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BOX・FORCE  作者: hime
第1章:NAMELESS編-渋谷戦-
25/82

[第25話:Alder]

[第25話:Alder]




「…生きてたのか…てっきりラスコに潰されてると思ってたが…。」


ウルセウスはゆっくり立ち上がると、目の前に立つ1人の男を見てそう言った。


「はぁ?死ぬわけねぇだろ。あんなもん。あいつも、今頃蒼松さん達にやられてぶっ殺されてるわ。」


ウルセウスの正面に堂々と立っていたのは、所々に手当ての跡が残る獅蘭だった。


「…そうか。」


そう言うと、ウルセウスは全身にドス黒いオーラを纏った。


「…貴様の戦闘データはラスコから聞いている。貴様は勝てない。ここで殺して消してやろう。」


ウルセウスのオーラが激しくなる。

すると、獅蘭は大声で笑った。


「俺の情報を全部持ってる?あっそ。だから何だ?俺に勝てるのか?俺は完全体じゃねーぞ。俺は戦いの中で成長する。今までも、そして、これからも。それでも俺に勝てるってならこいよ。全力で、てめぇをぶっ殺す。」


獅蘭は、"永猿棒(モンキーマジック)"を構えて、そう言い放った。


「…面白い…そうでなくてはな!!!」


ウルセウスは、正面から獅蘭に突っ込んだ。


「"億壁門(おくへきもん)"っ!!」


獅蘭は、ウルセウスに向かってオレンジ色のシールドを展開した。


「"フルソニック:アブソリュート"」


ウルセウスは、真っ黒なオーラが溢れ出す右腕を、シールドに向かって突き出した。


「…お前のデータに、こんなのあったか?」


そう言うと、獅蘭は"永猿棒"をシールドに向かって突き刺した。


「"万突門(ばんとつもん)"っ!!」


"永猿棒"はシールドを突き破り、ウルセウスの右肩目掛けて突き伸びた。


「…ほぅ…。」


"永猿棒"は確かにウルセウスの右肩を捉えたが、ウルセウスは余裕の表情で受け止めた。

ウルセウスは、右肩に当たる"永猿棒"を左手で力強く掴むと、力の限り引き寄せた。


「…終わりにしよう…"オーガソニック"っ!」


ウルセウスに、"永猿棒"ごと引き寄せられる獅蘭目掛けて、ウルセウスの右腕が、恐ろしい程の黒いオーラに包まれて放たれた。


その時、ウルセウスの周囲を3つの影が囲んでいた。


「…なめんなぁ!"フルフランベ"っ!」


「…"氷豹凍結拳(ひょうひょうとうけつけん)"っ!」


「…"焔凰(えんおう)"っ!!」


ウルセウスに吹き飛ばされたはずの沫梨、チャン、白峰が、ウルセウスを包囲するように攻撃を仕掛けた。


「…どいつもこいつも…」


ウルセウスは、手に掴んでいる"永猿棒"を軸に逆立ちして攻撃を避けた。


「…かかったな…行けっ!獅蘭っ!!」


ウルセウスに攻撃を避けられるも、チャンはそう叫んだ。

すると、"永猿棒"は急激に縮んだ。その勢いに乗せて、獅蘭はウルセウス目掛けて思いっきり拳を振るった。


「"斉天大聖:猿天拳(せいてんたいせい:えんてんけん)"っ!!」


獅蘭の拳は、真っ直ぐウルセウスの顔面を捉えた。

鈍い音がスクランブル交差点に響き渡る。


「…やったか…!」


4人は、吹き飛ばされたウルセウスの方向を見た。


するとそこにウルセウスの姿はなく、辺りはちょっとした隕石が落ちたかのように崩壊していた。


「…甘いんだよ。全く。」


その瞬間、巨大な衝撃波が襲いかかった。


「…何っ…!」


獅蘭がそう呟くと、沫梨が瞬く間に黒いオーラに包まれて、交差点のビルの一角に吹き飛ばされた。


「沫梨っ!!」


獅蘭がそう叫ぶと、今度はチャンが黒いオーラに包まれ、吹き飛ばされた。


「チャンっ!!」


一瞬にして沫梨とチャンの姿は消え、獅蘭の目の前には、残された白峰が立っていた。


「…やれやれ。本当に目障りだよ。」


ウルセウスは、2人の正面に現れると気怠そうにムクッと姿勢を正した。


「…貴様らのような弱くて価値のない人間は、世界を支配するに相応しくない。…我々が、貴様ら人間を排除し、新たな世界を作るっ!」


ウルセウスがそう言うと、ウルセウスの右頬に炎を纏った拳が襲いかかった。


「…その腐った価値観、叩き直してやるから覚悟しやがれっ!」


そう言うと、左拳を振り払った白峰が、ウルセウスを鋭い視線で睨みつけた。


「どいつもこいつも、めんどくせぇ野郎だぜ!」


ウルセウスは直様立ち上がり、白峰に襲いかかった。

その攻撃を、間一髪で獅蘭が食い止める。


「…ギャンギャンうるせぇよカスが。ぶっ潰すぞゴミがぁ!」


獅蘭はウルセウスに向かって咆哮した。


獅蘭、白峰とウルセウスが、スクランブル交差点で静かに鋭く睨み合った…。


「おもしろい。そうでなくてはなぁぁ!!」


真っ向から突っ込むウルセウスに対し、獅蘭は体制を構えた。

白峰は低くぐんとしゃがむと、低空飛行で向かいくるウルセウスに突っ込んだ。


「"昇炎(しょうえん)"っ!!」


白峰は、ウルセウス目掛けて、炎の拳を振り上げた。


「…甘い、甘すぎるっ!」


ウルセウスは、勢いそのまま横に回転して白峰の攻撃を避けた。


「…甘いのは、テメェだぁ!」


その叫び声と共に、上空から"永猿棒"がウルセウス目掛けて振り下ろされた。


「グハッ…」


ウルセウスは、"永猿棒"によって思いっきり地面に叩きつけられた。


「…"ソニックアーム:フル"っ!!」


ウルセウスがそう叫ぶと、ウルセウスの全身から、どす黒いオーラが溢れ出した。


そのオーラは、みるみるうちにウルセウスの全身に纏わりついた。

ウルセウスは、鋼鉄のような黒い鎧を、全身に纏った。


「…ブッツブス…」


そう囁くと、ウルセウスは覇気を放ち、"永猿棒"を振り払った。


「…なんだよあいつ…バケモンじゃねぇか…」


獅蘭は、ウルセウスの姿を見てそう言った。


「…まあ、あれぐらいの方が、殺り(やり)甲斐がありますね…」


白峰は、そういうと両拳を構えた。


静寂な夜の風が、渋谷スクランブル交差点に立つ、3人の横を過ぎ去った…。





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