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第2話「小さい国」

四方を豊かな自然に囲まれた国があった。

列強ひしめく大陸の片隅に存在する、小さな王国だ。

豊かな大自然という鎧を纏い、永い年月侵略されることはなかった。

そして疫病や飢餓に苦しむ人もなく、ただ平穏な時だけが過ぎようとしていた。

けれど……ーー。


今から何十年も前、その国を震撼させた事件が起きた。

一人の幼女が不思議な能力(ちから)で村を焼き滅ぼすという事件。

それは、勇敢な騎士が討ち取ることで終わるはずだった。

それと同時期に国王が倒れたという情報が、まことしやかに城下広まった。

その犯人が、幼女だという噂もいつの間にやら広まった。

『国王を恨んだ彼女が、不思議な力で王を呪ったのだ』と。


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