イケメンか!?
「岳!?」
いきなり梨里は大きな声を出す。
いや、ビクッたわ。
大声出すな!
「あー確かに岳はイケメンだよ!イケメンすぎて神だし!」
「……──」
何という反応をすればいいのかな?
こんな大勢のクラスメイトのいる教室で……。
それに岳は……まあ……イケメンっちゃイケメンだけどそこまでいうか!?
「七花目が肥えてるよ〜!さすが!」
「ありがと……」
まさに絵文字で言う「(汗)」状態。
梨里は熱いよ、熱すぎる。
これ推しのライブとか言ったら熱狂するんじゃないの?
まあいつも親友はこうだったしなーまあ相変わらずで安心するんだけど。
「う、わっ」
一人のクラスメイトが引いた感じで梨里を見た。
「岳がイケメンとか言っちゃってる……」
ほら言ったでしょ?
梨里……。
しかもその男子引いてるし。
「梨里のパソコン給食レンジャーズが写ってるじゃん……。ちょっと熱狂じゃね?」
引く男子。だよね!
梨里には悪いけど共感させてもらいまーす。
「私もそう思うの!梨里はメッチャ雄治のこと推してるしー」
「え、雄治推し!?まず、リアルで推すの…雄治聞いたら引くよ……」
「ちょ、ひどいよ!七花だって推しいるもんねー」
反撃というばかりに梨里が言う。
「岳のことイケメンって言ってたじゃん!」
それは……梨里が言わせたんでしょ!
「イケメンだとしても推しとは言ってない!それと強いて言うならだからねッ!」
私もついつい語気を荒げる。
悪いけど、認めませんからね!
「ふうん」
男子が値踏みするように見た。
「七花は岳系が好みなんだ?」
「違うー!」
私は否定します!
教室に私の声が響いたのは言うまでもない。