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『花びら』『影』
***『花びら』***
病室に舞う花びらを少女は眺めた。
この儚い花びらのように誰かの心に残りたい。
少女は好きな作家に手紙を書いた。
手術の日が訪れる。失敗すれば目覚めることはない。
不安な少女の元に手紙が届く。作家からの感謝の手紙。
少女は満たされ、麻酔で眠った。
――風を感じ、目を覚ます。
私、まだ生きている。
***『影』***
揺れる影を見て少年は青ざめた。
おばけだ。
「ママ!」
少年は部屋を飛び出し、思い直す。
おばけなんていない。確かめてやる。
勇気を出して部屋に戻り、影に近づく。
太陽の光が時計に反射している。影は外の葉っぱの影だった。
「呼んだ?」
母が現れる。
「なんでもないよ」
背筋を伸ばし、少年は笑った。




