1話
誤字は教えていただけるとありがたいです
「この世のリア充なんて爆発してしまえ!!!」
...これが、リア充撲滅委員会委員(自称)の俺こと萩田 宏の某青い鳥での謳い文句である。
※リア充撲滅委員会とはリア充(リアルを充実している人=リア充)を憎み
リア充を滅するために作られた委員会であり、昨今では全国の非リア充達が
日々リア充撲滅のため精を出している。
かくなる俺もその1人であり日々、ネッ友の田中と佐藤と共にリア充撲滅の日々を送っている
はずだったのだ...
それは、寝る前にいつものリア充の旨の投稿をしてツタンカーメンもびっくりの寝相の良さで寝た日のことだ。眩しさを感じて目を開けると、そこには1面のお花...ではなく
原型が掴めないほどの大量のバケモンが俺に向かって近づいて来た。
「何これ!?気持ち悪っ、こっち来んな!しっ、しっ!」
そんなこと言っても、もちろんどっかに行ってくれる訳ではなく更にスピードを上げて
こっちに向かってきた。
所詮夢かなんかだろうし、追い払うだけ無駄か?
その考えに至った俺は、どかっと地面に座り込んでじっくりバケモンを見ることにした。
よくよく見ると一体一体顔?が違うな...あ、あのこ眉太い、こっちは、目がパチってしてる、そっちは...子連れか?いや、親子でとかちょっとしたお出かけのノリで人襲うなよ、
あっ、子供転けた...泣いちゃったな、お母さん?お父さん?オロオロしてんなぁ。
「オゲェェェ、ヴェッヴェッ」
え、あいつらあんな鳴き声すんの?余計気持ち悪いんだけど
でも困ってるみたいだしな...
しかたねぇな、気持ち悪さMAXだけど助けてやるか!俺は、バケモンの近くに行って、そっと手を差し伸べた。すると、子バケモンもおずおずと手みたいな何かを差し出してきた。言葉は伝わらなくとも心で分かり合えるんだな...
ジュッ
え?ジュッって音聞こえましたよ、今!?バッ、と子バケモンの手を振り払って自分の手を確認してみると、さっき触れられたところの部分が赤黒く変色していた。
そして、変色しているところから左腕一帯にかけて痺れるような感覚が襲ってきた。
やけにリアルだな...
あれ?左腕が動かねぇ!右手でつんつんしても、まるで初めからそこに無かったかのように左腕の感覚がない。
これ...まさかライトノベルとかでよくある「夢だと思ってたら実は異世界転移してました!」とかそういうやつじゃないか!?
こういう時って大抵俺TUEEEEってのが、王道だろう...
そして男のロマン!美人のハーレムの冒険者パーティ!
「お、お、俺の時代きたぁーーーーーーー!」
ふっ、すまんな...田中、佐藤。あの日の「俺らずっと非リアだよな条約」は
取り消させてもらう!!
異世界での新生活の空想を描いているとあっという間にゲテモノどもに囲まれていた。
これ、やばいんじゃないか?
俺は本能的に比較的ゲテモノが少ない地帯を走り抜けた。
すると頭の中から男のような女のような変な声が聞こえてきた。
これって、まさか異世界で右も左も分からない主人公をサポートする
某ガイド役のスキルなのか!?頼む、この状況から助けてくれ!
〈さぁ、ということで本格的に命の危機に陥り始めたため全速力で走り出しました萩田選手!おおっと、異世界転移ボーナスでしょうか?通常の数倍の速度で走っています中田選手!これなら世界も目指せるかもしれません!
だが、ゲテモノ達も黙っちゃいない!眼前に広がる青々とした草原を炭化
させながら進んでおります。そのスピードはただならぬものです!〉
勝手に実況始めてんじゃねーよ、こいつ絶対楽しんでやがる
ガイド役じゃねーだろ。じゃあ誰だ...?
〈失礼な!僕はれっきとしたガイド役さ!〉
あ、心の声伝わるの?なら、とにかく助けて欲しいのだが、
超的なスキルとか大魔法とかでさぁ
〈仕方ないな〜、君にここで死なれちゃ困るしね。ま、今から言う事やってみてよ。〉
ガイドさんに言われるがままに後ろを向きバケモンがいる場所を確認し、
まだ動く右手をかざして呪文を唱えれば、え、呪文?これが?
