リリンカの出会い編
私の名前はリリンカで年齢は16歳。
ごく普通の村に住んでるごく普通の獣人だよ!
ここはフナシ村って言ってなんにもないけどみんなが手をとりあって仲良く暮らしてるんだ。
ちなみに私の両親は母がこの村に残って畑仕事をしてて父が王都に出稼ぎに行ってる。
それと誰にも言ったことがないんだけど私にはもう一人の記憶があるの。
こことは違う世界で日本って国で大学生だったんだけど運悪くスリップした車に轢かれてそのまま目の前が真っ暗になったんだ。まぁ〜よーするに死んじゃったってことかな。
んで記憶を取り戻したのが私が6歳の時だった。
ほんと前触れもなくあ、私転生したんだって思ったわ。
「お母さん、いつものところ行ってくるね!」
「遅くならないうちに帰ってくるのよ?」
「はーい!」
私が毎日何をやっているかって?そりゃー狩りだよ!だってお肉食べたいじゃん!
っていうことで昨日仕掛けた罠を調べに行こう〜!
村の近くは比較的凶暴な魔物もいないから上手くいけばうさぎとか鹿とかかかってるかも!
ん?…嘘?!信じられない思いで駆け寄っていくと昨日仕掛けた罠が作動した形跡が!
「やったぁぁぁぁああ!!お肉ゲット!!」
叫びながら中を覗いたら…
「え…?人…?」
私は一気に青ざめた。昨日仕掛けた罠は定番中の定番、落とし穴に人が倒れていた。
「大丈夫ですか?!」
急いで穴の中に駆け下りていき起こす。
「え…イケメン…」
額や頬にはかすり傷なのか血が出てて少し土で汚れてるけど整った顔立ち髪は銀で瞳の色は残念ながら閉ざされてて見えない。
「ハッ!惚けてる場合じゃない!診療所に連れて行かなきゃ!」
私は急いでその人を担ぎあげ今出せる速いスピードで村に戻り診療所に駆け込んだ。
「先生、どうですか?!」
「打撲や擦り傷などはあるが大きな怪我はないから大丈夫だよ。ただ、疲労が溜まってたのか気を失ってるね。でもすぐ目を覚ますと思うよ。」
微笑みながら言ってくれた先生に安堵した私はその場に座り込んでしまった。
「よかった〜」
「見る限り人間みたいだけどどこから拾ってきたの?」
「拾ってきたって…その…昨日動物をとろうと落とし穴を仕掛けてたんですが…その落とし穴にいました。」
「そうか…わかった。リリーちゃんは帰って大丈夫だよ。後は僕が見とくから。」
「わかりました。失礼します。」
私は彼が気になりつつもいても邪魔になるだけだと思い家に帰ることにした。
翌日母は畑仕事で出かけており私は手先が器用ということもあって縫い物をしていた。
すると扉をノックする音が聞こえた。
「誰だろ?」
母が帰ってくるには早いし…ハッ!もしかして先生?目が覚めたのかな?!
私は先生だとなんの疑いもなく扉を行き良いよく開けた。
そこには燕尾服を着た初老の男性が姿勢良く立っていた。
「突然の訪問失礼致します。お間違いでなければ貴方様がリリンカ様でお間違いありませんか?」
「え…あ、はい!そうですけど…えっと…」
私が困惑していることに気づいたのか目の前にいる男性が話始めた。
「私の名前は タローマ・ルシフォルと申します。」
ん?この人苗字があるの?確か苗字がある人は貴族の出だと聞いたことがある。ってことはこの人貴族?!
私は慌てて頭を下げようとしたら逆に目の前にいる男性…タローマさんが慌て始めた。
「頭を下げないでください!私は家名はありますがただの執事でございます。本日は助けて頂いた恩人であられる貴方様を迎えにきた所存です。どうぞこちらの馬車にお乗りください。」
「え?ちょ!あの?!」
私が困惑しているうちに流されるように馬車に乗せられた…恐るべし執事さん!
まぁ〜やばくなったら獣人の身体能力生かして逃げればいっか!
この時の私は助けた人がまさかの王族だったこともその人がヤンデレで監禁されることもでも意外に居心地がよくて居着いちゃうことも考えつかなかったんだ。