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RR ー Double R ー  作者: 文月理世
RR ー Double R ー ZWEI
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2-1 Unnerving Presence ー 災 ー ①


 四月から新年度が始まり半月ほどが過ぎた。


 神宮寺高校は一つの学年に千人前後の生徒が在籍しているため、文系や理系のコースが別れる二年の新しいクラスでは、ほとんど知らない者同士がクラスメートになっていた。


 そんな中、伊吹蓮と希峯凜は再び同じクラスになっていた。

 何かしら見えざる手が動いたように感じられたものの、当の二人は表向き平静を装いつつ、内心はかなり喜んでいた。そして仲西は今年も別のクラスであった。


 蓮たちが通う通常コースは、学年によって使う校舎が変わり、二年の校舎はグラウンドを挟んで一年校舎の反対側にあった。

 一方、那珂島の通うSAコースは、キャンパス中央の校舎にある同学年三クラス編成の特別コースである。SAの場合は同じ建物でのフロアが変わったぐらいで、クラスメートも全員どこかで見たことがある者同士でほとんど変わり映えのない状況であった。


 浮足立った雰囲気も少し時間が過ぎればあっという間に薄れていく。

 教室の中では新しいグループができ、少しずつまとまりを見せる中、蓮と凜は相変わらず浮いた存在であった。

 しかし、それも予定調和の一つとして、全ての歯車が噛み合うような様相を見せ始めていた。



 蓮たちにとって大きな変化といえば、四月から那珂島美月が入学したことだ。

 半年前は線が細くて、ひたすら痩せているだけの美月であったが、この半年で背も伸び、体つきもかなり健康的になっていた。

 その美月であるが、予想通り学校が始まりしばらく経っても全く友達は作れずにいた。美月の外見は明らかにいい部類に入っているため、男女問わず普通に話しかけてくる生徒はいた。しかし、美月はそういった状況に対して五年以上のブランクもあり、過去の嫌な経験も合わさって、初対面の人間に話しかけられても上手に受け答えができなかった。

 そんな美月の事情を他の生徒が知るわけもなく、中には美月のことを見た目に鼻をかけてお高く止まっているコミュ障の女子、といった見方をするような者もいた。


 かといって、美月が学校に行くのを嫌がっているかと言うと、全く逆であった。

 実際に毎朝、那珂島よりも早く起きて学校へ行く支度しているのだ。美月のモチベーションは、何よりも学校に行けば蓮や凜に会えることであった。

 美月は昼休みになると蓮や凜がいつもいる場所にいそいそと行って、ほとんど何も話さず一緒にランチを食べ教室へ戻るだけである。昼休みに会えない時もあったが、そんなときは放課後二年校舎の近くに会いに行った。

 会っても何も話すことは無い。しかし、そうすることが美月にとって、ただただ嬉しいことであった。

 



 四月五日の夜以降、谷松から蓮への接触は全くなかった。

 噂で聞いた校内にいる不良グループの組織からも何のアプローチもない。仲西と那珂島には、同学年に何人かやんちゃな生徒の知り合いがいたが、そこまで親しいわけではないので、あえて深く詮索しないようにしていた。


 不気味なほど穏やかに時間が過ぎていく。


 それは何かが起こる前のちょっとした静寂であった。








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