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西銀河物語 第四巻 ミルファクの夢  作者: ルイ シノダ
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第五章 ミルファク (2)

第五章 ミルファク


(2)

航宙軍統合作戦本部ビル。シェルスターの中枢区にある。ミルファク星系航宙軍を統括している作戦本部のビルだ。将官以上は、自分の軍事衛星とシェルスターのこのビルにオフィスを持つ。

軍事衛星のオフィスが本店ならば、こちらはいわば出店だ。その出店“オフィス”の一つチャールズ・ヘンダーソン中将の元にキム・ドンファン中将が尋ねてきていた。

「チャールズ。久々だな。こうして二人で会うのは」

「ああ、一昨年のミールワッツ遭遇戦以来じゃないか。キム」

「もうそんなに経つか」

二人は、ミルファク星系航宙軍士官学校の同期だ。二人とも常に出世街道の先頭を走り、他の同期からは注目の的だった。

「ところで、リシテア星系で多大な功績を挙げたドンファン中将殿が、私のところに来るとは、珍しいな」

「チャールズ、よく言うな。お前こそリリ種族との接触とDMGの技術情報、ADSM72星系周辺の星系マップと私など比較にならない功績を持ってきたじゃないか。今度ばかりは、お前が先に大将閣下の椅子に座ることになるな」

「ウッドランド提督は、まだまだご健勝だ。当分椅子はないさ。それに私は中将で十分だ。大将閣下なんぞになったらオフィスで椅子を暖めなければならん。勘弁してくれ」

「チャールズらしい言いようだな」

そう言って、ドンファンは笑うと

「そうだ、今日はこれを一緒に飲もうと思ってな。どうだ、ワイン好きのお前でもなかなか手に入らない代物だぞ」

ドンファンが手にしていたのは、ボルドー星系の第四惑星サンテミリオンのなかでも小さな地域マグドレーヌ地方でしか取れない極上のワインだった。それもとてもビンテージな。

「キム、すごいじゃないか。どうやって低入れた。早速開けよう」

ドンファンは声を出して笑うと

「らしいな」

と言った。

 ヘンダーソンは、ワインオープナーのカッターでゆっくりと栓の部分をカットすると“コルク”と言っても人工的だが、センターにスクリューを刺してゆっくりと回した。

“ムギュッ”と軽い音と共に“コルク“が抜けるとガスと共に芳醇な香が漂った。

「これはいい代物だ」

そう言ってソファの前にあるテーブルに置いたワイングラスに注ぐと、グラスに入ったワインの喫水線まで目の高さに持ってきた。ヘンダーソンは目元が緩んだ。

ゆっくりと口の中に入れてまわす。鼻に通る芳香と舌に乗る芳醇な味わいを楽しんだ後、ゆっくりと喉の中に通していく。

「少し飲むには早いが、ここではデキャンティングするという訳にもいかないないしな」

と言ってドンファンにお礼を言うと

「ところでチャールズ。これはうわさだが。ここだけの話にしておいてくれ」

少し間を置くと

「お前も覚えていると思うが、航宙軍士官学校の時の同期で、今はミルファク星系諜報部長のダノン。あいつとこの前会ってな。“俺の耳に入れておきたい。ヘンダーソンにも伝えておいてほしい”と非公式に頼まれた」

