第20話 補足と説明
あれから随分と月日が流れ、春が来た。
無論あれからオノティスは全く動きを見せないしバルーンもあいつらのところに帰ったんだろうな。
雪は綺麗だったのに今までの中で1番最悪な冬だった。
「あーむかつく!」
「テン、バルーンがいなくなってまた性格戻ってきてないか」
「そうなのかもしれない...」
「今はとにかく策を練らなきゃ。特待生の座を守るために。」
「俺とセイなら大丈夫だと思うけど」
二人は自室で特待生決闘のための策を練っていた。
特待生決闘とは毎年春に開催される二人一組で行われる戦いだ。
一般生徒は特待生の座を奪うために、特待生はその座を守るために戦うのだ。
「特待生がずっと変わってないのって俺らの代だけだっけ?」
「まぁそうだね。先輩とか後輩の代は毎年変わってるからね。」
「とりあえず今回もフレイをボコせばいいんだろ」
「フレイは上がってくる読みなんだね」
「それはそうでしょ」
一般生徒が特待生決闘に参加するためには条件が存在する。
まず一般生徒のみで行われる予選で勝ち残り上位2組に食い込む必要がある。
勝てば特待生となり、学費等全額免除にさらに様々な待遇が受けられるため。
エントリー率は7割を超える。
ちなみに7割で300人程度だ。
そんな中を勝ち上がりようやく参加する条件を手にすることができるのだ。
テンとセイはそんな第二学年の中の頂点に君臨している。
はっきり言うならば最強なのだ。
マットには学部が違うにしろ様々な分野において先端をいく将来の有望株がたくさん存在する。
その中での最強を決めるため、毎年世間も注目している。
テンもセイも通な人達の中ではかなりの有名人なので、セイはあえて一般生徒と同じ制服を日頃から着ている。
テンは目立ちたがりなのでまぁ...。
「まぁ明日から二週間休暇あるからそこで特訓しようぜ。」
「ごめんテン。俺一週間家帰らないといけないから。」
「あーわかった。」
テンは落ち着いた口調でセイに話しかけるが、家に帰らないといけないため一週間は潰れてしまうようだ。
日はまたぎ、翌日
セイは広大な敷地がある豪邸の前に立っていた。
どこか落ち着かない様子だ。
すると、豪邸の扉が開き中から老人があらわれる。
「おかえりなさいませ。お坊ちゃん。」
老人は頭を下げセイを歓迎する。




