表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BOX・FORCE  作者: hime
第1章NAMELESS編-池袋戦-
22/82

[第22話:Columbine]

[第22話:Columbine]




池袋。第4部隊改によるヴァリアル戦。


彩科院、桂、迅雷寺、菊野の4人の刀を、ヴァリアルは同時に全て受け止めた。


ヴァリアルは、両腕にそれぞれと、背中から生えた、2本の腕のような黒いオーラにそれぞれ形も長さも違う刀を4本持っていた。


「…1度散れっ!」


彩科院の合図と共に、4人はヴァリアルから離れた。


「桂と迅雷寺、俺と菊野で交互に攻撃を仕掛ける。攻撃を止めるな。奴に手出しをさせず、隙を見て決定打を決める。」


彩科院がそう指示すると、桂と迅雷寺は刀を構えた。


「いくぞ、椎菜。」


桂は、鋭い視線でヴァリアルを睨みそう言った。


「了解っ!」


迅雷寺も、ヴァリアルを睨み返事をした。


「"桂流十三の舞、疾風破神(しっぷうはじん)"っ!」


「行くよ"雷虎徹(らいこてつ)"っ!"十の舞、乱覇滅空(らんぱめっくう)"っ!」


桂は、自身から放たれる薄緑色のオーラを、竜巻のように"陽羊刀(ようようとう)"に纏いながら、ヴァリアルに向かって飛んだ。

迅雷寺も、激しい雷のような黄色のオーラを"雷虎徹"に纏い、ヴァリアルに向かった。


「…バァカかテメェらは。んなもん俺に効くわけねぇだろっ!」


ヴァリアルは、背中の2本の腕のような黒いオーラを、真ん中で1つに合わせると、向かい来る2人の剣士目掛けて振り下ろした。


激しく刃はぶつかり合うと、火花を散らした。


「引けっ!桂ぁ!迅雷寺ぃ!」


彩科院がそう叫ぶと、桂と迅雷寺はヴァリアルから離れた。

入れ替えに、彩科院と菊野がヴァリアル目掛けて突っ込んだ。


「"フレイムホース"っ!!」


「"菊野流陸の咲、菊空陣(きっくうじん)"っ!」


彩科院は、"裁馬刀(シェバーエピー)"に炎の様な真っ赤なオーラを纏い、ヴァリアルに切り掛かった。

菊野は、"犬刺郎(けんしろう)"にエメラルド色のオーラを纏いながら、複数回ヴァリアルに刃を振るった。


「小賢しいっ!!」


ヴァリアルはまたも、背中の2本の黒いオーラの持つ刀で、それを受け止めた。


「何度やっても同じなんだよっ!!諦めろっ!!」


ヴァリアルを纏う、黒いオーラは更に覇気を増した。


「引くぞっ!菊野っ!」


彩科院がそう言うと、菊野は攻撃を止め、ヴァリアルから引いた。


「"七の舞、粒星獅子(りゅうせいしし)"っ!」


「"十一の舞、威鬼妖踊(いきようよう)"っ!」


「"オーバーフレアホース"っっ!!」


「"参の咲、菊〆(きくじめぎり)"っ!!」


4人は、何度もヴァリアルに攻撃を繰り返した。それは、止むことなくひたすらにヴァリアルに襲い掛かる。


「しつこいぞ…"魔装:パーシヴァル"っ!」


ヴァリアルがそう叫ぶと、彼の身体をドス黒いオーラが包んだ。

顔の部分だけそのオーラが晴れると、ヴァリアルの目には鉢巻の様な帯状の、灰色のオーラが纏われていた。

頭からは、ツノの様な黄色いものが2つ生えている。


「…全力で来いよぉ。一撃でぶっ殺してやるよぉぉぉ!」


ヴァリアルはそう言うと、一本の長くて細い刀を手にした。


「…"箱装備(ボックスアーム)"だ!やり方はこの前の戦闘時に言ったはずだ。全員やれっ!!」


彩科院がそう叫ぶと、迅雷寺と菊野はそれぞれの力のオーラを放った。


「…こうかな…"雷虎装(らいこそう)"っ!!」


迅雷寺のオーラは、黄色い雷の虎の姿になり、その身体に装備された。


「…やってやるっ!"翠犬装(すいけんそう)"っ!!」


菊野のオーラは、緑色の犬の姿になり、その身体に装備された。


彩科院も、自身の"焔馬装(えんばそう)"を装備した。

ふと、彩科院が横を見ると、桂は微動だにせず立っていた。


「…おい、桂っ!何してるっ!早く装備しろっ!」


すると、桂はニヤリとヴァリアルを睨んで言った。


「…私は、どうやらこの力を使ったらいけないようですね。身体が持たない。このまま攻めることにします。」


「何っ!?」


桂の言葉に、彩科院は驚いた。


「ごちゃごちゃウルセェよ!変な装備した所で、死ぬのは一緒だ!!」


ヴァリアルは、そう叫びながら4人に向かった。


「私が先行します。私が彼の隙を作った後は、皆に託します。」


桂はそう言うと、スッと刀に手をかけた。


「…おい、桂っ!そうはさせ…。」


彩科院が止めようとするも、桂は飛び出した。


「"桂流極の舞、極級ノ剣(きわみのまい、きょっきゅうのつるぎ)"…」


桂はそう言うと、刀を抜いた。

すると、桂の姿が一瞬にして消え去った。


「…揚々と、闇を切り裂く剣の舞。」


次の瞬間、桂はヴァリアルの背後に姿を現した。

