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看護学生日記  作者: 六道
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4月26日

唐突かもしれないが私は今、看護専門学校の授業中であり、私は授業中にこの文章を打っている。現在の日時は4月26日水曜日午後1時10分。午後の授業に入り、睡魔が私を襲っている。そこで授業中に寝てしまうよりはこうして文章を打つことによって、自分が生きた証拠を残しているほうが賢明なのではないかと考え、このようなことをしている。この文章を読むことになる人は私の家族か、友人か、はたまた見知らぬ人か、まだわからない。

まず何について書こうか…。この学校に入学するときの事について話そうと思う。

四月六日の九時頃に私はこの学校に足を踏み入れることになる。初めのこの学校の印象は「小さい」であった。私がこれまで通ってきた学校のどれよりも小さく、土地面積でいえば幼稚園よりもはるかに小規模である。

不安を感じながらも受付に向かい、健康調査表のようなものに名前を書いた。ここの受付の先生は恐らくこれからの学校生活でたくさん関わっていくことになるのだろうなあ、と考えながら名前を書き終えた。その後に一年生の教室へと案内される。案内される間に「〇〇さんはとても達筆なんですねえ」と先生に言われた。私は字が上手いと言われることが多い。だが私はそうは思わない。私は男にしては字が上手い部類なのかもしれないが、女子を含めた全体で見れば平均的な字をしていると思う。そのような事を考えながら教室に着いた。教室には私とまだ着ていない3、4人以外は皆席についていた。少し戸惑いながらも私は席に着く。教室全体を軽く見渡すと、私を含め男子は10人ほどいる。学年全体での人数は41人だと入学前のパンフレットに書いてあったので、私の学年は4人に1人は男子ということになる。その事実に私は驚愕したが、もっと男子が少ないはずだと予想していたので、嬉しくもあった。それから数分が経過した後にオリエンテーションが始まる。だが先生の声は私の耳には入ってこず、私はボーっと考え事をしていた。自分に新しい友達ができるのか、人と上手く関わる事ができるのだろうか、など人間関係が上手くいくかについて考えていたような気がする。入学初日は私はそのような事を考えていた。私が人間関係について不安をもつ理由は私の過去を深くたどる必要がある。幼少期から家庭環境が関わるがあまりその時期の話は苦しくなるので話したくない。割愛しておく。

とりあえず私はこの学校に馴染めるか不安だが、頑張っていこうと思う。しかしながらもう既にその希望は崩れかけている。私の前にいる男子生徒とある程度話せようになったものの、あまり心を開いてくれているとは感じない。

周辺の女性も私とは話す事がない。食事も取らず、図書館で本を読んで時が過ぎるのを待つ日々である。だが着実に前進しつつある出来事もある。

ここからは現在私が関わった男子学生について話したい。この前に男子生徒10人で中華料理屋を訪れた事があったが、あまり大きな収穫を得る事は出来なかった。しかし駅近辺で一人暮らしをする2人の男子学生と少し仲良くなれ、家に一度行った事がある。彼ら二人はとても穏やかな人達で言葉にできない話しやすさがある。これは大きな進歩だと思う。また他には一緒に登校する男子学生もいる。男子の中では彼と私のみがまだ免許を持っていないので少し親近感がわく。彼は非常に口達者で便が回る人で、頭の回転が非常に速い。私が出会った中でもかなり特異な人物の一人だ。私もさっさと免許を取りたい。  次から記述する男子学生は上記の三人と比べてまだ関わりが少ない。まず共に登校している男子学生の隣の男子である。彼とは現在昼のみ会話する仲である。眼鏡が特徴的で細身な男子だ。彼はあまり表情が見えにくく、奥が見えないがゲームやアニメなどで共通する部分が少しあることに最近気づいた。彼は通信制の高校を出ているらしく幅広いゲームやアニメに触れる機会が多かったのだと推測する。次は私の席の前にいる男子生徒。彼は話を聞くにやや荒れた中高時代を送っていたことがうかがえる。物腰柔らかでそんな雰囲気はないのだが話している内容が私の常識と少し異なる。酒やタバコなどは普通であり、中々面白いエピソードを彼は話してくれる。しかし仲の良い人以外とはあまり関わりたくないと本人が言っており、私は彼と距離をまだ感じてしまう。次は遠い席の男子生徒。彼とは本当に関わりがないから何もわからない。私の席の前の男子生徒と仲が良いイメージがある。  次から記述する男子生徒は全員社会人学生である。まずは背の高い社会人学生。彼とも本当に関わりがない。彼は私よりも背が高い。私は174cm程度の平均よりほんの少し高いくらいの背丈であるが、彼は私よりかなり高いように感じる。恐らく180cm程度だと推測する。どうやら彼は大学卒業後に看護専門学校に来たらしく将来を見据えた建設的な人物なのかもしれない。次はイカした車に乗っている社会人学生だ。彼はイケメンで女性にモテそうな風貌をしている。落ち着いた雰囲気があり、以前私と登校している男子学生とクラス内の女子学生と食事に行ったと聞いたので中々アクティブでプレイボーイな人なのだと感じる。最後は大柄な社会人学生。彼は男子社会人学生の中で最年長であり、経験を生かした発言をする。背は私よりも少し高く体格が非常に良い。私が彼に襲い掛かったのならば間違いなく殺されるだろう。意見をバッサリ言い切れるのは良いことだが、他の主張が強い生徒や教員などと衝突してしまわないか私は危惧している。以上が私の周囲にいる男子学生である。多分ある程度仲の良くなった三人を主体に私の人間関係が構築していくように感じる。しかしながら社会人学生と私の前の男子学生は恐らく私とプライベートでどこかに行くことはないと推測しておく。これは私と彼らの感性の違いがあるからだ。決して私が毛嫌いしているわけではない。また車好きな社会人学生は男女ともに人が集まりそうだと感じる。彼は容姿に優れ、アクティブな人であるから比較的コミュニケーションの得意な男子や一部の女性が集まることでクラスカーストのトップになる未来が想像できる。クラスカーストには一人暮らしの男子学生のうちの一人と私と登校している学生、あまり関わったことのない学生の三人が参戦するような気がしてならない。私が嫌いだった中高時代のカースト上位の人たちのような人が出てこないことを祈る。

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