2-2 Unnerving Presence ー 災 ー ②
四月も下旬に入ると、新しいクラスのざわつきも落ち着きを見せ始めてくる。
美月は相変わらずクラスで仲良く話せる人はいなかったが、人一倍学校生活を楽しんでいた。
その日もいつものように、蓮たちと食堂で昼食を食べて至福の時間を過ごした後に教室へ戻っていった。昼食後の五時間目は別の建物に移動しての講義であった。食堂でギリギリまで蓮たちと一緒にいたため、美月が一年生の建物に着いたときには予鈴が鳴ってしまっていた。
少し急いで教室に入ろうとすると、出会い頭に男子生徒にぶつかってしまう。
美月が〈あっ!〉と思った時には、その相手が手に持っていた缶からコーヒーがこぼれ相手の白地のシャツにがかかってしまった。
「どこ見てんだよ!」男子生徒は美月を睨みつけながら声を荒げた。
美月は何も言えずにおどおどとその場に立ち尽くした。一緒にいたもう一人の生徒も非難めいた視線を美月に投げかけてくる。
美月が何も言えずにいると、ぶつかられた生徒は片手に持っていた荷物をもう一人の生徒に渡し、ちょっとトイレ行ってから行くから先に行っといて、と言いその場を去ってしまった。荷物を渡された生徒は、何も言えない美月をじっとりとした視線で睨むと次の教室へ向かっていった。
その後の六時間目も別の教室での授業であったため、美月はぶつかったことを相手に謝れないままになってしまった。
六時間目の授業が終わり教室に戻った時には、例の二人はすでに教室に戻ってきていた。美月が部屋に入るなり、あからさまに視線をぶつけてくる。コーヒーをこぼしてしまった生徒は、上だけ体育着のようなものに着替えていた。
美月は怖くなってしまい、目をふせて自分の席に戻ることしかできなかった。
帰りの学活が終わり一斉にクラスが騒がしくなっていく中、すぐに二人が美月に近づいてくる。
「ちょっといい?」
ぶつかってしまった男子生徒が冷たい口調で話しかけてきた。




