第9話 悪役にならなきゃ
「ごちそうさまでした!」
昼食を食べ終えた四人は午後の講義へ行くために、大講堂へ歩みを進めていた。
「そういえば、バルーンってご飯食べる時も革手袋っていうの?外さないよね。」
「あー、これはね、小さい頃に両手やけどしちゃってね。跡が見るに耐えないからつけてるんだよ。」
「そうだったんだ。ごめん。」
(あぶなー!私の場合、左手首だけじゃなくて、甲までタトゥーいれてるから、ばれたらまずいんだよね。)
バルーンは一瞬冷や汗をかいたが、咄嗟の嘘でその場を乗り切ることに成功した。
バルーンのタトゥーは左手の甲から左腕にかけて大きな一匹の蛇が描かれているため、隠すには細心の注意が必要である。
一瞬、場が気まずくなるが、リンがすぐに場を和ませ四人は何事もなかったように、日常会話へと戻ってゆく。
四人が大講堂に入ろうとすると、聞き覚えある声が呼び止めてきた。
「テン!」
「ショウじゃん。あー、理解したよ。」
「ならよかった、ちょっとさんにn...いや、テンちょっと来れるか?」
「わかった」
「じゃあ、私はちょっとお手洗いに」
バルーンはそそくさ去っていく。
テンはショウに連れていかれ、人気のないところへ。
人気がないところへ着くとすぐにショウが、少し悩むように口を開く。
「うーん。大体は箱についてわかったよ。でも複雑だった。」
「まじか、なんでもいいから教えてくれ。」
「わかった。まずこの箱の名称は、パラボックスだ。で、使用するにはパラボックスと契約しないといけないらしい。契約って言っても直接契約はできないらしい、何かを仲介しないといけないかもな。」
「パラボックスは今どこにあるんだ?」
「俺の研究室にあるよ。」
(ふ〜ん。なるほどね、そこまでばれちゃってんだ。)
バルーンはテンに仕掛けた盗聴器を使って会話を盗み聞きしていた。
(じゃあ、決戦は三日後かな〜。それまでにやることやって悪役にならなきゃね。やっと殺りあえるの楽しみ〜)
バルーンの口角は自然と上がり、スマホを取り出し、トイレを後にするのであった。
決戦まで残り四日。