〈術者の想いとイメージが篭っていれば呪文なんてなんでもいいんだよ〉
そんなメタいこと言わなくても、もうちょっと俺に夢見させてもいいんじゃない?
紅く光る轟音とか、、、ガイドさん聞いてる?
〈君その年で中二病みたいなこと言うの結構きついよ?〉
はーい、辛辣な突っ込みドウモ。言えばいいんでしょ、まだ死にたくないし
それでは元の世界でのありったけの怨念を詰め込んで!せーの!
「リア充なんて、爆破しろー!」
その瞬間、眼前で大爆発が起こった。はは、暖か...熱いわ!
「ちょ、火の粉舞ってるから!あっつ!威力強すぎるわ!」
急いで俺はその場から離れて岩陰で轟々と燃える炎を眺めていた。
ったく...少し間違えれば俺まで丸焼きだぞ、ちょ、ガイドさん!
こんな危険な魔法初手で使わせるなよ。
いくら、異世界でお決まりだからってさあんまりだよ!
〈いやいや、危険もなにもそれ魔法の類としては火壁、
術者にもよるけどだいたい半径2~3mの敵を倒す呪文だよ?
三~四級魔法士が出すそこそこ位の魔法なのに...〉
え、じゃあこれってまさかテンプレのチートなんじゃ
〈呪文に関して、僕は冗談半分で言ったんだけど
君のリア充への恨みって相当なものだったんだね!〉
なんか悲しくなってきた
他の転移者みたいな強いスキルないのかな...普段の行動悪いとは思わないんだけどな
お母さん、生きていけるかどうかわかんないよ俺...
〈(なんか幼児化した!)〉
「あのさ、ガイドさん。普通さもっと使い勝手のいいチートを与えるべきだと
思うんだよ。」
〈うん〉
「でもさ、イメージだけだったらこの世界の人でもできるじゃん」
〈大丈夫、その理論はまだ出来てないからみんな厨二臭い呪文唱えてるよ〉
「それってつまり俺TUEEEEってなる?」
〈さっきの魔法の威力は準1級魔法士が出すレベルかな?うーん、
強い方だけど宮廷魔道士に比べたらまだまだだね〉
「そっかぁ、俺弱いのか」
〈でっ、でもまだステータスボードみてないじゃん!
もしかしたらなんか強いスキルあるかもしれないじゃん〉
「...そのステータスボードって今見れるの?」
〈普段は神殿や鑑定具を使わないといけないんだけど
今回だけだからね〉
ガイドさんがそう言った後目の前が長方形状に光った
そして、よく分からない文字が出てきたかと思えば少しずつ日本語に翻訳されていった。
翻訳前の文字がこの世界の文字だろうか?
どことなくアラビア語に似ているな...あれ英語、いやフランス語もある...
色んな国の言葉が混ざっているのか?
〈んー、それについては街に着いてから説明するよ〉
何かあるのか、と思っていたところで翻訳が完了したようだ
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ヒロ・ハギタ
24歳
Lv 25
生命力 50/155
魔力 20/302.8
耐久値 2/ 43
スキル
爆発魔法 Lv7
言語翻訳 Lv5
天使の啓示 Lv10
称号
哀れな転移者
天使と語らう者
...なんかすっごい微妙
なにこのなんとも言えないステータス
つか、ガイドさん天使だったのか...そんな軽薄でいいの?
〈うるさいなぁ、僕だって比較的高い地位にいるんだからね!〉
へー上から何番目くらい?
〈聞いて驚けよ...第869位さ!〉
まあまあ下じゃねえか
〈いやいや、4000柱の中の869だよ!?部下だっているんだよ〉
何人くらい?
〈さ、さんにん...〉
すまない、余計なこと聞いて悪かったな
〈勝手に同情しないでよ!〉
まあ、それは置いといてこの小数点は一体なんなんだ?
〈えっとそれはさ...〉