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④テハリボの武器屋前


{テハリボ王国・城下町武器屋}


 俺たちは武器屋の外でアルクを待ちながら、錆びれた城下街を眺めていた。陽当たりは悪く、街行く人たちの服装はボロボロである。しかし、この国は平和だ。そして、取引が長い。


「ねぇ、まだなん?」


「いっぱい拾ったからな~。」


 戦場に落ちていた武器類は多種多様で重量感が有った。それらを安全に多く回収できるのはこのキャラバンならではである。実を言えば戦場の武器回収は、戦争を起こした国のクエストにある情報であった。そこに起点を効かせたのは商人であるアルクと、技術士であるリザだった。特にリザは鍛冶師という側面も持っている。どの武器にどのような需要が有るのかを熟知している。そこにアルクの詐欺的な、もとい天才的な口の上手さが合わされば、ノーリスクハイリターンは確定的だった。


「おっ、出てきた。行くぞ。」


 俺は目を閉じていたプーカの肩を揺すった。アルクはと言えば、どうにも不満げな顔をしていたが、こういう時、悪い結果であることはまず無い。


「どうだった?」


「全部売れた。良い見込みだったよ。ただ、もっと売れたはずだったよ。いちいち値上げ交渉する度に、財務担当に確認を取り始めるんだ。アレが厄介だった。」


 アルクは膨れ上がった財布を持ちながら、武器屋の看板を睨みつけた。


「超グッジョブ。」「グッジョブ。」


 俺とプーカは親指を立て、アルクの方へ掲げる。


「良い取引でしたね。では、私はここで別の仕事へ戻るとします。テハリボをお楽しみください。」


 ガイドは深々と頭を下げ立ち去って行った。一応の目的は達成されたから、これからすることは特にない。街を観光しようにも、本当に見る場所は少なそうだ。辺りを回っていれば夜が更けそうだが、宿を利用するような浪費はしないだろう。というか、慣れない宿で寝るよりはキャラバンで寝た方が落ち着くのである。食料貯蔵がギリギリなこの街では、珍しい料理も期待できそうにない。


「どうするナナシ~。」


 リザが運転席にもたれながら聞いてくる。


「まぁ、歴史館行って国を出る感じかな。一見さんの俺たちが不審な動きをするのは宜しくないし、何よりも買えそうな物が無い。」


 俺の意見にアルクも頷いた。


「そうだね。交易もあんまり盛んじゃないみたいだし、長居しても仕方が無いよ。」


 そうして俺たちは、城下街の外れにある歴史館へ向かった。敗北の無い防衛線の歴史はさぞかし痛快なものが有るのだろう。観光客の少ないこの国においても盛況な場所であるのなら、余程面白いものが見れるはずだ。




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