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BOX・FORCE  作者: hime
第2章:七魔編-七魔団vsBOX・FORCE-
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[第21話:Diaboli et tigris]


_


「…来たわね…。かっしぃぃぃぃぃ!!!!!」


落雷のような轟きでそう叫んだのは、迅雷寺であった。

その手には、"雷虎徹(らいこてつ)"がしっかり握られていた。



すると、迅雷寺に向かって突撃する樫間目掛けて、別方向から黒い矢が向かってきた。


「…間に合えよ…"賦獄火愚槌(ふごくかぐつち)"っ!!!」


攻撃の主は、リズである。

迅雷寺に向かって突撃する樫間を、少し離れたビルの非常階段の踊り場から狙っていたのだ。


しかし、リズの攻撃は樫間にあっさり避けられてしまった。


「…リズか…。」


樫間の視線が、一瞬リズに向けられた。

リズに緊張感が走る。


(…あぁ…分かってるぜ…樫間。お前のその目…俺の全てを、見透かしたような…その目。)


リズは、そう感じながらも

戦いを諦めている様子は一切なかった。


そうして、樫間の2つの刃は迅雷寺の"雷虎徹"の刃と激突した。

樫間の攻撃を迅雷寺は必死に受け止めるも、その威力を耐えるのには限界があるようだった。

迅雷寺の体が少し後退している。


「…やっぱり、私のところにはかっしーが来ると思ってたよ…。」


迅雷寺は、樫間の目を見てそう言った。


「…ほぅ。俺たちの動きを読んでた、と。そう言いたいのか?」


樫間の口調は、"第1部隊(リコリス)"で共にしていた時の()()ではなかった。

それはかつて、樫間が()に向けていたものと同じであった。


「…あなたの元にいたからね…。分からない私ではないわ。」


迅雷寺は、どうにか意思だけでも負けてないところを見せようと、冷静にそう言った。




(…今のうちに…芙美ちゃんと、もう1人を…。)


リズは、迅雷寺に樫間を任せて

古織と共に、樫間の姿を追う東雲を狙おうとした。



しかし…



「…くっ…!」


迅雷寺は、激しい衝撃波に吹き飛ばされた。

そして、樫間の姿はと言うと…


「…ちっ…。」


リズは違和感に気づき、舌打ちをした。

彼が動こうと一歩踏み出したところで、その動きは完全に停止してしまった。

そのリズの右肩に、黒い刃が突き刺さる…。


「…逃さねぇよ。」


リズの背後には、樫間の姿があった。

その右手に握る"悪魔の双剣(アスモレウス)"の黒刀は、リズの背後から彼の右肩を貫いていた。


「…俺の動きもお見通し…って、そりゃそうだよな…。」


リズの右肩からは血が流れ落ちた。

そして、彼の右手からは"矢多鴉(ヤタガラス)"が落ちた。


「…芙美華(ふみか)っっ!!!」


迅雷寺がそう叫んだ。

それを合図に、古織は東雲に向かって襲いかかった。


「…初めまして。そして、さようなら。」


古織の手には、"箱装(ボックス・アーマー)"のようなものがあった。


「…おいで、"鮫破舵(サメハダ)"。」


古織がそう呟くと、その手には無数に棘が巡らされた《《棍棒》》が現れた。


「…"痕鮫撃(こんこうげき)"っ!」


()()()()()のオーラに包まれた()()を、古織は東雲に向かって振り下ろした。




「…行かねぇ…のか?」


古織と東雲が衝突した様子を見ながら、リズは絞り出した声で樫間に言った。

樫間は鼻で笑って、その問いに答えた。


「…必要ないね。」


その樫間の答えと共に、衝撃波と衝突音が響き渡った。



古織の"鮫破舵"の攻撃を、東雲は左腕の"悪魔の旋棍(ルシファー)"で防いだ。


「…何っ!!」


古織が自身の攻撃を腕一本で防がれたことに驚愕していると、

東雲の"悪魔の旋棍"から暗黒のオーラが溢れ出てきた。

それと共に、古織は徐々に東雲から引き剥がされていく。


「…私の"悪魔の旋棍"ちゃん、気に入ってくれた?」


東雲はそう言うと、一気に左腕を振り払った。

それにより、古織が勢いよく吹き飛ばされていった。



「…何よ…、あれ…。」


一連の様子に、迅雷寺は驚愕していた。

目の前にいる、かつての隊長の変わり果てた姿とその見たことのない力に…。






「…じゃあな。」


樫間はそう呟くと、リズの右肩に刺さる黒刀を勢いよく引き抜いた。


「…うっ…。」


リズは、右肩を押さえながらその場に蹲った。

その姿を横目に、樫間は一瞬で東雲の元に向かった。


樫間は、東雲の背後に背中合わせになるように位置付き、彼女にそっと耳打ちをした。


「…1人潰した。残りは目の前の2人。

迅雷寺は俺が相手する。もう1人は頼んだ。」


東雲は、樫間の言葉を聞くと笑みを浮かべた。


「私はいつでも、()()()()()()()()()()()、よ。」




迅雷寺が、右耳に取り付けた通信機に向かって叫んだ。


「…芙美華っ!無事なの?芙美華っ!!」


すると、突風と共にその通信機は跡形もなく消えてなくなった。

迅雷寺の目の前には、彼女の頭のすぐ右横に向かって白刀を突き出した樫間の姿があった。


「…大人しく、諦めたらどうだ?」


樫間の目とその言葉には、殺意が溢れていた。

その全身は、先程の東雲とは似て非なる程の黒いオーラに包まれていた。


「…諦めたら、どうしてくれるの?」


迅雷寺は諦めを感じたのか、俯いてそう呟いた。


「…お前達を潰し、本部を攻める。」


樫間ははっきりとそう答えた。


「…どのみち、私達は助からないってことね。」


迅雷寺はそう呟いた瞬間、樫間に向かって突撃した。

樫間は咄嗟に身を引き避けようとするも、不意の攻撃に体勢を崩した。


「…"桂流、十の舞…雷迅(らいじん)"っっ!!!」


樫間に突撃した体勢のまま、迅雷寺は両手でしっかりと"雷虎徹"を握りしめて樫間に攻撃を仕掛けた。

迅雷寺は顔を上げ、樫間の姿をしっかりと睨みつけた。

その目には、もう慈悲心などはなく…。




「…紘紀くんが、私の運命を変えてくれた。

だから、今度は私が紘紀くんの運命を導く為に。」


古織を引き剥がしたことで、一瞬の静寂が生まれた東雲は、そう呟いた。

しかし再び、"鮫破舵"を振りかぶった古織が東雲の前に現れた。


「…"咬鮫撃(こうこうげき)"っ!」


攻撃を仕掛ける古織の姿を見て、東雲の表情が変わった。




「…邪魔するなら、容赦しないから。」





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