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43. 協力

 そろそろセリフをわざわざ書き出すのは疲れたから、俺の独り言とかはもう省く。小説家のなけなしのプライドとかもだりぃから捨てる。ロバートのために、他にすることは山ほどあるしな。


 そのロバートの状況がやばそうなので、他に協力者を……と思ったが、何をどうしたら呪われた街に行ってくれるようなやつが見つかるんだ。ネットで検索しろってか。こちとら外からどうにかする以外できねぇってのに。


 ……まあ……案外ラッキーな情報転がってるかもだし、一応検索してみるか。えーと、関係ありそうなやつ……サーラ・モンターレってやついたよな……名前からしてイタリア系か……。サーラ・セヴェリーニなら起業家にいる。

 一応電話で問い合わせて聞いてみるか……? でもこれ、どうやって協力してもらうんだよ……。

 ひょっとしなくても、俺の対話スキルにかかってんじゃねぇのかこれ。無茶言うなよ編集者と話すだけで労力半端ねぇんだぞ。いやでも頑張るしかねぇよな……人間怖いとか言ってらんねぇよな……。……怖いけど……。




「…………アンダーソン? ローザ・アンダーソンの知り合い?」

「……姉貴のこと、知ってるんですか?」

「まあね。こっちも三十路でビジネスやってる女だし、名前くらいは知ってるよ。名前だけだけど……」


 姉貴、マジかよ。まさかのそんなとこで?俺にはいっつも下僕やら躾やらマニアックな話しかしねぇのに……。

 いやでも、あの人のために協力してくれる間柄じゃなさそうだな……姉貴、人望なさそうだしな。


「……コルネリスって人知ってます?」

「大学時代、先輩に頼まれて偽名使って会った。酒ならよく奢らせたけど、最近連絡来ないんだよね……。一応心配したけど、ああいう手合いって熱冷めたら乗り換えも早いし、連絡には迷ってんだよ。ストーカーっぽいとこあるから」


 おい、散々言われてんぞ。この流れじゃ故人って言いにくいわ。

 でも確かに、ほんとに好きならプロポーズの時も相手の気持ち考えるよな。……無理やり気持ちを押し付けたりしねぇよな。


「昔母さんと付き合ってた男のがまだいい男だよ。まあ死ぬほど頭悪かったけど……。……どうでもいい話したね。で、何の用だい?」


 どうしよう、本気で切り出しにくい。しかもサラッと複雑な家庭事情を明かされた。……俺も人のこと言えねぇ……!


「……カミーユってやつ、知ってます?」

「誰だい、そいつ」


 だよな!!


「レヴィは……」

「聞いたことある気はすんだけどさ……」


 聞いたことある、じゃ弱いよな。哲学者とかにもいるしな。


「……レオ、とか……」

「…………は? もしかして、レオナルドのこと?」


 え? まさかのそこ?


「レオナルド・ビアッツィって言うんですけど……」

「母さんの元カレだよ。20年くらい前にあったっきりだけど……」


 ……はい?


「元気にしてっかねぇアイツ。親父のくせしてアンジェロの顔も見に来なかったけど……」


 もう何がなにやらわからねぇよ。いや、よく考えたら名前イタリア系だ。同郷か!! そこの繋がりか!!


「えっと……ちょっと大変なことになってます。幽霊に取り憑かれたり……」

「アレに取り憑く霊なんかいるわけないだろ」

「いや、それが……まあ、いまして……」

「……ふぅん。兄貴の霊すら見てやらなかった薄情な兄弟なのにねぇ」

「……あれ? レニーって兄貴だっけ」


 何気ない疑問だった。だが、彼女にとっては重大な一言だったらしい。電話の向こうで息を飲む音が、はっきりと聞こえた。


「レニーのこと、知ってるのかい?」


 …………まさかの。


「レオナルドと二卵生だけど、双子で……似てない……。ガキの頃に死んじまったって……アタシに言ってくれた」

「た、たぶん、そいつです」

「そこ、どうやったらいける?」


 カミーユあたりに聞くしかないよな、これは……。

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