第25話 模擬戦3
フウカの勢いがついたパンチがテンの精製した盾に直撃する。
その音は鈍く、ものすごい轟音を奏でる。
彼女のコンセプトは元素能力でもある「風」である。
主に手のひらから風を噴射する。
もちろん威力は自由自在に変更可能だ。
「痛ったーーーー!」
生身の素手で盾を殴ったフウカは大きな悲鳴をあげ、その場にのたうち回る。
本当に今ここで転がり回ってるやつが元特待生だったのか...?
「随分といきなりな攻撃だね」
「セイ!それはだな!初見技にて敵を葬ると言う言葉があるだろ!」
「聞いたことないけど...」
「だって今俺が考えた言葉だからな!」
フレイの口元が緩む。
<コンセプト:炎:元素>
「『爆炎』!!!!」
フレイの手のひらがテン達に向けられ、そこから小さい火球のようなものがテン達の元へ飛んでいく。
「うぉっ、やっべっ」
<コンセプト:空接>
火球は着弾前にサイズが格段に大きくなり凄まじい爆発を起こす。
「やっぱりガードされたか」
煙が晴れると何事もなかったかのようにセイが二人を守り、前線に立っていた。
「流石にさ、仲間巻き込むのはやめなよ。ね?」
「先輩!僕のこと殺したいんですか!?」
「後輩傷つけたら嫌われるぞー」
「ははは!それはすまない!しかし、今なら攻撃が当たるかもと思って試したかったんだ。不意打ちというやつだな!」
「笑うとこじゃねー」
「だが!悪意があってやったわけではない許してくれると助かる!」
「まぁ、僕も突っ込んでいっちゃいましたから。」
「それよりも...ここにいるフウカさんは場外に落としてもいいのかな?」
「ダメです!絶対!」
フウカは少し焦り気味になるが手から突風をだし、高速でフレイの元へ引いていく。
「仕切り直しだな。じゃあ次はこっちの番だ!」
<コンセプト:創造>
テンはセイとフレイ達の元へ駆ける間に何かを投げつける。
「セイ!耳と目をコンセプトで塞げ!」
掛け声に応じてセイは耳と目を強く塞ぐ
その瞬間、テンが投げつけたものはその場に凄まじい音と閃光を生み出す。
スタングレネードだ。
「くそっ...!耳鳴りと目が...」
フレイ達は不意打ちで喰らったスタングレネードに対処ができず、効果をモロにくらってしまう。
そして、衝撃を受け平衡感覚を維持できずにその場に崩れ落ちる。
「うぅ...こんなのありですか?」
「ありなんだよ。悪いな。そっちの誰かさんが言ってただろ、初見技にて敵を葬るってな。それと同じだ。」
テンはフウカを担ぎ、場外へ落とそうとする。
「まだ終わりませんよ!」
しかし、その瞬間フウカは手から風をだしこの状況を脱するかと思われたが、実際には...
「あたっ...!」
視力が完全に回復してない時に宙を飛ぶのは危険だな...
フウカはコンセプトで自ら場外へ突っ込んでいってしまったのであった。




