給食レンジャーズ！？給食好きよ集え──！

給食の 良さを伝えよ レンジャーズ

動画ウケた！？

　私たち中学３年生はあと１ヶ月で卒業。

　そのため、「卒業おめでとう会！」というのが学校で開かれた。

　各学年…１年生と２年生が一つずつ動画を上げる。

「今までありがとう」

「卒業おめでとうございます」

「高校生でも頑張って下さい」

「私たちが次の最上級になるのであなた方を見習います」

「悲しいですがお見送りします」

　卒業の祝福の言葉。

　先生の指揮下の元で生徒たちがメッセージを述べた動画を視聴していた。

　もう卒業か…あっという間に早いものだな、と思いながら。

　最後に３年生からお礼の動画を配信。

　事前に撮っておいた動画だ。

「今までお世話になった先生方にインタビューをし感謝をしよう」

　そんなスローガンを掲げ、出場したい人だけ動画に映った。

　私？私ももちろん映ったよ。

　積極的に参加！

　給食の先生…もとい、栄養士さんにインタビューすることにしたんだ。

　他のグループは校長先生とか事務の先生だったけ。

　問題は…私たちのクラスの先生が盛り上がり派ということ。

　インタビューの前にギャグのおもしろアドリブを入れていた。

　例えば校長先生のインタビューの前ならふざけた真似した生徒が校長先生のふりをし、「ちがうじゃん」とみんなが突っ込んだり。

　まあ、やる人たちが男子だとノルよね。

　でも、私たちは女子しかいない…誰もやらなかった。

　そこで…現れたのが給食レンジャーズ！

　本川雄治《もとかわゆうじ》

　大林安則《おおばやしやすのり》

　沢宮岳《さわみやがく》…。

　本川、沢宮、安則の順でこの三人が給食レンジャーズとして登場した。

　もちろん、先生が勝手にポーズを決めたのだけど。

　私が

「次は栄養士の先生にインタビューだね」

　というと同じグループの子が、

「どこにいるんだろう」

──ガラッ…

　近くにある教室を開ける。

　次の瞬間！

　効果音と共に雄治がいつも野菜が入っている皿を掲げて走ってきた。

「野菜の本川！」

　そこにダダンっと飛び込んだ者が一名。

「おかずの沢宮！」

　半分心のなかで笑っていたのかもしれない。

　心なしか顔がニコニコしている。

「……パンの安則…」

　ノロノロとやってきてパンの浅皿を掲げ、二人の後ろにつく安則。

『三人揃って給食レンジャーズ！』

　三人の声が合わさり、効果音が響き渡る。

　”給食レンジャーズ”という単語が動画内に動き回り、一層迫力をたたせた。

「……ちがったみたい」

　私の隣りにいた子がつぶやき、ドアを閉める。

　……冷たい感じもするんだけど。

「はいカット！」

　先生がカメラを下ろし、頑張りましたと称賛した。

　私たちはもう打ち合わせしている以上、冷たい反応になってしまった。

　次は真面目に私たちが栄養士さんにインタビューするシーンだけど。

　ここの部分を流されて爆笑になったということ。