸がリーダーになることを聞き入れるしかなかった。そして組織に残りたいのであれば、新しくグループを作るか別のグループのメンバーの一員としてやっていくかのどちらかを選ぶように言われたのだ。


 谷松のグループのメンバーはすでにバラバラになっており再度集めるのは難しい。しかも数名は瀬戸派のメンバーになっているのだ。

 それまで校内で一、二位を争う勢力をまとめていた谷松が、別のグループでヒラの一員としてやっていくにはプライドが邪魔をした。

 そして谷松は組織から一切身を引くことを決めた。








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