マカラート王国
ロイは広大な草原を進みながら、マカラート王国の門を目指していた。
「あと少しで....冒険者になれる」
そう言いながら、目の前に見える大きな門に向かって足を速めた。これまでの彼の人生は、鉱山の闇に閉ざされたものだったが、今は違う。目の前には広がる世界がある。自由という感覚が、彼を突き動かしていた。
「これからが、俺の始まりだな」
ロイは門まで来ると門番が立っていたため、門番に話しかけるが、門番は普通な顔をしながら、確認行動をとる。
「こんにちは!えっと、マカラート王国に入りたいのですが....」
「このまま入っても大丈夫ですか?」
「ダメだ。身分を証明できるステータスカードは持っているか?」
ステータスカードを持っていないため、困惑してしまうが、
門番は、焦らずに水晶をもってきて、手にふれさせようとするのだった。
「えっと、俺...身分証明できるものやステータスカードは持ってない」
(やばい・・これまずいんじゃないのか?・・。)
「そうか。では、この水晶にふれろ」
「お前が犯罪者や諜報者のような者であれば、赤くなる」
「そ..そうなんだ...。」
「俺が、それに該当した場合はどうなるの?」
ロイは、今まで奴隷として生きていたところを、逃げるチャンスがめぐってきた。
それで掴んだ自由を、奴隷から逃げたということで犯罪者扱いになるのではないかと、不安になるのだった。
「赤だった場合、悪いがすぐに拘束し、牢に連れて行く」
「それから、身分や今まで何をしていたか等を、あらいざらい吐いてもらう」
「わかった...」
(どうすれば・・。)
(でも、後戻りもできないよな・・。)
緊張と不安になりながらも水晶に手をふれるのだった。
(頼む・・赤にならないでくれ)
「・・・・」
「・・・・・」
「よし。特に何も起こしてないようだな」
「門をくぐってよいぞ。」
ロイは、赤にならなかったことに安堵し、安心して門をくぐろうとしたが、再度、門番に話しかけられる。
「あ、待て。」
「えっ、な..何かあった?」
ロイは安心しきっていたがために、とても動揺し、身体がすこし固まってしまった。
「いや、お前、身分証などを持っていなかったからな」
「ちょうどいいから、ステータスカードを作れ」
「そうすれば、それが身分証になるし、犯罪者などに間違えられないからな」
(なんだよ・・めっちゃびっくりしたじゃねーか!)
「わかったよ。ありがとう」
門番とのやり取りを終えて、やっと門をくぐり、ついに彼はマカラート王国の内部に入った。
街は活気に満ち、人々が行き交い、店々からは賑やかな声が響いていた。冒険者たちもその中に混ざり、武器を手入れしたり、仲間と語らっている様子が見える。
「すごい…。」
ロイはその光景に圧倒されながらも、興奮が抑えられなかった。これが、彼が夢見た冒険者の世界。
「まずは…冒険者ギルドに行こう」
彼は街を進みながら、ギルドの建物を探した。やがて街の中心に立派な建物が目に入る。
「冒険者ギルド」の看板が掲げられていた。
「ここだ…」
ロイは深呼吸をし、ギルドのドアを開けた。中に入ると、さらに賑やかな声が耳に飛び込んくる。
たくさんの冒険者が集まり、情報を交換したり、任務を受けたりしている。彼らの姿はロイにとって憧れの存在だった。
(よし!これで俺も冒険者になれる!)
