少年拉致される
「はーあ。 RPGゲーム終わっちまったよ」
そう言いながら小林優斗はゲームコントローラーを置いて立ち上がった。
「えっとコーラ。 コーラ……ないじゃん」
コーラを飲みたかったがコーラがなかったので近場のコンビニで買う事にした。
「はぁ。 早く帰って次のゲームした……いってえっ?」
「おめでとうございます!! 今回あなた様は惑星ナノドリへの切符を手に入れましたおめでとうござます!」
「はっ!?」
家から出るといきなり女性に声を掛けられて拍手をされた。
とても美人だったので高校生の優斗には刺激が強すぎた。
「まっ、待ってくれよ! お、俺はこれからコーラを買いに行くんだ!」
そう言って優斗は手を伸ばして拒否すると背筋がピリッと音を立てた。
「あっ?」
背後を振り向くと黒いヘルメットをした男がスタンガンを持っており、優斗はスタンガンを当てられたという事に気がついてそのまま気絶した。
「……ここは?」
優斗が目を覚ますとそこは近未来な世界だった。
高層のビルにハワイのようなビーチ。
歓楽街がたくさんあり、耳を尖らせた者や獣のような見た目の者など様々な種族がいた。
「おめでとうございまーす。 優斗さん! ここが我々の住む星ナノドリにしてゼロライド帝国でーす!」
するとさっき優斗に声を掛けた少女が優斗に対して声を掛けてきた。
「おい! 俺を返してくれ! 家に帰ってゲームがしたいんだよ!」
「えっ? その端末で出来ますけど?」
「はっ?」
すると優斗のポッケにはスマホのような機械があった。
「……す、スマホじゃねかこれ?」
「はい! この星では端末と呼んでます! そしてその中にあるポイントを使えばなんでも頼んだり、食べたり出来ますよ?」
「まじかよ! 夢の国じゃねか!」
そう言って優斗は早速ポイントを使って買い物をしようとしたが全く自身の端末にポイントがない事に気がついた。
「おい。 ポイントっての俺の端末に入ってないじゃん!!」
「やれやれ。 これだから異世界人は……ほら仕事ですよ?」
「おう。兄ちゃん俺達と仕事しようや!」
「……や、ヤクザじゃねーか」
「そんな事ありませんよ? ほらこんなにあなたの仕事仲間がいるんですから」
「……えっ?」
優斗が見てみると高校生ぐらいの見た目の子が男が一人で女子一人。
そして、とても妖艶な女性にヤクザそして羽振りの良さそうなスーツとサングラスをした男がいた。
「皆様はこれからゼロライド帝国の奴隷として生きて貰いますからね! よろしくぅ!」
そんな女性の声が最後だった。
優斗はゼロライド帝国の地下工場で働き、仕事が出来なければ鞭打ちされた。
「……帰りてぇ……俺の家に」
優斗のメンタルはボロボロであった。