表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/48

野宿

 ロイは小屋を出てから、森の中を歩いていた。

 モーセルと過ごした時間は短かったが、そのおかげで、彼は心の底から安らぎを感じていた。


「俺は…自由になったんだよな」

 ロイは自分にそう言い聞かせながら、少しずつ歩みを進める。


 道なき道を進む彼の足元には、枯れ葉がカサカサと音を立ていて、風が木々を揺らし、その音が耳に心地よく響く。


 しばらく歩いていると、森の中に小さな開けた場所が見えてくる。

 ロイはその場所で一旦立ち止まり、リュックサックを下ろして座り込んだ。


「ここで少し休もう…」


 リュックサックの中から水筒を取り出して一口飲んだ。

 冷たい水が喉を潤し、体に少しの活力を与えてくれる。


「これから、どこに向かおうかな・・」


 ロイは空を見上げながら考え込み、鉱山を脱出したばかりの今、自分がどこに向かうべきか、どのように強くなればいいのか、その答えを模索(もさく)しているのだ。


「とにかく、まずはマカラート王国を目指そうかな…」


 そう決めてから、ロイは地図を取り出してみる。

 モーセルがリュックサックに入れてくれたその地図には、マカラート王国への道筋が簡単に示されていた。


「ここからだと、かなり距離があるなー」


 しかし、今は進むしかないと思ったが、道中にどんな危険があるかもわからないため、地図をしっかりと確認しながら、歩き始める。


 ロイの足元には土の感触と、風が頬を撫でる冷たさが、現実であることを教えてくれる。


 道中、ロイはふとした瞬間に鉱山での辛い日々を思い出す。

 重いツルハシを振り下ろし、体中が痛みに包まれていたあの頃。それでも、耐え抜いた。約束を果たすために。


「今の俺には、強い力が必要だ…」


 ロイの中にはまだ知らない力が眠っているが、ロイ自身もそれを知らない。

 ただがむしゃらに、強くならなければならないと思っているのだ。


 森を抜けると、広い草原が広がっていた。

 遠くには山々が連なり、その向こうにはマカラート王国がある。ロイはその景色を見つめていた。


 その草原を眺めながらも歩き始める。

 これからどんな困難が待ち受けているか、それは誰にもわからない。

だがらこそ、彼は自分を信じて進むしかなかった。


 日が傾き始め、空が赤く染まる頃、再び森の中へと足を踏み入れる。暗くなり始める中で不安がよぎるが、安全そうな場所を探し野宿を考えていた。


(今日はここまでが、限界だな・・。)


 夜が訪れると、ロイは小さな木の下に腰を下ろし、簡単な夕食を取ることにした。モーセルがくれた食料は、身体に必要なエネルギーを与えてくれた。


(これだけあれば、しばらくは大丈夫だな....)


 少しずつ食べ物を口に運び、食べ物の温かさが心に安らぎを与えてくれる。外の冷たい風が頬を撫でるが、気持ちは暖かかった。


 食事を終えると、ロイはリュックサックを枕にして横になる。星が輝く夜空を見上げ、シアを思い出しながら、ゆっくりと目を閉じるのだった。


(シア、元気でいろよ・・。)

読んで頂きありがとうございます。


自身の創作小説です。

面白かったらいいね!をください。よろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