「どういうことだ」

と返すヘンダーソンに

「今回のリシテア星系、ビルワーク星系それにアルファット星系への影響力行使が、西銀河連邦の耳に入ったらしい」

「なんだと、それは本当か」

「ああ、近く連邦のやつらが、この星系に来るらしい」

「まずいな」


西銀河連邦・・人類が太陽系を離れ宇宙に進出して既に三〇〇〇年以上が過ぎていた。西銀河連邦は、経済的、軍事的にも強大な星系が集まって出来た連邦だ。 

銀河水準面に対し右半分の人類が進出したほとんどの星系を掌握している。但し、連邦直轄ではなく、あくまでも自治権を認めると言う形でだ。

各星系は自治権を認めてもらう代わりに西銀河連邦の規則に従う事を約束している。あくまでも表面だけの事だが。

但し、西銀河連邦は、西銀河の平和維持の為に連邦の規則に違反した星系は自治権を取り上げ連邦直轄とすることで平和を維持してきた。

直轄星系になると言う事は、その星系の自由を全く奪われると言う事だ。もちろん評議会などの機能は全てなくなる。

それだけに各星系とも西銀河連邦からの介入がされないよう極力努力してきた。

「それで、キャンベル議長は、どうするといっている」

「一応、西銀河連邦の規則に照らして、周りの星系とは、同盟という形に持っていくそうだ。自治星系を併呑すると規則違反になるからな」

「うまくいくといいがな」

「問題なのは、更にその先だ。連邦の使者としてくるのが、あのアンドリュー星系のチェスター・アーサー大将だ」

「何だと、どういうつもりだ。連邦は」

ヘンダーソンとドンファンは、残り少なくなったワインを味わいながら話していた。


三か月後、

「キャンベル代表、リシテア星系方面跳躍点宙域にある監視衛星から連絡が入りました。リシテア星系訪問団が跳躍点から現れたそうです」

「本当ですか」

リシテア星系からは、星系間連絡手段“高位次元連絡網”を使用して二週間前に連絡が入っていた。

「ドンファン中将、迎えに出てください」

「はっ」

と言って敬礼するとドンファンは、評議会議長のオフィスを後にした。

現れたと言ってもまだ、星系の外だ。星系内は色々な航路がある為、ミルファク星系航宙軍が道案内しないと“そこらじゅう”で事故を起こしてしまう。故に初めて来る星系の訪問団は必ず案内が必要なのだ。

既に、ビルワーク星系訪問団とアルファット星系訪問団には、ヘンダーソン配下のA2GとA3Gが迎えに行っている。と言っても戦いをするわけではないので重巡航艦クラス二〇隻ずつだ。

ドンファンは、リシテアで既に顔が知られている為、安心感を与えようと自ら申し出た結果だ。本来は、少将クラスか准将が迎えに行けば良い。


司令官席に座りながらカイパーベルトの直ぐ内側で待っているリシテア星系訪問団の姿をスコープビジョンで見ていた。

「あれが、リシテア星系の訪問団か」

そう言って見る編成は、航宙重巡航艦八隻、航宙駆逐艦一六隻と輸送艦二隻だった。

「あれでは、宙賊襲われても危ないのではないか」

そう思いながら見ていると連絡が入った。艦長が

「ドンファン司令官閣下、リシテア星系訪問団より連絡が入りました。“出迎え感謝します。マリシコワ・テレンバーグ”」

「分った。テレンバーグ議長にこれからの航路データを送ってくれ。そして我々についてくるようにと」

「はっ」

と言って艦長は復唱すると、前を向きなおし直ぐに回線を開いた。


それから五日後、各星系の訪問団を迎えた式典は、ミルファク星系の首都星である第四惑星メンケントで行われた。

ここでキャンベル議長は、ミルファク星系、リシテア星系、ビルワーク星系、アルファット星系を一つとする星系連合体ミルファクを発表した。そしてその星系連合体議長に自分がなることを表明した。

他の星系の各代表は、運営委員として参加し、各星系から他に運営メンバー五人ずつを選出し、その連合体本部をシェルスターの中枢区にある政治地区に置く事とした。これによりミルファク星系は、各星系が開発済み周辺宙域を入れると経済力が単星系体の二倍に膨れ上がった。


