[第27話:Streptcarpus]
[第27話:Streptcarpus]
ラスコ・ロームに向かって、蒼松、矢島、蓮田、スミレの4人は飛び出した。
「…こいつの力は限界不明だ…皆、慎重に…。」
蒼松が様子を伺いながら、自身の持つ大剣"白愉兎"を構えて言った。
しかし、それと同時にラスコ・ローム目掛けて、矢島が"猪突槍"を振り下ろした。
「…んな悠長な事言ってられっかっ!!"ボア・ストーン"っ!!」
透き通る水色のオーラを纏った"猪突槍"は、ラスコ・ロームの頭上に強烈な一撃を加えた。
しかし、ラスコ・ロームはピクリともせず、大きな右腕を頭上に振り上げた。
その隙に、今度はスミレがラスコ・ロームの右胴体に攻撃を仕掛けた。
「…喰らえっ!"キャッツ・テイル"っ!」
スミレの持つ、ヌンチャク状の武器"猫乃牙"が、赤い焔のようなオーラを纏ってラスコ・ロームに襲いかかった。
しかし、またもその攻撃はラスコ・ロームには効いていない。
『ムダダァ…ソンナモノ、キカヌッ!!!』
ラスコ・ロームは、両腕を大きく振り払って矢島とスミレを吹き飛ばした。
「なっ…!」
「くそっ!!」
2人はかろうじて受け身の体勢を取った。
その背後から、蒼松が"白愉兎"を構えて飛び出した。
「…"極楽斬"っ!!」
蒼松は、蒼白い水のようなオーラを纏った"白愉兎"を振り、ラスコ・ロームに無数の斬撃を放った。
ラスコ・ロームの胴体に、蒼松の斬撃が襲い掛かる。
「…続けっ!」
蒼松は、後続の蓮田、矢島、スミレに向かってそう叫んだ。
「…あいよっ!!"蜂火"っ!!」
蓮田はロケット花火型の武器をを繰り出し、ラスコ・ロームに撃ち放った。
激しい閃光と共に、ラスコ・ロームの周囲を花火が襲いかかる。
「…やるねぇ。んじゃこっちはっ…!!」
矢島はそう言うと、"猪突槍"を持ち替え腕を大きく広げて、槍投げの体勢に入った。
「…"ボア・スクリュー"っ!!」
"猪突槍"は、激しい蒼白のオーラを纏った。
矢島が大きく腕を振り、"猪突槍"を投げる。
「…負けないっ!"キャッツ・オンスラッシュ"っ!」
スミレは、"猫乃牙"を激しく振り回した。
すると、赤く光るオーラが次第に強く纏わっていく。
そのオーラは無数の猫の形となり、ラスコ・ロームを襲った。
4人の激しい攻撃により、ラスコ・ロームを爆風が包み込む。
「…やったか…?」
蓮田は爆風を見つめ、そう言った。
「…まさか。このくらいで折れるような相手じゃないだろ。」
蒼松は冷静にそう言うと、"白愉兎"を後ろに振りかぶって、攻撃態勢に入った。
「…どっちが先に折れるか…やってやろうじゃん?」
"白愉兎"は、水のようなオーラを纏って巨大な渦を発生させた。
蒼松はニヤリと笑みを浮かべると、ラスコ・ロームの爆風目掛けて振り下ろした。
「"大楽斬"っ!!」
ラスコ・ロームを覆っていた爆風は、蒼松の攻撃により一気に晴れ渡った。
ラスコ・ロームは、蒼松の攻撃を右腕で最も簡単に抑える。
その姿は、先程猛攻を食らったとは思えないほど無傷であった。
「…あれだけの攻撃を受けて、無傷っ!?」
スミレは、驚いたようにラスコ・ロームを見た。
「…そりゃそうだろ。相手は"四神"と呼ばれる程だ。これくらいでくたばってもらっては面白くない。」
蒼松は、自身の攻撃を塞がれたにも関わらず、冷静に相手を見ていた。
「…逆に考えてみなって。こいつは"四神"と呼ばれる程だ。こいつを倒す事さえできれば、俺らに敵はいない…!」
蒼松はそう言うと、右眼の眼帯に手をかけた。
「…蒼松っ!何を…!?」
矢島が驚いたように蒼松を見て叫んだ。
「…由梨さん…頼んだよ。"蒼白百合:発動"っ!!」
蒼松は、右眼の眼帯を思い切り外して叫んだ。
その瞳は、透き通った蒼色の光を放ち、真っ直ぐにラスコ・ロームを見た。
『イマサラ、コザイクナド、ムヨウッ…!?』
ラスコ・ロームは右腕を伸ばし、蒼松を捕らえようとした。
しかし、その腕は蒼松を掴む寸前で動きが止まった。
「…"| 白兎装:大愉回天《はくとそう:アクセルステップ》"っ!」
蒼松は、"白愉兎"を目にも止まらぬ速さで振り回し、ラスコ・ロームの右腕から全身に細やかに斬撃を打ち込んだ。
ラスコ・ロームは、鼓膜が裂けそうなほどの呻き声をあげた。
『…ヨクモ…ダガ…ワタシノチカラハ…コンナモノデハ…。』
すると、ラスコ・ロームの背中に大きな瘤がたくさん浮き始めた。
『…ロームッ!!…アバレルワヨォォォォォォッ!!!!!』
その瘤が膨れ上がると、黒い血飛沫のようなものを吹き出し、そこから腕のような黒いモノが生え始めた。
『…テキーラノ"解放"ノチカラト…ロームノ"支配"ノチカラ…。ムジュンシタフタツノチカラコソ、"ラスコ・ローム"ノ'シン'ノチカラヨッ!!!』
左右合計6本の腕と、大きな黒い翼、そして2本の前足と2本の後ろ足を生やした"それ"は、もはや「化け物」と化していた。
「…おいおい、ジョークだろ…?」
蓮田は拍子抜けした声を出して、"ラスコ・ローム"を見た。
『ヴォォォォォォォォォォォォォォォァァァァァァァァァァァァッッッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎』
ビルの窓ガラスが割れるほどの叫び声で、ラスコ・ロームは吠えた。
「…さぁて、どうしてやろうかなぁぁぁ!!」
蒼松はそう叫ぶと、豹変したラスコ・ローム目掛けて一閃に向かった。
「…なっ!…無茶なっ!!!」
矢島がそう言うと、隣に並ぶ蓮田が呟いた。
「…あの顔…何か策があるのか…?」
向いくる蒼松目掛けて、6本の腕が襲いかかった。
蒼松はその全てを、流れるように掻い潜り、ラスコ・ロームの腹部付近にたどり着いた。
「…3人とも、奴に一斉攻撃準備っ!!」
蒼松は、矢島たちに向かってそう叫んだ。
「…蓮田、俺たちの常識の範囲内で、"蒼松聡悟"という男は生きていないのかもしれないな…。」
矢島は蓮田にそう言うと、"猪突槍"を構えた。
「OKっ!!いつでも行けるぜっ!!」
矢島がそう叫ぶと、蓮田とスミレも攻撃体勢に入った。
蒼松は、3人の動きを確認すると、蒼白いオーラを右腕に纏った。
「" 大旋回武芸"っっ!!」
蒼松は、右腕をラスコ・ロームの腹部に振り上げ、その巨大な胴体を空中に殴り飛ばした。
「…さあ、"ショータイム"だっ!!」




