ライバルに!?
「いや、給食レンジャーズって何するのか気になっただけ」
攻唯の返事にふうんと岳はつまらなそうに答える。
って、その白けた反応は何だよ!
「あ、そういう仕事内容は先生に聞いたほうがいいよ。俺たちは新聞を作ってるだけだし」
「うん。それは分かってる」
「あっそ。なら早く帰った方がいいんじゃね?」
少しだけ岳の目線が冷たくなった気がした。
……なんか怖い。猛烈に怖い。
その目線を平静に受け取ってちゃんと受け答えしてる攻唯も恐るべし。
どうして岳、冷たい感じなんだろ?
「……実はさ」
攻唯は少しだけ視線を下に落とすと呟いた。
「おれも給食レンジャーズに入ってみたいなーって、ただの野次馬根性だけどね」
うわ、攻唯すごい。
こんなとこ私の代わりなら勝手に入ってもいいですよ〜。
「……何ていう称号で?」
「お、雄治いたのか」
いつの間にか教室に入ってきてた雄治が興味津々に攻唯に詰め寄った。
あと、いきなり現れてびっくりさせるのやめてほしい。
ってか安則どこ行った。
「ほら、野菜の本川、とか。パンの安則とか」
「あとおかずの沢宮な」
雄治の説明にさらっと自分の名を付け足す岳。
「まだ七花は体験だからいいとして。攻唯が入りたいんならそういう称号があったほうがいい」
「……そっか」
攻唯は少しだけ考えると、
「じゃあスープ魔神、桧山かな」
おおやっぱりそうですよね。
攻唯はスープばっかお代わりしてるからね!
私もしてるけど、その称号いらないんで攻唯に譲ってもいい!
そう言おうとしたのに、
「え?その称号七花じゃね?」
「だよな。それ七花と被るくね?」
まさかの岳と雄治が顔を見合わせて頷き合ってる。
「あ、その称号攻唯に譲ってもいいんだけど……」
「譲るの?七花の方が早く給食レンジャーズに入ったのに?」
「だから、入ってないッ!体験だって!」
「同じだよ、似たようなもん」
似てないわ……。
頭を抱える私となぜか私を少し睨んでいる気がする攻唯。
そして雄治は面白いものを見つけたかのように目を輝かせて。
「あ、考えたんだけどさ、七花と攻唯で称号争いすればいいんじゃ?」
「お、ナイスアイデア。面白そう」
変なこと言うな。それとすぐ同意するな。二人とも。
「受けて立つ!じゃあ七花よろしくねー」
おいおい、お前も乗るなよ、攻唯……。
これはもう嫌な予感しかない。
猛烈に嫌な予感がする。





ビューティーフラワーズ
