表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RR ー Double R ー  作者: 文月理世
RR ー Double R ー ZWEI
75/286

1-6 Lunatic Night ー 不可思議 ー ⑥


 神宮寺高校は、授業がある平常期間であれば平日であっても夜遅くまでそれなりの生徒の数が残っていた。

 しかし、春休みの間は部活も早めに終わるようで、夜の七時すぎるとめっきり生徒がいなくなってしまう。曜日によっては遅くまで体育館などの施設で何かのスポーツを行っていたりするが、その今日はそれもないようであった。


 谷松に指定された場所は、キャンパス中央を南北に横切るように伸びる道路の西側に位置していた。周囲を建物に囲まれ、奥まった場所にあった。使い勝手が悪いせいか、その駐車場を使う人間はほとんどいない。そのため人の目に付くことも無く立ち会うには絶好の場所であった。


〈ベタな場所に呼び出して〉

 蓮としては別に一人でもよかったが、この件に関して仲西と那珂島は一緒に行くと言ってきかなかった。そこで二人と変に言い合っても何も意味がないので、一応手を出さないということを条件に同行してもらうことにしたのだ。念のため、真野と渡にも事情を話し、学校の近くで待機してもらうことにもなっていた。


 三人は学校の近くにあるドラッグストアにバイクを停めると、そこから坂を下り学校を目指した。蓮は、学校の近くになると通話アプリを起動させ凜に繋いだ。凜が動画通話でその場の様子を実況してほしいと言ってきたからだ。

 アプリを繋ぐと、ガジェットの画面に、凜のアバターである猫がちょこんと映った。蓮はそれを確認すると、音声をミュートにして、凜に目の前の景色が見えるようにインサイドカメラの部分を前に向けた状態で、胸ポケットに差し込んだ。


 学校に到着すると、蓮たちは正門を通るのを避け、キャンパス南側にある二年校舎のほうから遠巻きに移動して生協へ向かって行った。約束の時間までは十分余裕があった。

〈さっさと終わらせて帰ろう〉

 蓮はそんなことを考えながら、まずは谷松との約束の場所が見渡せるポイントのチェックに回った。


 指定された駐車場は、生協の裏にある合宿所前の細い道を入った突き当りにあった。西側は数メートルの崖のようになっており、北側が住宅のフェンスで区切られているようであった。

 最初に西側の崖の上近辺を確認したが、その方角から駐車場に行くに民家の敷地に入らなければならないので、誰かがそこに忍んでいる様子はなさそうであった。

 次に生協のある建物のチェックに回る。その建物の東側には階段があり、その踊り場からであれば裏方向にある駐車場が見えるはずであった。その場所を確認したところ、その時間は階段の踊り場に行く扉に鍵がかかっており、誰も入れないようにようになっていた。


 蓮がガジェットの時間を確認すると、約束の時間まであと十五分ほどあった。三人は生協の建物の向かいにある校舎のベンチに腰を下ろし時が過ぎるのを待った。


 しばらくじっとしていると、不意に大型のバイクが重量感のある排気音を響かせながら走っていく音が聞こえた。

 それが合図であるかのように蓮は立ち上がり、約束の場所へ向かっていく。仲西と那珂島はそれに無言でついていった。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