「やれやれ、これでキャンベル議長の力はゆるぎないものになったな」

「いいことじゃないか。イエンやセイレンがなるよりよっぽどいいぞ」

「まあそれは、そうだが」

士官クラブで話す将校に

「二人とも聞こえるよう声で話すな。軍人は、政治に不介入だぞ」

“なんだお前は”という顔で後ろを振向くと大佐の徽章をつけたカワイが立っていた。

二人の士官は、とっさに立ち上がると上を向くようにして航宙軍式敬礼をして

「失礼しました。カワイ大佐」

“ジャック”ことマイケル・ヤング少佐と“ウォッカ”ことカール・ゴードン少佐が、尊敬する上官に向って敬礼した。

「まあいい、せっかく飲みに来たんだ。何を話すのも構わないが、そういう話の時だけは声を小さくしろ」

「はっ、以後気をつけます」

と言って敬礼を止めると

「奥方の美しさにはいつも感服しております」

「いてーっ」

余分な事を言ったゴードンに、ヤングが後ろから頭を殴った。

マイは、いつもカワイを大切な上官として、そしてカワイは忠実な部下として二人を見ているだけに目元が微笑んで

「ゴードン少佐の奥様も綺麗な方でしょう」

というと

目元を緩めたところにゴードンは頭の後ろにもう一発ヤングから食らった。

「上官の前で“ニタニタ”するな」

「痛いじゃないか」

痛くも無い頭の後ろを大げさに撫ぜながらゴードンは言うと

「マイケルも、もう貰えよ。いつまでも待たせておくんだ」

二人の会話に

「“ジャック”も“ウォッカ”も休暇届が出てないぞ。二週間の休暇は命令だ。早く出すように」

そう言うと妻となったマイを連れて二人の前から別のテーブルへ行った。


「ユーイチ、なぜ命令なの」

「マイももう中尉だから分るだろう。僕たち特殊戦闘偵察隊“レイリア”に属している戦闘気乗りは、独特の戦闘方法を取っている。無人機アトラス二機とシンクロしながら飛ぶという。だから、遠征が終わったら、必ず、頭の中や体の中をリフレッシュしなければいけない。医学的な事は良く分らないが、軍医から聞いている」

「でもユーイチは取ってないよ」

「えっ」

「また、“シーズンランド”に行きたいな」

そう言って夫となったカワイの瞳の中を覗いた。

自分でも分っているつもりだが、遠征から帰った後、自分の報告書の提出と部下と言ってもA3Gの半数の部下、それに”レイリア“隊の部下の報告書に目を通して、全て自分が承認しなければならない。

更に補給や修理、整備の報告と指示などを行っていると、とても休暇を取る状況ではなかった。

「マイ、ところでヘンダーソン提督の武官でルイ・シノダ中尉が今度提督の側を離れるそうだ。提督は、本人の能力を見込んでこのまま自分の武官にしておくのはもったいないと言うことで独立させる事になったらしい」

「えっ、ほんと。どこに行くの、彼」

「それが・・。はじめ提督はシノダ中尉を大尉に昇進させて航宙軍艦の副艦長からさせるつもりだったらしいが、本人が戦闘気乗りをしたいと言い出したそうだ。さすがに僕もその話を聞いて驚いたが、本人の意思が固くてね。大尉になるのはしぶしぶ承知したらしい。これは提督が譲らなかったそうだ」

「それでどうしたの」

「うーん、提督直々の命令で僕の隊に来る事になった」

「えーっ、うそー」

「本当だ」

「じゃあ、マリコはどうするの」

戦闘気乗りになる為には、大尉と言え半年間の訓練期間を経なければなれない。そうしたとしても闘気乗りとしては初心者だ。但し、大尉という立場柄、最低一中隊・・三機一分隊として四分隊で一個小隊これを二つ計二四名で一中隊の戦闘機軍だ。その編隊長として扱われる。

