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BOX・FORCE  作者: hime
第2章:七魔編-七魔団vsBOX・FORCE-
76/82

[第35話:Solvere mysterium.Datum missionem.]


「…かなり前に1度しか聞いたことなくて忘れていたが、

俺の母方の家系は、"緋我家"だ。」


樫間のその衝撃の言葉が、獅蘭と樫間の2人を真実に近づけた。


「…おいおい、まさかそれって…。」


獅蘭は思わず、咥えていた煙草を落としてしまった。


「…俺の母親の元の名は、緋我 天(ひが そら)

そしてその妹に当たるのが、緋我 司乃(ひが しの)…。」


そこまで言うと、樫間は大きなため息をして続けた。


「…何故、これまで気が付かなかったのか…。

その2人にはもう1人、"姉弟(きょうだい)"がいる。



…彼の名は、(のぼる)

…初代第1部隊"リコリス"の隊長、緋我 昇(ひが のぼる)だ。」


樫間が2年前、戦場の狭間で出会い、窮地の樫間に力を与えた恩人。

そして、初代"第1部隊(リコリス)"隊長として、NAMELESSから世間を守って散っていった戦士。

その人物は、樫間自身の叔父であった。


「…なるほどな…漸く(ようやく)お前が置かれた状況と、これまでの経緯に対する動機が分かってきたような気がする…。

でも何故、だとしたら師匠はその事実を隠したまま、樫間を保護したりしたんだ…?」


獅蘭が解こうとした紐は、再び絡まった。

"茨木 鶴美"。彼の行動の真意は、2人にはまだ理解できていないようであった。


「…"悪魔の力"の元へ導いたのは、鶴美さんだ。

…だとしたら、パンダの裏で糸を引いているのは彼…。」


樫間がそう言おうとした時、獅蘭が遮るように言った。


「いや、それはあり得ない。」


獅蘭は強い口調でそう言うと、落とした煙草を踏み消した。

2、3回揉み潰すと、その火は完全に鎮火した。


「師匠の目的をハッキリ知っているわけではないが…

師匠が俺を"BOX・FORCE"に引き入れた時から、変わらずに言い続けていることがある。」


そう言うと、暫く椅子に座っていた獅蘭が初めて立ち上がった。

そして、天を見上げて言う。


「…『俺は、身内の敵討ちをせなあかん。

ただ、その為に表に立つことが出来んようになってしもた。

俺の代わりに、俺の目的に付き合ってくれへんか?獅蘭。』ってな。」


そして、獅蘭は樫間の顔を見て続けた。


「…2年もの間、その言葉の意味が俺には分からなかった。

ただ、初めて俺を必要として頼りにしてくれた師匠に応えたい一心で、俺は今ここにいる。

だから今日、お前に会って()()()を伝えたのは、"honey rabbits"の為ではない。

師匠の目的とお前の目的、それが一致している気がしたから、俺はお前を呼んだ。

…俺は、"|honey rabbitsうち"と協力しろとも"BOX・FORCE(あいつら)"と協力しろとも言わない。

俺が"honey rabbits"に協力したのは、"真実"に近づく為の手段に過ぎない。

うちのボスは蒼松 聡悟(あいつ)だ。

俺は俺で、ボスの指示に従いながらこの大きな問題の"真実"に辿り着いてみせる。

…師匠の為に…な。」


獅蘭はそう言うと、廃ビルを立ち去るために出口へ向かった。


「…明日、"|honey rabbits《俺たち》"も現場に行くだろう。

恐らく、"BOX・FORCE(あいつら)"も来る。

…但し、そんなことはどうでもいい。

"真実"にたどり着く為、俺は行動していることだけはお前には伝えておこう。

…また何かあれば、その時は言ってやるさ。」


そう言い残して、獅蘭は去っていった。



_



「…あいつに、自由にやらせてやってくれ。

俺たちは俺たちなりに、()()を止めようぜ。ボス。」


獅蘭は蒼松にそう言うと、耳元の通信機のボタンを押した。


「ジャック、蓮田。ここは"七魔団"と"BOX・FORCE"にやらせておけ。

…その代わり、|クリスティーナ・パンダ《奴》の姿を逃すなよ。」


『…OK。任せてヨ。』


『…了解。任務に集中します。』


2人の応答が、獅蘭と蒼松の耳元に届いた。





樫間は再び、クリスティーナ・パンダ目掛けて急降下した。


(…奴に"白黒境界アイアリーナ・ムンディ"を当てて、確実に仕留める…!)


樫間は右腕の白刀に"思い"を乗せて、パンダを狙って振りかぶった。


…しかし、その刀はパンダに当たることはなく防がれた。

パンダの左隣に構えていた男だ。

彼は銃を右手に持ちながら、左手に持つ"《《白い刀》》"で樫間の剣を防いだ。

樫間は複数いる同じ姿の人影の中で、《《彼》》だということを瞬時に察知した。


「…ちっ…いちいち邪魔すんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」


樫間の全身を、黒いオーラが包み込んだ。

そのオーラが推進力となり、樫間の押し込むパワーを後押しする。


「…ふっ…樫間 紘紀…。

()()の"最高実験台"にして"最高失敗作"がこれってことですね。」


その男はそう呟いた。

すると、男の頭上に"天使の輪"が現れる。


神秘的な高音が、()()と同時に辺りに響き渡った。

()()を引き金にするように、白いローブの人影たちの頭上にそれぞれ"天使の輪"が顕現した。

そして彼らの背中には、以前パンダが見せたものと同じ"天使の羽"も現れた。



「…ふっふっふっ…我々は"七天使(セブンス・ヘブン)"。

この地を統治する、"天使の力"を与えられた選ばれし"神"だ。」



_

七魔編-七魔団vs BOX・FORCE- ~終~

_

次回、七魔編後半戦

-七魔vs七天使-

開幕

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