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第二話 チケット
side:葵羽
とある日、家に差出人不明の封筒が届いた。
「え?サーカス?」
僕が素っ頓狂な声を上げたのは“サーカスのチケット”が届いたからだ。
「さ、3枚…?」
水樹がチケットの枚数を数える。
「あと1人誰だ…?」
てか、しかも強制参加かよ。
『必ず、“3人”で来ること』
とチケットの入っていた封筒のメッセージカードにはそう書かれていた。
「うーーーーん…」
水樹が首をひねる。
「4人だったらラズとバロが誘えたんだけど…」
水樹はチケットを見る。
「うーん…」
………………あ。
「あっ」
僕は思わず声を漏らした。
「何っ!?」
水樹がぐわっと距離を詰めてくる。
「レンくんは?千葉連」
クラスメイトの千葉連くん。グループ学習で丁度一緒の班なのだ。
ちょっとしか話さないけど…
「確かに、レンくんはぼっちだし予定無さそうだよね…」
「こら、水樹。失礼なこと言うな」
しかもちょい大きめの声だし…聞こえたらどうすんの!?
僕は本を読んでいるレンくんに近付き、
「ねえ、レンくん!今度一緒に遊ばない?」
「へっ!?」
…レンくんは声が裏返ってた。