第10話 雪降る日
「雪降ってきた〜!」
午後の講義終わり、窓の外を眺めていたリンが大声で言う。
「おお、今年も降ってきたか。」
「雪が降ると冬だなって感じるよな。」
「え、雪初めてみた!すご!」
「え!?バルーンちゃんまじで!?」
バルーンは生まれたて初めて雪を見たらしく、そのことにリンが反応する。
「スノーホリデーも近いしな」
「そうだよ!セイ!楽しみ〜」
スノーホリデーとは、マットの長期休暇のようなもので、約1カ月半続く。
「俺、今日は先寮に帰ってるわ」
と、だけ言い残しテンは寮に帰っていった。
テンが視認できなくなるまで離れたのを確認してからリンが少し興奮気味にいう。
「バルーンちゃん!テンどう!?」
「えっ?どうって?」
「好きなのか好きじゃないのかだよ!?」
「あぁ、テンくんは優しいと思う。けど、好きなのかはわからないな〜」
「テン、彼女欲しがってたから押せば崩れると思うよ。」
「うーん、複雑だな〜」
「バルーンちゃん可愛いし、明るいからお似合いだと思うんだけどなぁ。」
(お似合いかぁ)
バルーンは夜、ベッドで横になりながら、今日あった会話について考えていた。
もし、世界線が違ったらと考えてしまうことが最近多い。
それは煩悩だと自分に言い聞かせているが、それだけでどうにかなる問題じゃない。
年齢的には三年だが、二年として振る舞っているし、それは関係ないか。後、電話で頼んだやつどうなったんだろう。など余計なこととは程遠いことを考えているうちに、眠りに落ち。
気がついたら、朝になっていた。
バルーンは眠たい体を起こし、ルームメイトと挨拶を交わし食堂へと向かう。
(最近、煩悩がひどいな。このままだと思うように行動できなくなる。どうするk...)
「あっ、バルーンじゃん。おはようよく寝れた?」
「あっ、テンくんおはよう」
食堂でテンが話しかけてきた。
「ちょっと、大事な話があるんだけどさ。明日の夜、森わかるかな?そこに来れるかな。今日は少し厳しくてさ」
「えっ、いけるよ。わかった。明日だよね、任せて!」
マットの端の方には森がある。そこでは日中生徒が訓練のために使用したりする。そこに、バルーンは呼び出されたのだ。
「ありがとうね」
テンはパンを口に詰め込み、側を後にする。
(これはチャンスなんじゃないの!?明日テンをぶっ殺して、パラボックスを回収する。)
予想外の好機にバルーンはコーラを飲みながら微笑んだ。
決戦まで残り一日。