更に腕が良くなければ部下は、ついて来ない。これが軍艦乗りと少し違うところだ。これは大変なストレスになる。

そこで、ヘンダーソンは、ミルファク星系でもトップクラスの腕を持つカワイ大佐の下で鍛えてほしいということになったのだ。大尉と言っても単独で。

「またそれが、・・・」

「どうしたの」

「聞いてないのか」

「提督曰く、ワタナベ少尉との結婚が前提だと言い出したらしい」

「えーっ、えーっ、えーーっ」

マイは卒倒しそうな声で言うと“嬉しいのやら何なのやら”分からない顔で目元に涙を溜めてカワイの顔を見た。

「提督としては、四年間の間、自分の側で働かせた事が、結局世間から離してしまったことを後悔しているらしい。それで例の“アルテミッツ艦内案内お見合い”をさせたって訳だ。予想通り最初はうまく行ったが、マイも知っている通り、超奥手のシノダ中尉は、今だ、手を握るのも大変な事らしい。アッテンボロー大佐の話だが。だからこのまま自分の側を離れたらせっかくつながった縁が切れてしまうと心配しての“親心”という訳さ」

「なるほどねーっ。ヘンダーソン提督らしいな」

「その話は分ったけど、ユーイチ、私たちの休暇は」

そう言ってマイは、カワイの瞳をもう一度覗いた。


惑星レベンにある“シーズンランド”のホテルのレストランでシノダとワタナベは時間を過ごしていた。

「ルイ」

「なに」

「嬉しい。こんな時間を持てるなんて」

「うん」

白いテーブルクロスの真ん中においてあるキャンドルの炎の“ゆらめき”を見ながらシャンパンでほんのり赤くなった頬を緩ませてワタナベは、心の緩む時間をシノダと共に過ごしていた。

「マリコ、話があるんだけど」

シノダの目が少し真面目になっているのを見るとワタナベは、一瞬心に不安を持った。“でも自分をここに誘ってくれたのだか”と不安と安らぎの入り混じった感情の中で

「なあに、話って」

と言うと

「僕、ヘンダーソン中将付武官を辞めるかもしれない」

「えっ、なぜ」

ワタナベは、シノダが何かミスをしてヘンダーソン中将から解任されたと思った。

「提督は、そんな厳しい人ではないのに。何かしたのルイ」

シノダは、ワタナベの勘違いが分ったが、頬をほんのり赤くしながらキャンドルの炎が瞳に映るワタナベを見ると、少しだけ黙って不安そうな顔の振りをした。

「ルイ、航宙軍辞めるの・・私どうすれば」

段々不安になってきた顔にさすがにここまでと思ったシノダは、

「あっ、ごめん、そんなつもりでは」

「えっ」

「あっ、いや、辞めると言うか、転属というか」

そう言ってヘンダーソン中将から言われたことをワタナベに伝えた。

「ルイ、からかったの」

頬を膨らまして少し怒った顔をするととても愛くるしかった。

「いや、あの」

いきなりワタナベの手が伸びた途端、シノダの頬がワタナベの二つの指でにじられた。

「いたっ」

「からかった罰です」

そう言ってもう一度にじり直そうとした手をシノダは掴んでゆっくりとテーブルの上に持っていくともう片方の手で自分のポケットから小さな箱を取り出した。

「サイズ合うといいんだけど」

そう言って、白い箱を開けて銀色の二連リングに輝くダイヤモンドの指輪をワタナベの左手の薬指にゆっくりと通した。

「よかった。たぶんこのくらいかなと思って買ったんだけど、渡すチャンスが無くて」

少し怒った顔から思いっきり嬉しそうな顔をして

「ルイこれは」

「もし、マリコさえ良ければ・・」

下を一度向いて少し間を置くと顔を上げワタナベの顔を見て

「これからずっと側にいてほしい」

「えっ」

「つまり、けっこ・けっ、けっ・・こんしてほしいんだ」

キャンドルの炎もあってか真っ赤な顔になったシノダに、これも耳元からもっと真っ赤になったワタナベが、言葉に出来ずにただ何回も頷いた。

「ありがとう、ルイ」

時間が過ぎていった。


二人は部屋に戻るとワタナベはゆっくりとシノダに寄りかかるように彼の背中に手を回した。シノダは始めどうしていいかわからず、立っていると、ワタナベの手が、シノダの手を持って自分の腰に回すようにしてあげた。シノダはやっと、そしてゆっくりとワタナベの背中に手を回して瞳の中を見つめる。

