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BOX・FORCE  作者: hime
第2章:七魔編-七魔団vsBOX・FORCE-
74/82

[第33話:Differentia in proposito]

_


一夜明け、再び"七魔団"はBOX・FORCE本部に集結した。


「…本当に、ここにやってくるのか…?」


チャンは、恐る恐る樫間にそう問いかけた。

というのも、樫間は団員たちが恐れを成す程の殺気を放っているからである。


「…ここに来ようが来なかろうが、それは問題ではない。

奴は必ず、今日その姿を現す。

この機会(チャンス)は逃してはいけない。」


"BOX・FORCE"の本部はというと、昨日の襲撃後に急速な応急措置が施されており、

激しい決壊を辛うじて免れている状態であった。

その技術力の高さは、非公式の組織から政府公認の特殊組織へと昇格した"BOX・FORCE"の

組織力の向上を象徴しているようでもあった。



…しかし、()()は一瞬にして粉々となった。



上空は、少し曇りがかってはいたものの

晴れ渡る空の青が広がっていた。

その()は、()()()()によって輝き方を変えてしまった。


その光と共に、8()()の人影が上空から降下してきた。

()()は真っ直ぐBOX・FORCE本部に落下して、その建物を瞬きの内に消し去ってしまった。



「…総員、準備はいいな?」


樫間がそう言った時には、七魔団全員戦闘態勢であった。

BOX・FORCE本部を破壊した爆風には、依然《《8つ》》の光が輝いている。


樫間はその光を捉えると、誰よりも先に爆風へと突っ込んだ。


「樫間っ!!」


堀崎の呼び声届かず、樫間の姿は爆風の中へと消えていった。

"悪魔"を纏った樫間の姿は、以前よりも"悪魔"に近づいていた。




爆煙が樫間の視界を遮る。

しかし、樫間は迷うことなく1点を睨みつけ、()()へ2つの剣を振った。


鈍い金属音が響き、その2つの剣は()()に阻まれた。

衝突に寄る衝撃波によって、辺りの煙が徐々に晴れていった。


「…よぉ、樫間 紘紀。」


樫間の"悪魔の双剣(アスモレウス)"を抑えていたのは、

白い輝きを纏って羽模様の装飾を施した、まるでかつての"青龍銃(ヴルムガン)"を彷彿とさせる"銃"であった。


()()を持っていたのは、クリスティーナ・パンダであった。

馴染のパンダの被り物に白衣姿が、樫間の前に立ちふさがる。


その姿が露見されると同時に、樫間は周囲に"7()()"の殺気を感じた。

樫間に向けてパンダと同じ銃を構えた白いローブの人影が7つ、樫間を囲っていた。


「…"七魔団"はもう終わりだ…。」


ローブの人影の内、パンダの左隣にいる人物がそう呟いた。

その声は、男の声であった。


「…貴様らは…。」


樫間は動揺を隠しながら、周囲を見渡しそう言った。


「…紹介しよう、樫間。彼らは"七天使(セブンス・ヘブン)"。

…そう。絶対支配の力を持つ彼らこそが、この退屈でふざけた世界を粛清する"神"となる存在なのだ。」


パンダはそう言うと、被り物で曇らせた声で高笑いした。


その瞬間、樫間を囲う7つの白いローブの集団を囲うように、

"七魔団"が現れた。


「…銃を下ろせ。従わなければその命はない。」


チャンがそう言った。"悪魔"の武器を構えた"七魔団"の面々は、殺気に溢れている。


「…面白い。やれるものなら見せてもらおうか。」


パンダの左隣にいる男が、チャンの発言を嘲笑うかのようにそう言った。

そして、銃を構えた右手とは逆の左手を高く掲げ、指を鳴らした。



無音の衝撃波が、"七魔団"を襲う。

その隙に乗じ、樫間はパンダとの距離をとって上空へと避難した。



「…何なんだ…今のは…。」


衝撃波によって吹き飛ばされ、団員たちは地面に這いつくばっていた。

道影は真っ先に起き上がると、自らを襲った謎の現象に焦りの表情を浮かべた。


すると…


「総員、一斉攻撃っっ!!目標は中心点にいる白いローブの集団だっ!」


聞き馴染みのある叫び声と共に、様々な色をした攻撃が9つ、

パンダを取り囲む白いローブの集団を襲った。


その光景を、上空に飛翔しながら見下ろす樫間の横に、

"箱装"の力で浮遊する蒼松が現れた。


「…樫間。ここは一旦情報収集に徹しよう。

彩科院隊長にもそれで話を通している。

…あの"7つ"の人影…あの正体を暴こう。」


蒼松はそう言って樫間を諭した。


「…忘れたのか?()にそれで失敗していることを…。

()()()とは違う。俺たち"悪魔"の力で奴を殺す。


…邪魔をするなっ!」


蒼松の策を聞き入れるどころか、瞬時に否定した樫間は、

再びパンダを狙って急降下した。


「…全く…。」


蒼松は呆れた顔で後頭部を掻きむしった。


「…まあ、彼があそこまで思い入れるのも無理はない。

何せ、彼の目的…クリスティーナ・パンダは、()()()()()()()()()()()()だからな。」


蒼松の元へ獅蘭が合流し、そう言った。



_



"七魔団"による、"BOX・FORCE本部"襲撃。

そしてクリスティーナ・パンダと樫間の戦闘の後、"七魔団"との共闘を持ちかけた蒼松。

しかし、樫間によってそれは拒否されてしまい、"七魔団"はその場を去った。



その夜、獅蘭は単独で樫間との接触を試みた。


かつて獅蘭が樫間を連れ出し、2人だけで語り合った場所。

その渋谷の廃ビルは、開発工事の為に防音シートで覆われてはいるものの、

建物自体は健在であった。



その屋上に、かつて獅蘭が愛用していた革製の椅子が乱雑に放置されていた。

その他に、机や瓦礫の数々が幾つかの山となっていた。


その椅子に腰掛けて、獅蘭は天を仰いだ。


「…マジで来るとは思ってなかったぜ。」


獅蘭はそう言って、愛用の煙草に火を灯した。

暗影から姿を現したのは、樫間であった。


「…"honey rabbits"との共闘の話なら、拒否したはずだ。」


そこに立つ樫間は、かつての戦友を見る目とは思えない程に獅蘭を睨みつけていた。

獅蘭は樫間の鋭い目つきをチラッと見て、天高く煙を吐いた。


「そうじゃねぇよ。」


獅蘭はそう言うと、再び煙草を口にした。


「お前に、話しておくことがある。

"honey rabbits"が掴んだ、大きな"根源"をな。」




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