ロイはカウンターに向かって歩き出した。受付には若い女性が座っていたので、説明を受けるために話しかけた。
「すみません!えっと、ここで冒険者登録したいのですが」
「いらっしゃいませ。冒険者登録ですね?」
「はい、冒険者になりたいんです」
少し緊張しながら頷く。
彼女は優しく微笑み、手続きを始めるために紙を取り出した。
「まずは、ジョブスキルの鑑定を行いますね。それと一緒に、ステータスも確認させていただきます」
ロイは頷き、彼女に案内されてギルドの奥へと進む。そこには大きな水晶が置かれた静かな部屋があった。そこで女性が優しく説明してくれる。
「この水晶に手をかざしていただければ、あなたのジョブスキルとステータスが表示されます。リラックスして、手をかざしてください」
ロイは緊張を抑えながら、ゆっくりと手を水晶の上にかざした。しばらくすると、彼の手から淡い光が水晶に吸い込まれていく。水晶の中に文字が浮かび上がり始めた。
「これで..ジョブスキルが分かるのか..」
ロイの心臓は高鳴っていた。次第に水晶の中に、彼のジョブスキルとステータスが浮かび上がってくる。受付の女性がそれを見て、驚いたような表情を浮かべる。
「ジョブスキルは…『十帝』ですね・・。」
「でも、聞いたことがないスキルです」
「えっ、『十帝』?」
「なにそれ・・・」
ロイはその言葉を聞いて戸惑ってしまっていたが、女性は首をかしげながらも続ける。
「私もこのスキルについてはわかりません」
「特別なスキルなのか...それとも.....」
「それともなんですか?」
「冒険者になろうとしている人に対して、あまり言ううべきではないのですが・・。」
「君はまだ子供でしょうし、今後の事を考えればお伝えしますね」
ロイは、緊張しながらも受付の女性に耳を傾ける。
「お願いします」
「ジョブスキルは、多種多様で色々あるのですが....その中でも、あまり冒険者に向かないものもあります。逆に言えばそのスキルに適した仕事に就けば、良い仕事ができるということになります・・。」
「そういうことですか・・。」
「まだどうなるかわかりませんので、そういうことがある事だけは知っておいてください。では、次にステータスを見てみますね」
その言葉を聞いて、少し気にしている様子であったが、
立ち止まっている場合ではないため、自身のスキルで何かできることがあるはずと考え、ステータスを確認することに集中する。
ロイのステータスが浮かび上がる。彼は期待と不安を抱きながら、それを見つめた。
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ロイのステータス
年齢: 7歳
ジョブスキル: 【十帝】
身体: F
速さ: F
魔力: E
魔法適性: E
知力: B
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「身体と速さはFランク…」
ロイはそのステータスを見て、落胆する。鉱山での過酷な生活が彼を鍛えたと思っていたが、期待したほどの力はついていなかった。
「まじか…俺、少しは強くなったと思ってたのに…」
彼は思わずつぶやいた。だが、女性は優しく励ますように話しかける。
「大丈夫です。冒険者として経験を積んでいけば、ステータスはどんどん成長していきます。それに、知力がBランクというのは非常に優れた値です。あなたには頭脳戦で勝る力があります」
その言葉に少しだけ救われた気がした。確かに、知力がBランクならば、自分の頭を使って戦術を練ることもできるし、これをポジティブに捉えて活かすように考える。
(戦術でモンスターを倒すこともできるな・・・)
「それに…まだ始まったばかりだしな」
ロイは自分に言い聞かせ、再び気を引き締める。ここからが本当の始まりなのだ。
彼は女性に向かって頭を下げ、感謝の言葉を伝えた。
「ありがとう。俺、頑張るよ」
女性も微笑んで応じる。
「応援しています。困難こともあると思いますが、頑張ってくださいね」
ロイはその言葉に勇気をもらい、ステータスカードを渡され、ギルドを後にした。
外に出ると、街の賑わいが再び彼を包み込む。
(街並みをみるのは、2年ぶりだな・・)
「めっちゃきれい・・」
(あっ、あーーーーー。忘れてたーーー)
そう、ロイはふと気づく。何を忘れていたかというと、宿屋がどこで、どこに泊ってよいのかなどを聞いていなかったのだ。
しかし、再びマカラート王国の街を見渡すと、また歩き始める。
結局は泊まる場所など、あまり気にしていない様子だった。
(戻るのめんどいし、野宿でいっか!)
読んで頂きありがとうございます。
私の創作小説です。
これでやっと、ロイのジョブスキルがわかりましたね!
ですが、【十帝】って全くよくわからないですよねーw
あと最後の所で、ロイの《野宿》に知力たりてるのかと、心配になりますよねー。
すみません(笑)
また、面白かったら、読んで頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいたします!




