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BOX・FORCE  作者: hime
第1章NAMELESS編-新宿戦-前編
35/82

[第35話: L-Albiflora]


「…影虎ぁぁぁぁ!!!!」


NAMELESSの砲弾は、真っ直ぐ迅雷寺の胸を貫いた。

一瞬の出来事に、誰もがただ呆然と見つめるだけであった。


「…ぐはっ…!!」


迅雷寺は瀕死の状態にあったが、最期の力を振り絞って耳元の通信機に手をかけた。


「……後は…頼む…娘を…椎菜を…。」


迅雷寺はそう呟くと、彼は地面に落下した。

その瞬間、益富は迅雷寺に砲弾を放ったNAMELESSに突っ込んでいた。


「…拳護っ!!!まずいっ!冷静になれっ!!」


緋我は入り乱れる想いを抑えながら、必死に暴走する益富を呼び止めようとした。

しかし、その声は益富には届かない…。


「…"炎焉華月(えんえんかげつ)"っ!!!」


益富の右拳は、辺り一帯が感じとれるほど熱い炎を帯びながらNAMELESSに振り放たれた。

その益富に対し、NAMELESSは容赦なく右腕のガトリングガンを放った。


「…拳護ぉぉぉぉぉぉっ!!!」


緋我の叫びも届かぬまま、益富は避けることなく瞬く間に弾丸の雨に撃たれた。

かろうじて益富が、弾丸の雨に撃たれる直前に放った炎の拳を、

NAMELESSは嘲笑うように避けてみせた。

被弾して力尽きながら落下する益富の身体を、緋我が受け止めた。


「…すまねぇ…昇ちゃん…。」


緋我の腕の中で、益富はか細い声でそう言い息絶えた。

緋我の腕は、益富の血で真っ赤に染まっていた。


「…バカヤロウ…拳護も…影虎も…。」


緋我は、大粒の涙を零した。

緋我がふと顔を上げると、NAMELESSは左腕のランチャー砲にエネルギーを溜めていた。


「…まずいっ…。」


緋我が気がついた時には既に遅く、緋我の身体は硬直した。


「…昇ちゃんっ!!!」


益富は力一杯、緋我を突き飛ばした。

その瞬間、益富の身体をランチャー砲弾が包む…。


「拳護ぉぉぉぉぉぉっ!!!!」


緋我は直様立ち直り、"青龍銃"を構えた。

その顔は、俯いたまま…。


「…るさねぇ…絶対に許さねぇ!!!!」


辺りの空気が、一瞬にして冷え始める。

緋我の身体を、氷の龍の鎧が纏うと彼は姿を消した。


次の瞬間、NAMELESSの背後に現れた緋我は、

真っ直ぐ銃口をNAMELESSに向けた。


「…消えろぉぉぉぉぉぉっ!!!

"氷崩雪龍弾アヴァランチドラヴルム"っ!」


緋我の放った弾丸は、巨大な氷龍の姿になり

その周囲を、蹴散らす勢いでNAMELESSに向かった。

NAMELESSは、緋我の弾丸に向かってガトリングガンを放った。

しかし、緋我の弾丸はその勢いが劣ることはなくNAMELESSを襲撃する。


緋我は、休む事なく次の攻撃を仕掛けた。


「"氷龍爆暴弾(アストロドラゴガン)"…っ!!!」


NAMELESSは、緋我の弾丸を防ぎきれなかった。

爆発音と共に辺りを黒煙が覆う。


「…許さねぇ…。」


緋我の身体は、徐々に氷龍の鎧に包まれていった。

その姿は、まさに"龍"…。


「"龍皇氷鐡弾ドラヴルムヘイルランチャー"っ!!!」


NAMELESSを覆う黒煙目掛けて、氷龍の弾丸が無数に放たれた。


「…まだまだぁぁぁぁっ!!!!

"極凍龍閃弾クライオジェニックドラヴルム"っっっっ!!!」


辺りの空気が一瞬にして凍りつき、無数の礫が黒煙覆うNAMELESSに襲いかかった。


「…俺の…仲間を…、」


そう呟く緋我の手は、"青龍銃"を強く、壊れるくらいに強く握っている。


「…影虎を……拳護を……、」


緋我は、激しく口を噛み締めながら

その瞳に涙を浮かべた。


「…NAMELESS…

てめぇら1匹残らず…ぶっ潰すっっ!!!!!!!!」


上空は黒雲が立ち込め、次第に激しい雷音が轟いた。


緋我は全身で呼吸し、冷気を最大限放出しながら、その身を包む鎧を固めている。


「…これが…俺の…全てだっ!!!!!」


緋我の叫び声が、辺り一面を揺らすほど響き渡った。

それは人の叫び声とは思えない程に、轟いていた。



そして、一瞬の静寂の後…


「"|氷龍装:吹雪双皇龍《ひょうりゅうそう:スノードラヴルム》"…」


緋我はそう呟くと、全身に冷気のオーラを纏った。



しかし…


「…うっ…。」


緋我の呻き声と共に、その力は徐々に弱まっていく…。

緋我の身体に震えが現れた。"箱装"を扱う代償なのか、明らかにその様子はおかしい。

そして遂には、緋我の目から赤い雫が滴り落ちた。


「…ここまで…だと…。」


すると、緋我の目の前に現れたのは、

右腕のガトリングガンを構えたNAMELESS…。



無数の弾丸が放たれる音が響き渡った。




『…オワリダ…。』


NAMELESSの声なのか、呟く声が静かに聞こえると、NAMELESSはその姿を消した。


残されたのは、争いの傷跡が残る街並みと

全身に弾丸の痕を残した緋我の姿だけであった…。


「……なんとしても…この力…引き継がなければ……。」


緋我の身体は、青白いオーラに包まれた。


「……後は…頼む…樫間…紘…紀…。…俺の…」


戦場には少し冷たい風が吹いていた…。




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