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RR ー Double R ー  作者: 文月理世
RR ー Double R ー ZWEI
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1-4 Lunatic Night ー 不可思議 ー ④

 

 一方の蓮であるが、実はこういった言いがかりをつけられるのには慣れていた。

 その始まりはランクバトルに参戦するようになって少ししたぐらいあった。バトルで結果を出すにつれ、他のチームから目をつけられるようになったのだ。

 どこからか情報を嗅ぎつけて、蓮にバトル以外での立ち合いを挑んでくる者が出てきたが、蓮はその全てを見事に返り討ちにしていった。


 次第に様々な噂が尾ひれをつけて広まっていき、迷惑なことにランバトもよくわかっていない地元の不良グループからも喧嘩を売られるようにもなってしまった。

 いつの間にか蓮を倒すということが、そういった連中の、ある意味〈目標〉のようなものになってしまっていたらしかった。

 その度に応対しなければならない蓮にとっては、ただ面倒くさいだけのことであった。そしてある時期から蓮は誰かに声をかけられても他人のふりをするようになっていった。


 相手が蓮につっかかってくる理由としては売名行為かグループメンバーの勧誘であった。

 蓮自身、全くそういった不良の世界に興味はないし、できれば近づいてほしくないと願っていたのだが、本人の思いとは逆に、蓮と立ち会いたいという人間は増えることはあっても減ることはなかった。


 ある時蓮がそのことを当時のチームメイトにも相談したところ、次第にそういった連中がめっきり減るようになり、そのうちほとんど出現しなくなった。

 ダル絡みしてくるヤカラがいなくなったのには、実は理由があったのだが、それを彼女が知ったのはだいぶ後になってからである。それについてはここでは触れない。


 谷松が自分と立ち会いたいという詳しい理由は蓮にはわからないし、知りたくもなかった。理由は何であれ自分の力量が分かっていない人間には、分相応の立場ってものをわからせなければならない時もある、と蓮は考えていた。


 そして蓮は谷松のことをぼんやりと覚えていた。顔を覚えているというよりは背格好である。頭の中に以前のチームにいた時の対戦相手のバトルメンバーとしてのイメージが残っていた。おぼろげな記憶を頼りに昔のガジェットに記録していたデータを引っ張り出し、対戦成績で名前を確認してみた。


 記録には〈タニマツヨシヤ〉と書かれていた。

 その試合でタニマツは判定負けしているが、きわどい試合だったのを思い出す。

 一番手で出場し、蓮のチームメイトをかなりのところまで追い込んでいた。バトルの結果はタニマツの判定負けであったが、反則である投げ技を使ってしまった分のポイントを引かれたぐらいの差であった。

 全体的な攻撃パターンは手技足技共にそつなくこなしバランスがいい。体の大きさに似合わないスピードがあり、対戦相手としては嫌な選手であった。

 しかし、蓮には全く問題のない相手だ。

 投げ技を使おうが極め技を使おうが、その技術は既に蓮にも備わっている。

 どう料理してやろうかと、少しの間し考えたが、ふとこのことは凜に言っておいた方がいい気がして、おもむろにガジェットを取り出した。








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