やがてその瞳が閉じられるとシノダは唇を合わせた。柔らかい感触だった。初めて、そして初めて女性の唇に触れた。心臓が飛び出しそうだった。

ただ本能的に右手をワタナベの左の胸に持っていくと一瞬“ぴくっ”としたが、段々力が抜けるようにシノダの体に自分の体を預けてきた。

長い口付けの後、ワタナベを抱えるようにしてベッドに連れて行くと

「ルイ」

そう言うとベッドの上で目を閉じた。シノダは、ゆっくりとワタナベのブラウスのボタンに手をかけると一つ一つはずしていった。

心臓が凄まじいスピードで鼓動している。飛び出しそうな気分だ。三つ目のボタンをはずすと純白のブラが見えてきた。

「待って」

そう言って、ワタナベは、瞳を閉じたまま手を自分の背中に回すとブラのホックを外した。

ワタナベは初めての感覚を体に感じながらシノダの腕の中にいた。少しの間そうしていると、やがて自分が一番感じるところにシノダの手が届いた。

「いやっ」

そう言ってシノダの手を押さえようとしたが、既に自分の奥まで入れられた指の動きで体は別の反応を示していた。

「ルイ待って」

瞳に涙を浮かべながら彼の顔を見るワタナベに、彼女の手を自分の左胸に持っていくと

「同じだから」

そう言って激しく鼓動する胸を分らせると、不安とも優しさとも分らない瞳をマリコに向けた。

ワタナベは、“じっ”とシノダの顔を見ると瞳を閉じた。

やがて、彼が入ってくると彼の背中に回した腕で思い切り抱き締めた。

白く透き通るような肌、綺麗で整った胸のトップに自分の唇を合わせながらワタナベの体を優しく愛撫しているとシノダは、自分が段々上り詰めていくのが分っ

た。

「マリコ」

そう言って自分が限界に達した時、ワタナベも思いっきり体を反った。


ベッドの上で、自分の腕の中で眠るワタナベの美しい寝顔を見ながら“僕はこの女性を守っていけるのだろうか。家族を知らない人間が家族を守る”シノダには、理解できないでいた。

ただ、この優しい寝顔を見せるマリコだけは、必ず守りきって見せると心に思いながら安らかな寝顔に自分も睡魔のとりこになった。

意識が戻り少しずつ目を開けていくとルイの顔が有った。ワタナベは、右手の指でシノダの顔をゆっくりとなぞると唇のところにもって来た。シノダが起きないようにしながら少し腕の中から出ると自分の唇を付けた。“一緒にいるんだ”そう思っただけでワタナベは嬉しかった。そしてまた眠ってしまった。

「えっ」

何か、違和感を、感じながら目を覚まそうとすると鋭い感覚が体を走った。

「あっ、だめ」

自分の一番大切なところにルイの唇が当っている。考えている時間はなかった。やがて、意識が戻り始めるとはっきりと感覚が体を起こした。

「ルイ、あっ」

熱いものが入ってくる。

「だめっ」

まるで生き物のようにそれは動くと体の芯に電気が走るような感覚が襲った。

「あーっ、だめ」

めくるめく感覚に体を奪われながら浸っているとゆっくりと今度はしっかりしたものが自分の体に入ってきた。

もう自制心が切れていた。彼の腰に腕を回し体にしがみついた。やがて自分の奥に熱いものを感じると彼が自分の体にゆっくりと体を合わせて来た。

「マリコ、素敵だよ」

そう言って唇をあわすとワタナベは、彼の背中に腕を回して思いっきり自分のほうへ引き寄せた。

「ルイ」

そう言って、自分の顔をシノダの胸に擦り付けると目に涙が溜まってきた。

「ルイ、信じていいよね。ずっと私の側にいてくれるよね」

「うん、マリコの側にいる。ずっといる」

そう言って思いっきり自分をマリコの中に強くすると先に当るような感触の中でもう一度自分の気持ちが出て行った。


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