ヴァリアルは無数の剣戟を喰らい、体制を崩した。


「"桂流十五の舞、真桂翠刺(しんけんすいし)"」


桂は振り返り、真っ直ぐ刀をヴァリアルに向けた。


「…ちょこちょこと、ウザってぇんだよっ!死ねよぉ!!」


ヴァリアルは、桂の方向に振り返るとドス黒いオーラを桂に放った。


瞬く間に、桂の全身を黒いオーラが包んだ。

しかしその中に、翠色(みどりいろ)に光る微かな光が存在した。


「…翠光(すいこう)煌く、光の塵と化せ。」


鋭い一本の光が、黒いオーラを真っ二つに切り裂き、ヴァリアルの体を貫いた。


「…甘ぇんだよ。俺の間合いに入ったら、てめぇは終わりだよぉぉぉ!!」


ヴァリアルがそう叫ぶと、ヴァリアルの体から無数の刃が、ヴァリアルの前方方向にいる桂に向かって飛び出した。


「桂ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


桂の身体は、蜂の巣の様に無数に刃が突き刺さっていた。

彩科院は考える間もなく、ヴァリアル目掛けて刀を構え、飛び出した。


「師匠っ!彩科院隊長ぉ!」


迅雷寺の叫び声も届かず、彩科院はヴァリアルの背後から刀を振るった。


「…学習能力のねぇ奴らだなぁ!!」


彩科院の刀がヴァリアルに触れる寸前で、ヴァリアルの背後から、またも無数の刃が現れた。

彩科院は急所は免れるも、その身体に無数の刃を受けた。


ヴァリアルは、黒いオーラで自身を包み込むと、一気に爆発した。


爆発の勢いで、桂と彩科院は地面に吹き飛ばされる。


「師匠っ!!!」


「彩科院隊長っ!!!」


迅雷寺と菊野は、それぞれの方向に走り出した。


上空では、少し疲弊した様子のヴァリアルが元の状態に戻っていた。


「…椎…菜…。」


迅雷寺が桂の身体を抱え込むと、桂は微かな声でそう言った。


「師匠っ!!早く手当てをっ!!」


迅雷寺は泣きじゃくりながら叫んだ。


「…椎菜…私の事は…もういい…。…奴を…ヴァリアルを…倒してくれ…ぐはっ…。」


桂はそう言いかけ、吐血した。


「…師匠…師匠まで、私の前からいなくならないでくださいっ!」


迅雷寺は必死に桂に叫びかけた。


「…影虎…君の父上が…寂しがってる…かもしれないな…。唯一の…兄弟子だから…。約束する…。影虎に…君の勇姿を…必ず報告する…。」


そう言うと、桂は"陽羊刀"を迅雷寺に渡した。


「本来…"箱装(ボックスアーマー)"を…違うエネルギーを…2つ同時に使う事は…できない…。しかし…君は"虎"だ…。かつて…影虎がやって見せた…。私の刀を…使って見せた…。君も…それができるはずだ…。1つの…"桂流"では…敵わないかもしれない…しかし…2つ同時に…"桂流"を使えば…可能性はある…。最期の教えだ…"桂双流(かつらそうりゅう)"…。君は…私の唯一の…最高の弟子だ…」


そう言うと、桂は力尽きた。


「師匠ぉぉぉ!!師匠ぉぉぉ!!」


迅雷寺は、何度もそう叫びながら桂の身体を抱きしめた。



「彩科院隊長っ!しっかりしてください!!」


菊野は彩科院を呼ぶも、反応がない。


「微かだけど息はある…そうだっ!」


そう言うと、菊野は通信機を取り出した。


「…"第4部隊改、菊野"。…今どこにいる?芙美華(ふみか)。」


菊野がそう言うと、通信に反応が来る。


『…久しぶりね、里海。今大塚よ。諜報員通信を使ってくるくらいだから、急用よね?』


通信から、女性の声がする。

彼女の名は、古織(ふるおり) 芙美華(ふみか)

BOX・FORCEが各地に分散させている、情報調達部員。


「…昔のよしみで頼み。彩科院隊長が重傷なの。救護お願い。」


菊野は簡潔に状況を説明した。


『…彩科院隊長が…了解。同期の頼みなら聞くしかないね。命令じゃないけど。』


古織はそう答えた。


「それと…恐らく桂さんが戦死…。報告を…。」


菊野の報告に、古織は言葉を詰まらせた。


『…桂さん…。わかった、すぐ行く。』


通信の向こう側で、バイクのエンジン音が響いていた。


「…頼んだよ。芙美華。」


菊野は通信を切ると、彩科院に応急処置を施し、ヴァリアルを睨みながら立ち上がった。


「…舐めんじゃないよ。うちの女剣士は、伊達じゃないんだよ。」


そう言うと、菊野は迅雷寺の元に移動した。


「…気持ちは痛いほど分かる…。だから、やるよ。立ちな。」


菊野は迅雷寺にそう言った。

すると、迅雷寺の身体から黄色い雷の様なオーラが溢れ出た。


「…絶対に、あいつを倒す。師匠の仇…。」


そう言って、迅雷寺は立ち上がった。


2人の女剣士は、真っ直ぐヴァリアルを睨みつけた。


「はっはっはぁぁ!!雑魚はあと2匹か?」


ヴァリアルは高笑いをしながら、2人を見下ろした。


嵐の様な激しい風が辺りを吹き荒れる…。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