村の秋祭り
翌朝、ロイは鳥たちの歌で目覚め、ふとんを押しのけてベッドから飛び出し、朝の空気を吸い込みながら母さんの待つキッチンへと走りにいく。
ロイは元気いっぱいに母に抱きつく。
「おはよう、母さん!」
「おはよう、ロイ。よく眠れたかい?」母は彼の髪を撫でながら微笑んだ。
「うん、勇者と魔法使いと聖騎士が大冒険する夢を見たよ!」
ロイが目を輝かせて話すと、母は彼の興奮を聞いて笑う。
「それは素晴らしい夢ね。さあ、朝ごはんを食べて、今日は父さんと一緒に何か特別なことをしよう。」彼女は朝食の準備をしながら、ロイに新鮮な果物とパンを盛り付けた。
食後、父はロイを手招きして鍛冶屋へと連れて行くと、そこには彼の手によって作られた多くの工具と武器が並んでいた。壁には各種の鎧や剣が掛かり、仕事台には未完成のプロジェクトがいくつか置かれていたのだった。
「今日は何をするの?」
「今日は君に特別なものを作る方法を教えるんだ。一緒に剣を作ってみよう。」
ロイに小さな鍛冶ハンマーを手渡し、それを受け取ると父の指示に従って鉄の棒を炉に入れ、火を操る方法を学んでいると、父は耐火の手袋をはめ、ロイに安全の重要性を説きながら、鉄を適切な温度に加熱する方法を教える。
「火はとても強力だから、注意して使うんだよ。火が強すぎると鉄が溶けてしまうし、弱すぎると形が作れないんだ。」
加熱が終わると、父は鉄を鎚で打ち、その形を整えました。ロイも小さなハンマーで父の隣で打ち始めました。
「こうやって力を入れて、鉄を形にするんだ。」
「父さん、こんな感じ?」
「よくできた、ロイ。これで君も立派な鍛冶屋の卵だな。」
父の言葉にロイの顔は嬉しさでいっぱいになる。
この朝の時間は、父と子の絆を深め、ロイに新たな技術と自信を与える貴重な体験となり、
彼の小さな手が創造した剣は、彼の初めての作品として、工房の壁に誇らしげに掛けられたのだった。
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自身の創作小説です。
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