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BOX・FORCE  作者: hime
第2章:七魔編-七魔団vsBOX・FORCE-
72/82

[第31話:"honey rabbits"formatio]




「…樫間…無事でよかった…。」


蒼松は、"七魔団"と"honey rabbits"の元へ歩いてくる樫間にそう言った。


「…蒼松…聡悟…。」


樫間は、依然蒼松を睨みながらそう呟いた。

"BOX・FORCE"に蒼松の姿がなかった事からも、樫間は蒼松は既に戦死しているものだと思っていた。


「…んだよ。別に俺たちは"BOX・FORCE"ではないんだぜ?そんな怖い顔して見なくても…。」


蒼松の目の前まで歩み寄った樫間は、あろうことか蒼松に"悪魔の双剣(アスモレウス)"の刃を向けた。


「…邪魔をするな。我々の計画が失敗すれば、多くの人間が危機に晒されるんだ…。」


樫間が蒼松に向けているものは、紛れもない"殺意"であった。

樫間から、鋭い視線を浴びながらも

蒼松は動揺していなかった。

そして、やれやれといった表情を見せて話し始めた。


「…はぁ。そうだな。

それは、俺たちも理解してるつもりだ。

だから俺は、このメンバーを集めてここに来た。」



_


"第2次NAMELESS大戦"が収束して約1ヶ月後。


蒼松は長い眠りから覚めると、全身にたくさんの管が繋がれた状態で、ベッドに横になっていた。


「…ここは…。」


すると、看護師らしき女性が

蒼松の目覚めに気がついて、病室に入って来た。


その女性は、長い髪を綺麗に纏め上げており

その見た目からも良くて20代前半、或いは30代だとしても30代前半程の綺麗な女性であった。

胸元の名札には、"緋我(ひが)"と書かれていた。


「…蒼松…聡悟くん…?」


"緋我"という名札を付けた女性は、蒼松を見るとそう呟いた。


「…はい。そうです。

あなたは…。」


蒼松は、ハッキリとした口調でそう答えた。


「…私はこの病院で看護師をしてる、茨木 司乃(いばらき しの)といいます。

()()()()()()()()()()()()()と、()()()から頼まれて、あなたを看護させてもらってます。」


看護師はそう答えた。

"茨木"という姓を名乗ったことに、蒼松は不思議そうな顔をした。

その看護師は、そんな蒼松の顔に気がつくと

すぐにその答えを述べた。


「…ああ。"緋我"は旧姓なんです。

今は結婚して、"茨木"という姓になってます。

この名札、もう10年近く変えてないんですが…。」


"緋我"という姓を、蒼松は聞き覚えがあった。

しかしそれが誰なのか、思い出したのは"honey rabbits"を結成した時であった。



1週間程、蒼松は病院のベッドから動く事が出来ずにいた。

その間、蒼松の身の回りの世話等は茨木看護師が全て担っていた。


"BOX・FORCE"はどうなったのか。"ラスコ・ローム"は本当にあれで消滅したのか。仲間達の安否は…。


蒼松の脳内は、常にそのような事が駆け巡っていた。

そんなある日…。



ガラッ…



病室の扉が開いた。

茨木看護師が来るにはいつもより早い時間だし、この時間の医師の検査はないはずだ。

蒼松の警戒心は極限まで高められたが、蒼松の目に入ったのは、茨木看護師の姿であった。


「…蒼松さん。突然すみません。

先生から、面会の許可が出ましたので。

あなたに会いたいと仰る方がいらっしゃってます。」


蒼松は、警戒の目線で茨木看護師を見た。


(…誰だ?俺に会いたいと言ってくるやつ…洸?愛花?いや…それとも矢島さん…?)


しかしそれは、蒼松の予想を大きく裏切った。

病室のドアから入ってきたのは、背の低い人物であった。

その人物は、水色の髪を揺らしながらその大きな目で蒼松を見ていた。


「やァ。元気してタ?」


その人物は、ジャッキー・小秋・マイケルであった。

蒼松の警戒は解かれ、彼は呆れた表情でジャッキーを見た。


「…なんだよ…。って、何故俺がここにいる事が?」


蒼松は、ジャッキーがどのようにして自分の元を訪ねられたのかを問いた。


「…()()()、から連絡を貰ってネ。

その人の指示に従ったら、ここに辿り着いたって訳サ。」


「…()()()…?」


蒼松は疑問の意を示した。

ジャッキーの言う()()()とは何者なのか…。


「…君も知ってる人だヨ。

茨木 鶴実(いばらき つるみ)。初代"第3部隊(ローズ)"の隊長サ。」


ジャッキーがその名を口にした時、蒼松の中で点となっていたものが、少しずつ繋がっていく感覚を覚えた。


「…もしかして、俺を診てくれているのは…。」


「そう。彼のお兄さんの茨木 冴桐(いばらき さぎり)よ。私の旦那なの。」


そう言ったのは、ジャッキーではなく茨木看護師であった。

彼女は、看護帽を外すとポケットに仕舞い、結んであった髪を優雅に解いた。


「…鶴ちゃんから久々に連絡を貰ったと思ったら、急に"青髪に右眼が義眼の男を保護してくれ"ってだけ言われてね。

そしたら、さっちゃん…旦那さんが君を発見して、ここで私の管理の元、保護してたって感じね。」


茨木看護師は、"BOX・FORCE"の人間ではない筈であったが、蒼松たちの事や"BOX・FORCE"に起こった全ての事を知っている様子であった。


"BOX・FORCE"の隊員は、それまで非公認組織という事もあり、他者は愚か関係していない家族にでさえ、組織の事を口外する事を禁じられていた。


その中で、"箱装"による通常では考えられないような怪我を負っている蒼松を、茨木夫妻は何故救出したのか…。

例えそれが、家族である鶴実の要請であったとしても、何かしらの疑問を抱く筈だ。


蒼松の脳内で、繋がる線もあれば矛盾する点も存在し、彼の頭は少し混乱していた。




こうして、無事日常生活を送れる迄に回復した蒼松は、ジャッキーと行動を共にする事とした。


「…"BOX・FORCE(あの組織)"には、何か隠された大きな闇を感じル。

どうダ?蒼松。僕と一緒に、組織の謎を調査しないカ?」


ジャッキーにそう言われ、兼ねてから組織に対する疑問を抱いていた蒼松は、二つ返事で了承した。


そこに、心強い新たな仲間が加わる。



「久しい顔ぶれだな。」


黄髪に毛先が赤く染められた髪を靡かせながら、そう言って現れたのは、

獅蘭 継斗(しらん つぐと)であった。





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